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20の美術展

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今年、20の美術展に足を運ぶことを目標に掲げています。 ぎりぎりに駆け込んでいたり、筆が遅くてゆっくり推敲していたりと、会期末が終わってから公開となることも多いですが、展覧会の感…
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2020年3月の記事一覧

4. 奈良原一高への追悼 『消滅した時間』展 【前編】

六本木のAXISビル2階のタカ・イシイギャラリーで(現時点では)開催中の、写真家 奈良原一高の 『消滅した時間』展。2020年4月4日まで。私の訪れた3月初旬には、首都圏の多くの美術館が臨時休館していて、どちらかといえば密集率が低いと考えられるギャラリーにはその状況でも開館を続け健闘しているところが多かった。 この記事では、奈良原本人の言葉を適宜引用しながら彼の足跡を辿り、展示作品が撮影された1970年代より以前の奈良原の姿を紹介していく。 奈良原一高を知って奈良原一高とい

3. 「DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに」 忘却できない傷の痕跡①

「20の美術展」シリーズ3本目の記事として、現代作家のグループ展を取り上げます。テーマは「傷ついた風景の向こうに」。世界そして自分の抱える傷をどのように癒していけばよいのか、作品は私たちに問いかけているように思います。忘却できない傷の痕跡を抱えて生きていくことについて考えました。 現代のアーティストの作品と出会える嬉しさ22回目を迎える「DOMANI・明日展」の今年のサブテーマは「傷ついた風景の向こうに/ Landscapes in Our Age: Scarred and