春分点ポータルに向けて意識化のエクササイズ|バックミンスター・フラー著『コズモグラフィー』から
2022年の春分点は 3月21日 0時33分 です。
天使暦ではその前に空白の領域における2つのポータルを通過します。
可視領域で認識されるものは、タイムラインの合流と分岐が現象界で発生する一瞬を過ぎ、エネルギー的には既に「去った」と考えられるので、あらかじめ意識化しておく(ただし決めつけない)ことを提唱します。
バックミンスター・フラー著『コズモグラフィー』(以下「同書」)には、この意識化のため重要な示唆に富む情報が記されているので引用します。
私が読者と共有しているあらゆる思考では、次のことが私の作業仮説となっている。
1. 生命は、独立した個体が他者性を意識することで始まる。
2. 独立した個体の意識には、その個体を個別なシステムにする固有の〈外部性〉と〈内部性〉がなければならない。
3. 意識はつねに身体的な脳の中でのみ生じる。
4. 想像力(image-I-nation)とはつねに、内部または外部に位置する痛覚や触覚、味覚、嗅覚、聴覚そして視覚という感覚が、あるいはおそらく超(または下位の)感覚的な領域で同調できる振動数の電磁波の受容体により、神経系を通して供給される外部情報のみに刺激されることを意味する。
(中略)
あらゆる一般化は超物理的(=メタフィジカル)で永遠である。すなわち時間から独立している。〈特別な場合〉におけるあらゆる経験には始まりと終わりがあるため、この経験は一時的なものである。私は、つねに〈特別な場合〉における一時的な現象のみを扱う。マインドのみが数学によってしか表現できいない宇宙の普遍的な相互関係を扱う。
p.137 - 138 同書
昨今の世界情勢を見るにつけ、いよいよオワコンな西洋文明ですが、その構造上の致命的欠陥を、フラーはとっくに見抜いていました。それだけでなく、その対処方法として〈シントロピー〉を提案しています。
この欠陥を平たく言うと、
1. 見えるところだけをきれいに整えて完璧だと思い込んでいる
2. アップデートの自動化ができない
この2点につきると思われます。
特に、アップデートの自動化については、まるでみずほ銀行のATMシステムのようなかなりいい加減な対応が跋扈していて、実際は手動で行わせていることを隠して搾取するための都合の良い口上として”無条件の愛”という魔法の言葉が流通しているという有り様です。それが宗教やスピリチュアル、ディ◯ニーランドや芸能スポーツやニュースショーを筆頭とする各種エンターテイメントとして、人々を思考停止に陥らせるために機能しています。
アップデートの自動化ができない文明を維持するための犠牲はエントロピー的(無秩序)に膨れ上がる一方です。それでもどうにか維持できていたのは、エントロピーの増大を回収するシントロピー的な機能が”隠された搾取”として支えていたからにほかなりません。
考察の対象となるシステムは、個別に同調できる原子核とその原子核内のミクロコスモスの全空間を充填する粒子群である。粒子群そのものは、振動数が変調できるため、個別なシステムのもつ同調機能に従う。原子核システムは宇宙の相転換であり、この相転換において内部的な考察が終わり、外部的な考察が生じる。
量子力学に関する最新のこれらの解釈は、〈シナリオ宇宙〉の独特なエピソードの中で個々に扱われる出来事の、非同時的かつ複合的に重複する〈特別な場合〉のみにおける、始まりと終わりという最新の概念に基づいている。
このような宇宙における始まりと終わりは、局所的な時間軸におけるシントロピー的な集合の発端が、システム的な客観的存在のエントロピー的減衰の終端と一時的に重複するところにすぎない。
(中略)
さらに、あらゆる物理的システムが絶えずエネルギーを放出していることが科学的に証明できる。この過程は〈エントロピー〉と呼ばれている。局所的宇宙のシステムにはそれぞれ固有の周期性があるため、システムが放出するこのエネルギーは他のシステムにかかわりながらランダムに費やされる。こうして物理的宇宙のさまざまな領域は、膨張しながら、無秩序を増大させる方法でエネルギーを費やす。しかし、基本的な相補性を満たすには、宇宙の他の領域にもうひとつの相がなくてはならない。すなわち、宇宙が秩序を増大させる方法で再集合し、エネルギーを集めて凝縮し、相補的かつ再生的にエネルギーを保存する相、つまり局所的無秩序の増大から局所的秩序の増加への、エントロピーからシントロピーへの転換は明白である。
P.143-145 同書
”局所的無秩序”は、6のサイクルに捕縛された意識が映し出す幻影にリアリティ(ハートからのエネルギー=恒星の光)を注ぐことによって必然的に発生します。
それに対処するためのアイデアとして、7のサイクルである曜日の無限循環構造との連携が毎月第一・三日曜日に実施しているワークショップの趣旨のひとつです。
筆者が提唱している「ハートとマインドの連携」というのは、それをわかりやすく表現したものです。
さまざまな生物種の中でも人間に固有なシントロピーの働きは、人間の〈マインド〉である。人間の〈マインド〉には、これまでの歴史で発見されてきたような、数学のみが表現できる一般化された原理群を発見して客観的に利用する、なかば神聖な力がある。
地球の生態環境による反(=アンチ)エントロピー的な役割の重要性は、偶然にも私自身とノーバート・ウィーナーが発見し、〈宇宙で明らかになっている範囲で最も包括的で鋭敏な反(=アンチ)エントロピーを構成する〉概念として、それぞれが別々に発表した。1951年に私は、〈反(=アンチ)エントロピー〉という否定的な表現を〈シントロピー〉と改めた。この概念の登場によって、「宇宙には明らかにエントロピーを繰り広げる恒星(あるいは熱力学的死)と逆の現象は存在しない」という天体物理学者たちの仮説は無効になるはずだったが、哲学者も科学者と同じように、〈エントロピー〉の法則の反例が存在する可能性を熟考しはじめ、その反例を宇宙のはるか彼方に捜し求め続けたのである。その結果、再生的であることがあまりに自明な目の前にある地球(=バイオスフィア)は見逃され、〈シントロピー〉は、未知なる世界の仮想的存在とみなされていた。
p.146 同書
この〈シントロピー〉は、筆者にとっては、曜日の無限循環構造のトーラスモデルによるプロセス化として現わされました。
フラーが指摘しているように、”未知なる世界の仮想的存在”として扱う愚を冒している科学者や哲学者などの知識人は、曜日というありふれた人類の営みを支えている体系を見落としているのか意図的に考察を怠っているのかは知りませんが、そのメカニズムが完全な整合性をもつことを黙殺することは、彼ら自身の存在意義を失わせることにつながるだろうと思います。