麹の色って3種類?日本酒造りに欠かせない麹のひみつ
「日本酒を、もっと身近に」という理念をかかげながら活動している日本酒メディア・コミュニティ『酒小町』。今回は【麹の色】についてご紹介していきます。
日本酒造りにつかう麹は何色?
今回のゆるゆる日本酒教室は【麹の色】についてです。
日本酒造りに欠かせないのが、みなさんも一度は、いや、何度も耳にしたことがある麹(こうじ)。
麹の役割についてはこちらの回をご覧ください。
さてみなさん、日本酒造りに使う麹って、何色だと思いますか?
麹、といって思いつくのは、塩麹。
スーパーなどに売っている塩麹は、白や少しクリーム色のようなものもありますね。
では日本酒を仕込む時に使う麹は、同じ白色でしょうか? もし色が違えばそれによって何がどう変わるのでしょうか?
今回は麹の色についてみてみましょう!
麹の正体はカビの仲間!?
そもそも、麹とは何でしょう?
・アスペルギルス属に分類される、コウジカビ菌そのもの
・コウジカビ菌を米などに繁殖させたもの=米麹のこと
いくつかの意味合いを含みますが、主にこの2パターンです。
「カビ」と書いてあるように、麹菌とは、食品についたりお風呂場など家の水まわりに発生したりするカビの仲間です。
また、コウジカビ菌の大きさは、およそ3−10μm(マイクロメートル)。※1μm=0.001mm(ミリメートル)
髪の毛の太さがおよそ50−100μmですので、その10分の1以下の大きさです。一つ一つはものすごく小さいですが、大量に集まれば目に見えるようになります。
また、麹を何に繁殖させるかで、呼び方が変わります。 代表的なのが、さつまいもに繁殖させた「いも麹」で、芋焼酎に使われますね。
日本酒造りに使われる麹は3種類
日本酒に使われる麹には、大きく3種類あります。
●黄麹菌 Aspergillus oryzae(アスペルギルスオリゼー)
日本酒造りにおいては最もスタンダードな麹菌で、特にラベルに表記がない場合はこの黄麹です。 黄色となっていますが、黄緑のような砕いたお茶っ葉のような色合いですね。
オリゼーがそのまま商品名になっている日本酒もあります。
●黒麹菌 Aspergillus Luchuensis(アスペルギルス・リュウキュウエンシス)
見た目はまさに黒っぽく、ココア色のようです。 主に泡盛に使用される麹菌なので、名前に琉球という単語が入っていますし、「アスペルギルス・アワモリ」という呼び方の方がメジャーです。
●白麹菌 Aspergillus Kawachi(アスペルギルス・カワチ)
主に焼酎に使用される麹菌。 黒麹菌の突然変異で、1924年に発見した河内源一郎(かわちげんいちろう)さんの名にちなんで名づけられました。
白というよりこちらもクリーム色、黄土色っぽいでしょうか。 見た目だけなら、こちらの方が黄麹っぽいですね。
黒麹、白麹を使用した日本酒では、それを推しポイント・宣伝することも多いので、ラベルのどこかに書いてあることが多いです!
そして味わいとしては、黄麹菌使用のものと比べると、後味のキレがよかったり、甘酸っぱさを感じやすいものが多かったりします。
その正体は、黒麹菌・白麹菌が発酵の過程で生成するクエン酸。
では、クエン酸が多くなることでどのような影響があるのか?酒造りの場面では何が起こるのか?また別の回でご紹介します。
それでは今回はここまで。
ではでは!
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執筆:ダイゴ|社会福祉士×唎酒師・日本酒学講師=Sake Social Worker(note)
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