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#058.愛デンティティ。
オッス!オラ野沢雅子!
ドラゴンボールの主人公「孫悟空」の声優を担当している野沢雅子さん。そのモノマネ芸で人気を博しているのが、お笑いコンビ「アイデンティティ」の田島さんだ。
アニメのキャラクターに命を吹き込むのは声優さんだ。野沢雅子さんの声こそが「孫悟空」そのものなのだ。彼女の声やイントネーションが、私たちに「孫悟空」を認識させている。
彼女とほぼ同じ声・イントネーションで話す田島さんだが、彼の見た目は「野沢雅子さん」だ。そして「オッス、オラ野沢雅子!」と自己紹介をする。
見た目も自称も「野沢雅子さん」なのに、私たちは、そこに抗いようもなく「孫悟空」を感じてしまうのだ。
つまり、彼がやっていることは「孫悟空による野沢雅子のモノマネパロディー」なのだ。孫悟空が、野沢雅子のコスプレをして、ドラゴンボールのシーンやシチュエーションを会話の中に再現しているのだ。
そこに、倒錯した面白さがある。
彼らの芸はドラゴンボールの内容に精通していないと不可能だ。作中の膨大なセリフ、シーン、シチュエーションの中から、多くの人の印象に残っているものを抽出しないと成立しないからだ。
ベタ過ぎてもつまらないし、マニアック過ぎると思い出せない。選び出すセンスも重要だ。そして、それを通常世界の日常会話に落とし込んでいく。それがキモなのだ。
彼らの芸を成立させているもの。それはドラゴンボールという作品に対する「愛」に他ならない。
…しかしながら「アイデンティティの田島さん」という一個人のアイデンティティ(自己認識)は、今どうなってんだろうね?
「孫悟空による野沢雅子のモノマネパロディーをしているお笑い芸人」
…ややこしいわ(笑)
人気は水物なので、いつかこの芸が飽きられた時、彼はどんな方向に進むのだろうか。
ドラゴンボール愛が、彼を支え続けてくれることを祈る。
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※全然関係ないんですけど、今回の記事は、タイトルと概要だけ書いて寝かせてた下書きを完成させたものです。
本来はアドラーの愛の課題について書くつもりでしたが、いつの間にかこんな話に(笑)アドラーはまた今度書きます。
noteの記事も水物ですね。思いついたとき、こころのままに書くのが吉。
ほな、また。
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