サイボーグと人は愛しあえるか?という話
こんにちは、上田です。
今日は、友人とのやり取りで先日「昔読んでた甘酸っぱい小説ってなに?」という話題があったので、その話。
僕は小学4年生〜社会人1年目まで、いわゆる「本の虫」と言われるくらい本を読むのが好きでした。
ほぼ毎日1冊読んでいたので、少なくとも月20冊読んでいたと考えると、
浪人していた1年を除いた16年で3840冊、浪人しているときも月5冊は読んでいたので3900冊ちょい。
もちろん、今でも読んでいますが、この3900冊ちょいの中で、今振り返っても当時好きだったなーというもののうち、ちょっと珍しいというか、印象的だったのが、桜井亜美さんが書かれているMADE IN HEAVENという小説。
昔、冷静と情熱のあいだという、男性視点と女性視点からそれぞれ描かれた小説がありましたが、ご存じですか?
冷静と情熱のあいだは、男性の視点を辻仁成さん、女性の視点を江國香織さんが書かれていたのですが、
このMADE IN HEAVENは、女性である桜井亜美さんが両方とも書いている作品。カゼミチとジュリという男女のお話。
あらすじはこちら↓
Kazemichi編
皮膚はシリコンゴム、骨はチタン合金、目はCCDカメラ…。十五歳の時、大事故に遭った姫島風道は、身体の大部分を人工物に取り替えられた。五感も欲望も失った自分は人間なのか?恋人ジュリにも言えない秘密を抱えた風道には、人工心臓の寿命が尽きるまでにやらなければならないことがあった。
Juri編
三谷樹里。科学警察研究所の心理技官。犯罪者の悪意に、自らの心まで侵食されそうな毎日。唯一の安らぎを与えてくれる恋人カゼミチが、突然姿を消した。彼の気持ちを理解していなかったから?「愛している」と素直に言えなかったから?自分を責め続けても、カゼミチは戻ってこない。絶望を押し殺して、事件現場へと向かった―。
僕は心の底から日本酒が好きなのですが、日本酒には順番効果というものがあります。
ひとつひとつのお酒の味は変わらないのに、
飲む順番によって味わいなどが変わる、というもの。
この、カゼミチとジュリの物語でも、順番効果があるんです。
読んだ方のレビューなど見ていると、カゼミチから読んだ方がいい、ジュリから読んだ方がいい、と別れています。
ちなみに、冷静と情熱のあいだの場合は、自分の性別の方から読んだ方がいいという意見が多かった気がします。
ぼく個人としては、ジュリ→カゼミチの順番がいいなと思っています。
ジュリの物語では、紙面上ではカゼミチは一瞬しか存在しない状態なのですが、カゼミチの物語では、その一瞬までにどういう経緯があるのか。という想いの部分が読めるからいいなと。
もし、この記事を読んでから小説を読まれた方がいらっしゃったら、また感想を話し合えたらいいな~。