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20の美術展

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今年、20の美術展に足を運ぶことを目標に掲げています。 ぎりぎりに駆け込んでいたり、筆が遅くてゆっくり推敲していたりと、会期末が終わってから公開となることも多いですが、展覧会の感…
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2020年2月の記事一覧

2. 「やきもの入門」展

西洋美術を優先して普段あまり足を運ばない、また知識不足の否めないアジアの美術も鑑賞しようと今年は意気込んでいるので、前記事に続いて日本美術です。 やきものは、元々すっかり門外漢だっただけに、記事を書くためにもせっかくだから勉強しようと、鑑賞中の記憶を必死の思いで呼び戻しながら、時には不明点を調べ、図録の写真をじっくりと眺め、推敲しながら書きました。15000字を超える長文なので、お好きな章からお読みいただければと思います。 本展の見どころ出光美術館といえばやきもので有名

1. 「雪松図と明治天皇への献茶」展

応挙の第一印象を思い出す中学生の頃、美術の先生が「円山応挙という人は本当に絵が上手くて、雪を描き残したんですよ。描き直しができないから凄いことですよね。」とおっしゃっていたのをよく覚えている。 教科書の「雪松図屏風」を見るとたしかに、輪郭線も白塗りした跡もなく、ほんわりとした余白が幹や枝に、積もっている。この印象は現物を見るとまた違ったものに変わったのだけれど。 「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」展では、この名作が展示されていた。三井記念美術館では年末年始恒例の公開というこ