縁側のある一軒宿で、ただ読書する②
【油断していたぞ、柱時計】
さて、田舎の夜は基本的に静かなのだが、ひとつ、油断をしていた事があった。
それは、柱時計である。
台所と居間それぞれの柱時計が、なんと、1時間おきにボ~ンボ~ンと鳴るのだ。(しかも2柱が5分ほどズレており、それぞれ時間差で鳴るのだよ)
寝床で起きているうちはまだ良いが、ウトウトし始めた頃にこれが鳴ると、さすがにしんどい。2日間は猫から解放されてぐっすり寝るつもりだったのだが…。
まぁそれならそれで、早起きして、暑くならないうちに町を散歩しよう。
…と、4時に起きてみたが、まだ薄暗い。そうか。西日本は日の出も日の入りも遅いのだったな。東京だと、朝4時なら、空が白み始める頃なのにね。
【早朝の散歩】
ようやく明るくなり始めた5時半。カメラを持ってフラッと出掛ける事にする。
【こういう事をやりたかった】
朝食を摂り終わると、あとはやる事が無いので、また読書に耽る。
そうそうそう。こういう事がやりたかったのだよ。
縁側で扇風機に当たりながら、蝉しぐれをBGMに、日がな一日ゴロゴロ過ごす…という、よくドラマなんかで見るやつ。
よく「田舎のおばあちゃんの家みたい」という表現があるが、自分の場合、両親とも親が早死にしている為、”実家”というものが無く、従って、”帰省”というものも、”爺さん婆さんに会う”という事も、経験した事が無いのだ。
「田舎のおばあちゃんの家」って、こんな感じなのだろうか。
いいよなぁ、田舎がある人って…。
【古民家で昼食】
さて現実は、婆さんがあれこれ世話をしてくれる訳では無いので、昼食は自分で調達しなければならない。
しかし作るのは嫌なので、今日は外食する事にしよう。
行った先は、古民家を改装したレストラン『芒種』さん。なかなか人気店のようで、自分が席に着いた後、次から次へとお客が入って来た。
店を出た後は、本日のアルコール及び夕食を調達すべく、昨日と同じスーパーへ。
ついでに、町を再散策する。
【こういう事をやりたかった2】
宿に戻ると、再びゴロゴロ昼寝と読書。
それにしても、昼寝やうたた寝というのは、夜の睡眠より爆睡出来るのは何故だろう。
今晩の夕食は、もうあれこれ考えるのさえ面倒臭く、昨日の冷凍枝豆の残りと、チキンラーメンである。まったく普段通りの食生活で笑える。
そして、人間は様々な事に順応出来る動物なので、2日目の夜は、柱時計の音など気にせずに爆睡。昼間散々寝たのにね。
【再び播但線で/やっぱりフィルムカメラ】
正直もっと連泊したかったのだが、家の老猫のお世話もある為(この2日間はシッターさんに来て貰っている)、このところは2泊3日が限界かな。
台風も来てるしね。
播但線で姫路へ出て、帰路はツマラナイ新幹線。
ツマラナイながらも、車中駅弁を楽しみ、本を読み、ついでに来月で車内販売が廃止となる為、「シンカンセンスゴイカタイアイス」を食べ収めしようと思ったところ、同じ考えの乗客がワンサカ居たようで、既に売り切れ。
残念無念…。
ところで、今回は室内で撮影する事が多いと踏み、念のためデジタルカメラも持参したのだが、それはそれで正解ではあったが、やはり、撮ったものを比べると、自分の中ではフィルムカメラに軍配が上がる。
まぁ、自分が持っているのは古いデジタルカメラなので、今どきのカメラのように、”フィルムシミュレーション機能”も付いておらず、「デジタルでごわす!」という写り方だからかもしれないが。
という事で、最後に、フィルムカメラで撮影した室内の写真を。
(屋外はすべてフィルムカメラで撮影。室内はデジタルが中心。下記の数カットのみフィルムで撮影しました。)
とっても良い旅でした。
Kodak GOLD 200 / Carl Zeiss PlanarT*50㎜1.4 / CONTAX 167MT
M.ZUIKO DIGITAL 14-42㎜ / OLYMPUS PEN E-PL1