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“小瀧望”という一番星 ③



迷える街 梅田

何度か宝塚を観に梅田に訪れているが、いまだ梅田の駅周辺は迷子になる。
ただあの日は一心不乱に梅田芸術劇場を目指した。
もう一度、サーキ王子、いや、小瀧さんに会える。デスホリという作品の枠を超え、小瀧さんの存在が、梅田の街で迷える私の救いだった。

梅芸につくと、やはりぬいぐるみの撮影会が行われている。また直前に小瀧さん本人のインスタグラムにて投稿されていた指ハートと同じように写真を撮るファンの方も多くいた。出会って数日の私には大きな試練である。とりあえず心の中で指ハートをした。

前回は小瀧さんのことをよく知らずに3階の端っこで見ていた人が、小瀧さんについて5%ほど知り、1階の真ん中の席で観劇する。嘘みたいな本当の話である。ワクワクする気持ちと、相変わらずの緊張を抱えて幕が上がるのを待った。

夏中いてくださればいいのに

もうこれで本当に小瀧さんのサーキ王子に会うことが出来ない。死神で登場した時からこの姿を見に焼き付けようと必死になった。YouTubeで見ている可愛らしい末っ子の小瀧さんとは違うミュージカル俳優“小瀧望”を浴びる幸せ。

大きな帽子や仮面、爪などで美しい美貌を武器には出来ない。しかし、耳の奥に語りかける低音ボイスの歌声と“人間の世界”への溢れる興味が伝わる丁寧な演技。明らかにアップグレードされた小瀧さんがそこにいた。

サーキ王子は金曜日の真夜中に現れ、日曜日の真夜中に帰っていく。
わずか数日しか屋敷にいない、神秘的な魅力を持つ王子に対してグラツィアは「夏中いてくださればいいのに」と思いを述べるが、私は小瀧サーキ王子に是非言いたい。


「一生いてくださればいいのに」

終演後、小瀧さんのファンの方が少なくなった時間帯にこっそりと宝塚歌劇団の公式キャラクターであるレヴィのぬいぐるみを持って、ポスターと写真を撮った。少しだけ小瀧さんのファンの仲間入りが出来た気持ちになった。

実はそばにいたようだ

無事に梅田の遠征を終え、改めてWEST.さんを調べていくとどうやら身近に彼らはいたらしい。

中学時代のダンスの授業の課題曲だった『ええじゃないか』バレーボールにハマっていた時期の大会テーマソングだった『Big Shot!!』嵐ファンだった母の影響で毎年観ていたカウコン、あの時のセーラー服の美女(と全く矢が届いていないキューピット)

点と点が一本の線に繋がっていく。もしかすると、小瀧さんに出会うのは運命ではなく必然なのかもしれない。こんな素敵なミュージカル俳優に、アイドルに、人間に出会えたことに感謝である。


まず、生田先生ありがとうございます。
我がご贔屓礼真琴の退団公演のショー大変期待しております。


そしてミュージカルを挑戦しようと思い飛び込んでくれた小瀧さん、本当にありがとうございます。もしよければ、いや、必ずミュージカルの世界にまた来て下さい。どんな作品でもどんな役でも出演して頂ければ必ず観に行かせて頂きます。

まだ知らないことだらけ

こんなにつらつらと偉そうに書いているが、正直まだミュージカル俳優の姿とYouTubeのおふざけ末っ子のんちゃんの姿を知っただけであり、ライブでアイドルしている小瀧さんを知らずにいる。

どうやら、映画館でWEST.さんのライブが観られるらしい。時間が合えばアイドル小瀧望に会ってみたいと思っている。また知らない、新たな“小瀧望”に出会えるのだろうか。



その時は、またレヴィを持ってこっそり写真を撮ろう。


またミュージカルの世界に“小瀧望”が舞い降りてくれるその日を心待ちにしながら。












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