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【日本酒の中国輸出】最低限知るべきこと

誰あんたと思う方もいらっしゃると思いますので簡単に自己紹介を。弊社COOL JAPAN TRADING㈱は中華圏を中心に日本酒の海外ブランディング、マーケティング、輸出、現地販売先管理迄可能な数少ない一気通貫企業です。現在、中国、台湾、香港の総代理として13酒蔵とお取組み中。マーケティング露出事例はこちら

日本酒事業の実績

協業酒蔵様一覧

弊社が事業を通して得た中国情報を共有させて頂きます。今後、台湾と香港の有益な情報も共有予定です。もし、弊社でお手伝いできそうな事があれば、お気軽に弊社HPよりご連絡下さい。問合せはこちら

書ききれない内容は別セッションでお伝えできればと考えておりますので、興味有る方はリツイート(Twitter)やシェア(Facebook)頂ければ、詳細をお送り致します。

【構成&要点】時間ない方はここだけ。以下「3と4」は有益な情報?是非下部の詳細一読をオススメします!

1. 香港品と中国品の関係
●中国市場の統計評価は「中国と香港の輸入量/額」合計を追え。中国への新規参入は有名ブランドであれば、より顕著に同銘柄の香港輸出量は減少傾向に。中国に流れる香港品が減るからだ。
●香港参入済ブランドの場合、中国との価格差を踏まえ、中国の事業設計すべし。不必要な競争によるブランド毀損を起こす可能性あり。
●中国においては、社会的信用を重視する飲食店(大手等)は価格関係なく正規品を購入する傾向にある(香港品=領収書発行不可)

2. 香港品が中国で流通する背景
●中国に流通しないブランドが香港品だと入手可能だから
●香港品は安い!香港品は非課税、中国は税金が約85%ゆえ、中国企業が香港企業から仕入れても商売が成立する。
●中国人消費者が求めるものは【日本で飲んだ本場の味。日本より価格が高いのは許容可。一般消費者は個人消費ゆえ、中国ラベルの有無は無関心。】
●中国ラベルがないものは、有事の際、責任の所在が不明確で、誰も問題解決できない。

3. 中国で売れる日本酒のトレンド形成原理
→中国インポーターがどの銘柄を推薦して、流通させるかで決まる。目からウロコな情報は下部詳細へ。国が違うから、日本では想像できない現実がそこにある!

4. 中国輸入に必要な業務
●作成必須書類はなにか?即利用可能な書類雛形を無料提供。↓
●中国輸入で発生する税金の内訳並びに、妥当な市場流通価格(一般論)
→税金は輸入価格の約85%、飲食店の仕入価格は日本上代の2.1-2.3倍。

(1) 中国向け輸出量はどう見る?

「表には出てこない」数字が別であり、統計は「最低数」と捉えるのが妥当。中国市場を評価するとき、香港市場の数量推移も合わせて見て頂きたい。定量化は難しいが少量と言えないほどの香港品が中国大陸に流入している。中国輸出していない銘柄が中国で飲めるという情報なんて日常である。実態として、弊社の協業ブランドである飛良泉本舗殿のHITEN(飛囀)や中野酒造殿のちえびじんなども正規品入庫(通関完了)の3週間前ぐらいから飲める。流通銘柄と価格は業界人のWechat(中国版Line)グループのみで回っている。話を戻すと、香港の輸入量=香港域内の消費量ではないということだ。香港〜深セン間では日常だが、違法商品(麻薬/拳銃など)以外、日本酒も例外ではなく個人消費レベルの量の移動は合法である(無税)。中国企業が貧しい農民にバイト代を渡し運ばせ、自分たちが中国で販売する格好だ。無税の香港品販売は違法であるが、程度問題だ。影響が大きくなれば、当然政府当局も介入するであろうが、現在、まだその段階ではない。従って、中国参入する銘柄は必ず、香港と中国の値差を考え、事業設計しなければ同じブランドの不要な競争が起こり、ブランド毀損する。中国における香港品の流通は有名税のようなもので宿命だ。然し、今飲食店も政府の罰則を避ける為、社会的信用度が高い店は値段関係なく、香港品を仕入れない傾向にある(正式な領収書発行ができない為)。香港は継続して市場成長している印象があるかもしれないが、添付の通り、数量はマイナス成長の年もある。統計上、香港数量が前年比減の場合、中国側で有力ブランドが正規品輸入開始したケースはよくある(香港品の需要減@大陸)。

中国と香港向け輸出量

詳細割愛しますが、外国の課税方法も単一の算出方法ではないので要注意。

統計に至る現地の実態把握が重要である。弊社は商品を我が子のように考え、注文量に関係なく、新規顧客(中国の飲食店迄)への供給はまず保存環境の確認から始まる。そして、店舗スタッフの提供方法/商品知識の講習も開催する。それが最終消費者と蔵元に対する誠意と捉えています。

(2)香港品が中国で流通する背景
●中国大陸には正規流通しないブランドが香港品だと入手可能ゆえ。
●香港品は価格競争力あり。香港品は非課税、中国大陸は約85%が税金なので、価格差があり、中国企業が香港企業から仕入れても、商売成立する。

端的に言えば、「需要と供給のバランス」である。経済成長に伴い、和食を消費できる人口が増え、合わせて日本酒需要も拡大。求める日本酒は日本で飲んだ本場の味、銘柄。日本より価格が高いのは「税金」や「中国だから」という理由で、許容可能。品質劣化の懸念は勿論、ブランドにとっても消費者にとっても重要な問題ではあるが、価格と因果関係にないので、ここでは割愛。一般消費者からすれば、個人消費なので、正規品(中国通関完了)かどうかは関係ない。
中国国内に正規品がなく、需要が強い、従ってプレミアム価格を払うという世界中で普遍的に成立している原理だ。誤解ないよう記載させて頂くと、弊社は正規品のみ流通させることを徹底している。中国ラベルがないものは、有事の際、責任の所在が不明確で、誰も問題解決できない。

(3)中国で売れる日本酒のトレンド形成原理(流通本数が多い銘柄)

中国インポーターがどの銘柄を推薦して、流通させるかで決まる。まず、中国の輸入過程において、香港や台湾と違って、蔵元作成の資料がなければ、如何なるブランドも通関できない。では、有力インポーターが日本で無名のブランドを輸入して、流行らせるか(育成)?と言われると、可能性は極めて低い。採算度外視の意思決定であれば勿論ありえるが、単純に時間に対してブランド育成費用が高く、投資回収できる確率が低い為だ。日本酒に限らず、流行の変化が著しい中国で、特定の物が5年以上販売好調なことが珍しいぐらいだ。スポーツでいうと「潜在力ある高卒の新人」を取るか、実績ある即戦力経験者を取るかと同じ原理だ。高卒の新人が育つ前に大きくルール(税制などの規制)が変わる可能性も十分ある。又、監督次第(育成方法)なところもある。結果的に、中国の有力インポーターは日本の有力ブランド(酒蔵)とばかり、代理店交渉している。では、中国の有力インポーターに任せれば安泰か?Noだ。弊社が知る限り、順調でないブランドの方が多い。中国の有力インポーターは数社しかいない。当該企業の社長は市場に対する先見の眼はあるが、高齢な為、SNSなど最新の手法には疎く、ブランディングとマーケティングができない。つまり、先駆者利益で今日迄きたケースが多い。過去は今日の市場環境と異なり、競合も少く、参入障壁が高かった為、商品があれば売上直結だった。つまり彼らの成功体験やノウハウは再現性がないことが多い。交渉中に是非「ブランド訴求方法やマーケティング含む中国の事業戦略は?」と確認してほしい。直感に従って「プロ」を感じるかで判断すれば、間違えない。曖昧な返答かつ、数量のことばかりの企業には要注意。又、業界の発信力有る人(国際きき酒師資格を有する日本酒講師など)は基本純粋なSake Loverかつインポーターと無縁な場合が大半以上ゆえ、インポーター意向を気にしない。ある意味健全。では、有力インポーターの強みは何か?彼らは販売力(顧客数)はあるが、育成力(マーケティング/ブランディング)はない(企画、実行の知見)という表現が正しい。

ブランディングできている銘柄(国問わず)、そしてマーケティングも不要(なぐらいポジションを確立済)ならば、育成力は不要。つまり、顧客数がの多さが売上に直結。然し、マーケティング、ブランディングが必要(銘柄として発展途中)であれば、販売チャネルしか、強みがないインポーターに代理権を渡しても、ある程度売れても、伸びない。何故なら、その企業は市場開拓方法を知らない。よって、そのインポーターの既存顧客の中で限られた需要に新規銘柄を押し込んでいる現象に過ぎない。1,000人の既存顧客を4酒蔵で埋めていたのを、1酒蔵新規で来たから、5蔵で分けるようなものだ。1人あたりの消費本数が変わらない限り、1酒蔵の平均販売本数は減る。然し、ブランディング、マーケティング施策が効くと、1人の消費量や購入額が増える。有力インポーターは万能ではなく、自社銘柄の状態に合わせて、適切なパートナーを選んでいかなければ、全員不幸になる。そして、今新聞などメディアを賑わしている流行中の「Liveコマース」や「KOLマーケティング」は日本酒のアプローチ方法としては、あまり効果上がらない。最終消費者への接点は増やせるが、購入転換率は際立って低い。最終消費者はまだそのような接点で日本酒を買う段階ではない。LiveコマースやKOLマーケティングが難しい理由は以下。

●依頼側の採算が合わない(固定費+販売本数/金額に応じた歩合)
●有名KOLやインフルエンサーは日本酒に関してほぼ無知で、フォロワーを日本酒ロイヤル顧客にするのは現段階では難易度高い。

新聞記事やリリースを見て、すぐ「KOLマーケティングだ、Liveコマースだ、ECだ」と考えるのは安直。地盤整理が未完了の土地に、高級な家を建てるような行為である。勿論、上記仕掛けが無料とかの場合、例外なので、推進すべきですが、売上直結型の施策(CVRが出たり)の色が強ければ強いほど、経済合理性が合わない。ブランディング広告や認知度向上が目的なら話は別。

本記事で深くは触れませんが、一般論として中国は飲食店向け商品と最終消費者向け商品を市場参入時に分けて、事業展開しないと事故に繋がります。詳細は冒頭触れた別のセッションで話す予定。

弊社は現地に強みがあり、むしろマーケティング、ブランディングができるので、毎年順調に事業拡大して、協業酒蔵様に恩返しができています。販売先も当然把握していますし、自社商品を自分の子供の様に考えて、目先の売上よりも長く最終消費者に愛されることを大切にしています。

弊社マーケティング露出例はこちら

(4)中国輸入に必要な業務

書類の必要な時間軸を確認すべし。輸出時に全書類必要ではない。
<日本側>
①INVOICE(通関業務はエクセルでOk)
②Packing List(同上)
③輸出免税付表:酒蔵名で2部作成し、輸出通関迄に通関会社に到着。

<中国側>
④成分表:最終版迄1営業日
⑤衛生証明書:最終版迄1-2営業日
⑥原産地証明書(国税庁発行):最長2週間で取付完了

即利用可能な雛形(④〜⑥)が必要な方は無料でお送り致しますので、下記より連絡下さい。*貿易書類雛形入手*

(5)税金と流通価格(一般論)

●結論:税金は輸入価格約85%で、飲食店の仕入価格は日本上代の2.1-2.3倍が最も多い。

中国の税金:中国CIF価格(詳細はGoogle)x 40%の関税・・・(A)
(A)x10%の消費税・・・(B)
(B)x17%の増値税・・・(C)
上記(A)~(C)は足し算ではなく、掛け算。従って、約85%が税金。一般的に日本の上代の2.1-2.3倍の価格が現地飲食店への販売価格。現地飲食店も日本同様x約3倍で最終消費者に提供。

最後に興味ある方は以下も御覧ください。
『【日本酒】台湾市場の重要情報』
https://note.com/sake_cjt/n/n92f639dd0459


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