art_saki
もっと好きに、もっと楽しめるようになりたいとの思いから、オペラを中心に鑑賞記録や思いつきなどを書き記すことにしました。
展覧会の記事を書きながら思いついたこと、美術以外のジャンルで気になったことなど。
今年、20の美術展に足を運ぶことを目標に掲げています。 ぎりぎりに駆け込んでいたり、筆が遅くてゆっくり推敲していたりと、会期末が終わってから公開となることも多いですが、展覧会の感想をまとめています。
noteに投稿しないまま、実はもう3年近い。 それでも、ぽつりぽつりと記事が読まれているらしいとこの数日通知があって、ネット上に自分の言葉が存在していたことを思い出す。 書かなくなった理由は忘れてしまったから、また投稿しなくなることもありえるけれど、分身、復活させようかな。
オペラを楽しむには、何から始めるのがよいだろう?まずはあらすじを知ることが重要だと多くの入門書には書いてあるし、私もそうしてきたけれども、ではなぜ、あらすじを知る必要があるのだろう。 以前、同じ演目を何度も見る理由について考えていた。 東京で上演されるオペラの広告チラシを見ていると、見覚えのあるタイトルが並ぶ。人気の高い演目は別の劇場で同じ年に複数回上演されることもあるくらいで、レパートリーはある程度限られているようだ。もちろん上演回数の少ない貴重な公演(コロナで吹っ
1. マガジンを作るきっかけ外出自粛期間に友人とオンラインで話せば、「最近は家でなにしてる?」という話題は恒例で、「オンライン配信されているオペラとか舞台映像見ているよ!」「え、どんなのやってる?」というやり取りを各所で何かと繰り返してきた。その結果、大好きなものについて語っているときのオタク特有のテンションで話してしまい半ば強引に言わせたようにも思えてきたが…「もっと知りたい、特にオペラはよく知らないので教えてほしい」というリクエストをもらった。 同じ趣味の仲間が増えれば
芋づる式読書マップという、本好きにはきっとたまらない岩波書店のキャンペーンがある。本を一冊選び、その本から連想するものを選ぶ、というのを繰り返していく。 3月末に、家で読書を楽しめるようにとこのマップがネット上で話題になったようで、twitterをきっかけに知った私は、家の本棚から芋づる式をしてみた。 A4用紙に書きだした27冊のうち15冊を前編の記事で紹介したので、この記事では残りの12冊について。 まずはマップの全体像から。(自分用に走り書きした雑なものですが…)
この記事は、前編(*2.【オンライン配信まとめ】オーケストラ・ダンス・演劇・歌舞伎・映画)のオペラの章だけを独立させたものです。(読み込み速度が上がるように) ぜひ前編と合わせて、ご覧ください!またオペラの章を既に読んでいただいた方も、内容を少しブラッシュアップしましたので是非最後までお目通しくださいませ。 まえがき(前編と同じ内容を再掲します。) 世界中で公開されているコンサートや舞台などのオンラインコンテンツ情報をまとめています。多くが、Covid-19感染拡大の影響
本棚を人に見せるというのは、少し気恥ずかしくないでしょうか。読んでいる本の種類や並べ方には持ち主の人となりが表れる、とよく言われます。 先日ネットで見かけた「岩波芋づる式読書MAP」が面白そうだったので、「部屋の本棚の中から、今の自分が良いと思った本を」という条件で芋づる式選書をしてみました。 せっかくの選書ということで、タイトルと簡単な紹介文を書いて記事にまとめています。これなら本棚を見せるよりは大分ハードルも低くなりました。 芋づる式の進め方マップのルールは、
※4/14 ダンス・映画、4/15 国毎まとめ、4/20 演劇、4/25バレエ・ミュージカル・演劇加筆。【オペラ章を別記事に移行しました!】 世界中で公開されているコンサートや舞台などのオンラインコンテンツ情報をまとめています。多くが、Covid-19感染拡大の影響を受けて、一定期間限定公開されていたり特別に無料公開されていたりと、特別な配慮で生まれたもので、このような状況下で動いていただいた関係者の皆様には感謝の気持ちを届けたいです。 疫病は様々な面で私たちの生活を蝕ん
六本木のAXISビル2階のタカ・イシイギャラリーで(現時点では)開催中の、写真家 奈良原一高の 『消滅した時間』展。2020年4月4日まで。私の訪れた3月初旬には、首都圏の多くの美術館が臨時休館していて、どちらかといえば密集率が低いと考えられるギャラリーにはその状況でも開館を続け健闘しているところが多かった。 この記事では、奈良原本人の言葉を適宜引用しながら彼の足跡を辿り、展示作品が撮影された1970年代より以前の奈良原の姿を紹介していく。 奈良原一高を知って奈良原一高とい
noteを書き始めたきっかけnoteを始めて大体一ヶ月が経つ。更新頻度のゆっくりな新参者ながら居心地の良さを感じているのは、自分が書く理由に自信を持てたからだと思う。文章を書くのが好きというだけでは続けられなくて、そこに何か「こだわりの理由や意義」を求めていた私がたどり着いた「やっぱり文章を書き残さなきゃ」という強い気持ち。 noteやブログを書き悩んでいる人にこの文章が届くことを願いつつ、その背中を支えるような言葉になればと、ちょっと胸の内を明かすような気分で、記事にまと
「20の美術展」シリーズ3本目の記事として、現代作家のグループ展を取り上げます。テーマは「傷ついた風景の向こうに」。世界そして自分の抱える傷をどのように癒していけばよいのか、作品は私たちに問いかけているように思います。忘却できない傷の痕跡を抱えて生きていくことについて考えました。 現代のアーティストの作品と出会える嬉しさ22回目を迎える「DOMANI・明日展」の今年のサブテーマは「傷ついた風景の向こうに/ Landscapes in Our Age: Scarred and
西洋美術を優先して普段あまり足を運ばない、また知識不足の否めないアジアの美術も鑑賞しようと今年は意気込んでいるので、前記事に続いて日本美術です。 やきものは、元々すっかり門外漢だっただけに、記事を書くためにもせっかくだから勉強しようと、鑑賞中の記憶を必死の思いで呼び戻しながら、時には不明点を調べ、図録の写真をじっくりと眺め、推敲しながら書きました。15000字を超える長文なので、お好きな章からお読みいただければと思います。 本展の見どころ出光美術館といえばやきもので有名
応挙の第一印象を思い出す中学生の頃、美術の先生が「円山応挙という人は本当に絵が上手くて、雪を描き残したんですよ。描き直しができないから凄いことですよね。」とおっしゃっていたのをよく覚えている。 教科書の「雪松図屏風」を見るとたしかに、輪郭線も白塗りした跡もなく、ほんわりとした余白が幹や枝に、積もっている。この印象は現物を見るとまた違ったものに変わったのだけれど。 「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」展では、この名作が展示されていた。三井記念美術館では年末年始恒例の公開というこ
2019年の大晦日は、Excelで2020年の首都圏展覧会一覧表を作っていた。 残念ながら昨年は評判の良い展覧会を結構見逃してしまった。会期末ぎりぎりに行こうとしていたのが仕事の調整ができなかったり、そんな展覧会があったのかと終わってから気づいたりもした。周囲の美術好き(美術史を大学で専攻していたので、実は学芸員の知り合いも複数にいる)と久しぶりに集まると、この前のあれ見た?とか今年の一番は〜と話が盛り上がるのが醍醐味なので、せっかく美術の話ができる機会なのに時事ネタについて