Buen Camino_Portugués-3【pilgriming】ポルトガル巡礼の道
これまでのあらすじ。
スペイン巡礼道の1つ、ポルトガル巡礼路を歩く旅をPortoよりスタート。疲労が出る2日目。さあ出発です。
今日はVilarinho→Barcelos(28.1km)の予定。
昨日のNoteはこちら。
Buen Camino_Portugués-3【pilgriming】ポルトガル巡礼の道
本日の朝ごはん。
宿で自由に食べていいよと伺った朝食
フレーク+牛乳。
胃に詰め込む。朝食があるだけでもありがたい。
でも味がない。
また湯沸かし器でお湯を作る。湯沸かし器やティーパックがあるのもありがたい。
カモミールを選んで温かいお茶を作る。
朝からカモミールを飲んでゆったりする。
昨晩大雨が降っていたため、朝も残っているのではと思ったがラッキーなことに雨はあがっていた。
さあ出発。
風が少しぬるい。雲が深く空を覆っているがそのうち晴れるだろう。
曇のうちにできるだけ進みたい。
Centralの道は川が多い。
農業排水、畜産排水、そして生活排水も流していると思うがきれいに見える。
どういう処理をしているのだろうか。
少し暑くなってきた。
現地のおばちゃんと言葉を交わす。
Bom Caminhoと言われてポルトガル語はそうだったと気づく。
Buen Caminoはスペイン語。ポルトガル語だとこういう。
そう言ってる気がした。
荷物重そうだねとかどこまで行くの?というような内容をを身振り手振りでして話をする。
オブリガードと言ってお互い笑顔で別れる。
こういう言葉が分からなくても話をするということがこの旅では多い。
ブラガに入る。ブラガの応援かと思いきや、ベンフィカ。
ベンフィカはリスボンのフットボールチームでルイ・コスタが会長をしているチーム。
距離は関係ない。好きなものを応援する気持ちは万国共通。
スペインやポルトガルではこういうチームフラッグを家に掲げているケースを結構見る気がする。
今のところ家に掲げられているチームはナンバー1はバスク地方を歩いているときに見かけたビルバオ。
バスクのチームは熱い。
鳥の前でカナダから着ている老夫婦と出会う。
写真を取ろうとしていたので「撮りましょうか?」と声をかけて撮って差し上げた。
そうすると大抵の場合「あなたも撮ってあげる」という会話になる。
そういう時私は「一緒に撮りませんか」と言って知らない巡礼者と写真を取ることにしている。
一人旅なので一人の写真はほとんどない。
自撮りをほとんどしないため。私が写っていない写真がほとんどだ。
特に深い意味はないのだが、私自身の視点の画があったほうが何かを思い出すきっかけになるから。そういう意味では写真は大切だと思う。
誰かを入れるのは、顔を思い出したいのと、自分一人でここの道を歩いていなかったのを思い出すため。
単純には名前と顔が覚えられないというだけかもしれませんが。
11時をすぎると24℃に気温が上昇。
日差しもキツくなる。
日陰がほしい。
空腹と熱で意識が朦朧とする。だが、歩みは止めない。
ふと「人生は暇つぶし」という名言を残した親友のことを思い出した。
親友と言っても全然連絡をとっていない。元気にしているだろうか。
暇つぶしという余白に人生を当てはめるあたり中2の思いつきにしては哲学的に感じる。
そういえば後に哲学科卒業だったか。
その暇つぶしとして今歩いている。
朦朧としながら。腹痛と空腹を感じながら。
止まるともう動けなくなるのではないかと不安になりながら。
そして体の色々なところに痛みを感じながら。
普段は全く意識せずに動かしている手や足も痛みや違和感を意識することで初めてそこに存在していることに気づく。
意識するととたんに重くなったように感じる。
不思議だ。
不自由になることで初めて手足を認識することができる。
水を飲んでメダリストを飲んでむりやり意識をこちら側に引き戻す。
空腹を感じた際に羊羹を食べておくべきだった。
メダリストは優秀。
空腹に効くわけでは無いが筋肉痛に効く。筋肉痛にならない飲み物。
中四国ではよく見かけるが東京ではあまり見ない。
なぜか北海道のサツドラで見つけたことがある不思議なアイテム。
粉、ゼリー、アメなどあります。
見かけた方は是非。
歩く歩く。
空腹に耐えかねてカフェに立ち寄る。お店があって助かる。甘そうなパンを選択。1.4€。
期待と違う味。ほんのりした甘さ。海外では珍しい。でも回復の助けになる。食べるの大事。ハンガーノック対策はしっかりと。
途中、イタリア人のダビデとケビンと出会う。
彼らはシチリア島から来たらしい。
会社をやめて求職中とのことで一緒だねという話をした。
彼らはどんどん進む予定とのこと。
最速を目指すらしい。
イタリアといえばカルチョ、フットボールかなと思ってサッカーの話をしたけど今いち響かなかった。
いくつか言葉を交わした後てくてくと進んでいった。
なんとかBarcelosに到着。
道はほとんど舗装路だったがなかなかにアップダウンのある道だった。
教会とスーパーに行きそして宿を目指す。
約28km, 約6時間。
歩ききった。
そして日々のネックである宿探し。
こちらは第一候補のアルガルベに泊まれた。
しかしこれにはエピソードがある。
事前の準備として予約は取っていないとウェブサイトにあったが、メールアドレスがあったので今日泊まりたい旨を質問していた。
これはたまたまアドレスを見つけたときに思いついて1言チャットしたレベルのことである。
普段はそんなことはしない。
たまたまそんな気分になったのでした。
メールの回答要約すると「予約は取れないが、当日フリーのベットがあるので先着順で提供している」ということであった。
こちらからは「わかった。ではこの後アルガルベのドアの前で開店を待つね」と。
ウェブサイト上の開店時間は15時。
経験としてアルガルベはかなりゆるい運営と思っている。ゆるいのがいいところではあるのだが、たまに時間前に空いていたり、そもそも「観光協会に行って予約と支払いをしてこい」と張り紙がドアにあるなど、かなりネット情報と現在の情報が異なることがあるため注意が必要だ。
とにかくアルガルベのドアまで行くしかない。
結論としてはこのアルガルベの性質は前者でした。
現場には14時頃に着いてドア前をウロウロしているとアルガルベのボランティアの人が登場。
ここに今日泊まりたいことを伝えると、「今日はもう一杯」とカタコトの英語。
いやいや。
そもそも予約取らないってサイトにあったが。。
メールで「予約は取れないが、当日フリーのベットがあるので先着順で提供している」と聞いたし、そもそも15時スタートと聞いているが既にベットはすべて人がいるのか?
とメールの文面でアルガルベ側の回答を見せながら聞くと、「一人か?」と返信。
スペイン語やフランス語の喋れない顔に面倒になったので変なことを言い出したのだろうか?
彼の「ベットはフル」の発言を鵜呑みにせず、交渉してなんとか今日のベットを確保できた。
今日のこのアルガルベはこの前日のメールでのやり取りが決め手となり泊まることができたと思う。
人生、何がきっかけになるかわからない。
まるでバタフライエフェクト。
アルガルベはの宿泊料金はドナティーボ。
つまりは寄付なので自由に決められる。
これくらいという額をポストに入れる。
額の決め方はNorteで出会ったフランス人のエリックの考えを参考にしている。
ここ数日の宿泊先と比べてその値段とサービスの内容を比べて額を決めるというもの。
ベットがきれいとか、食事は提供されていたかとか、礼拝はあるのか項目を挙げるもの。
好きなだけ寄付しても良いがこういった考え方もあるのだなと学んだことの1つだ。
また、寄付あるいは物々交換で持っていっていいゾーンがあったので物色。
こういったバザーのようなものはたまにある。
Tシャツや靴、栓抜きなど巡礼者が旅を進める中で不要と思った物が寄付されているのだ。
ちょうどよいストックがあったのでこちらをドナティーボでいただくことにした。
ぱっと見新しい。
Barceloceで終わる人はほぼないと思うので重くていらないと判断した物だろうか。過去の巡礼でストックを使ったほうが良いと結構勧められていたので試してみることにした。
さて今日の夕食
バカリャウを発見したのでバカリャウ尽くし。鱈まつり。
夕食3.5€。
アルガルベの食堂で他の巡礼者のと食べる。皆は普通にパスタやサラダを作って食べている。
こんなに疲れているのにすごいね。
私が買った食事はじゃがいもとバカリャウのグラタンみたいなもの。
バカリャウコロッケ。
プロテインヨーグルトにCompalのオレンジジュース。
Compalは色んな種類/サイズのフルーツジュースを出している。
スペインでは見ないのでポルトガルの企業なのだろう。美味しくて助かる。
オレンジや洋梨がお気に入り。
ついでに朝食と水も買う。
5€。
明日も歩きつづける。
さて最後の7kmほど。イタリア組と分かれた後に足が痛くなってきたので、「うそ蓄の泉」を聞いて歩いた。
気分転換になるし、意識が別のところに飛んで痛みを忘れられる。
ラジオはロングトレイルに合う。
今の時代で聞いても興味深い。例えば下の感じ。考えなくて良いくだらなさで気が紛れた。頭の中もスッキリ。
じゃがバターを考えたのはクラーク博士。
阪神の歴代の監督背番号を足していくと星野仙一監督の前の野村克也監督までで1001になる。
野田先輩がファンタと言ったらオレンジ。
すべて嘘です。
人生暇つぶし。そんな人生の余白を楽しもう。
それでは今日も良い一日を。