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公園おばさんインマイハウス

1月31日 金曜日

昔住んでた家の最寄り駅に、「100円くれおばさん」というその一帯ではちょっと有名なおばさんがいた。

切符を買おうとする人の隣にササッと横付けし、初対面中の初対面で他人に100円をねだる(何故かちょっとエラそう)という、かなり強靭なメンタルの持ち主。


しかし100円くれおばさんを見かけると、目的地までの信号全部青だった時同様、"ちょっとラッキー"みたいな風潮があった。

よく分からないがそんな悪い人でもなさそうだし、加えてちょっとおもしろ要素もあるので特に通報されるようなこともなかったんだと思う。


そんな〇〇おばさんもしくは〇〇おじさん的な人は今の時代こそほぼ見かけなくなったが、昭和平成くらいまでは何駅かに1人、その駅の裏名物おばさんおじさんとしていたような気がする。


それがこの令和時代、しかも家の中に出現するとは思ってもいなかった。

そしてそれがまさか自分であるとはもっと思ってもいなかった。


朝から昼にかけての私を振り返ると、娘と夫に対し相当"公園"をあてがっていたらしい。


「今日も天気いいし公園だな」

「ご飯食べ終わったら公園だ」

「家ばっかじゃなくて公園も行った方がいいよ」

「公園、公園!」

「公園で体動かそう」

「そろそろ公園行くから着替えて〜」

「はい、じゃあパパと公園ね。行っておいで」


今思えば娘との話のラリーを足すと、おそらくこれの2〜3倍は"公園"というワードを発していた思う。


「家に公園おばさんいるぞ!」


少し離れた場所にいる2人からそうイジられるまで、自分が"公園おばさん"であることを微塵も自覚せず、娘や夫に横付けしては「公園、公園〜」と擦り寄っていた私。


裏名物おばさんは駅どころか、自宅にいた。


ていうか私だった。


何このシックス・センスみたいなオチ。
こわ。

やっぱ自分のことって自分じゃなかなか気づかないよね右ストレートがぶち込まれてめまいする事態。


「公園、どうだった〜?」

遊んで帰ってきた娘に懲りることなくまたそう言ってしまった私。もうこれで確実に公園おばさんだ。確定。
はい、わたすが公園おばさんです。


いつかの100円くれおばさんを、一気にただの他人とは思えなくなった。


むしろ少しもラッキー感のない公園おばさんより、みんなの人生にちょっとおもしろエピソードを授けてくれる100円くれおばさんの方がよっぽどイカしたおばさんだ。


"姉さん"そう呼ばせて下さい。


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