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人を見るための、3つのポイント

人は何を悩むのでしょうか?
どのような思考回路でもって行動するのでしょうか?
人にはそれぞれ目的があります。
では、それをどうやって見つければ良いのでしょうか?
そして、人の相談に乗る時にはどこに気を付ければ良いのでしょうか?

人の勉強をするには、労働組合という組織はうってつけです。
だいたい不満を持った社員が相談に来るからです。
いきなり見ず知らずの人の相談を受けるというのは、ハードルが高いので
我々は出来る限り、いろんな社員と接点を持つようにしています。
そのために、催物をしてみたり、中には挨拶だけでも良いでしょう。
その辺の話は以前に書いた記事が参考になるでしょう。

ちなみに、以前書いた記事というのはこちら。
今回の記事とは関係ないのでスルーして頂いても構いません。

さて、ここからが本題です。
労働組合の執行部を10年努めてきた私が、自分なりに試行錯誤して得た3つのポイントをお伝えしようと思います。


1.「気持ちのベクトル」を見る

よく、部下のアラばかり探す上司が居ます。
こういう方は自分の思いだけで部下を指導しようとするタイプです。
部下は機械ではありません。同じ人間である以上、心を持った生き物です。
機械であれば、入力したプログラム通りに動きます。
だけど、人はそんな簡単ではありません。

ではどうすれば良いのか?

それは、起きている物事ではなく、人の気持ちのベクトルがどっちに向いているかを見るべきだと言うことです。

簡単に言うと、
「前向きに取り組んで、失敗したのか?」
「他に気にくわない事があったから、イライラしていて失敗したのか?」
と言った具合です。

大前提を書いた上で、
ここから更に踏み込んで解説していきます。

2.人として見る

例えば、部下が毎日遅刻してくるとします。
「どうしてアイツは毎日遅刻してくるんだ」という思いになるでしょう。
しかし、その思いをそのままぶつけてはいけません。

1)人の可能性を信じる

まずは相手を信用する事です。
相手を自分の思い通りに動かそうとするのではなく、相手の出来ているところに目を向け、それを言葉にしていきます。

「しっかりと挨拶できているね。ただ、遅刻する時は事前に電話くれると助かるよ」

部下は本来、自分がどうしたいかを考える事もできるし、やりたい事を見つける事もできるし、やってみる事もできるし、うまくいかない時には自分で修正する事もできる力を備えた存在であるという心構えで接する事が良いでしょう。

2)今この瞬間から創る

人は対話する時に、話の落としどころをもって話をする癖がついています。しかし、部下を見る時には、余計な先入観は捨て、今この瞬間に起きている変化に目を向けながら話をすべきです。

私たちは相手の話の言葉や内容に自然と意識がいきます。ところが実際には、相手は言葉以上にたくさんの発信をしています。表情、声のトーン、かもしだす雰囲気、体の動きなど、一瞬一瞬で変わっていきます。これらは言葉以上に大切な情報を発信しています。

だから、昨日までとは別の人、もっと言うと、1分前とは別の人というくらいの心構えで、部下に興味を持つことが大事です。

3)その人すべてに焦点をあてる

解決すべき問題だけに目をむけてはなありません。
その人が抱える問題は、その人の人生にも大きく起因します。仕事のルールだけで言うとひとつの問題に過ぎませんが、同時に家族との関係、余暇、収入、住む場所や健康にも左右されるという事を理解しておかなければなりません。

枝葉を見て、根に意識を向ける必要があります。
このようにして、その人自身が内面的に変化する事ができて初めて人は動き方が変わります。

4)認知をする

人は他人から認めてもらうと、大きな自信につながります。そして、それはより良くなろうとする原動力になります。これが認知された側に起きることです。

認知するという事は、褒める事とは異なります。褒めるというのは、結果に対して評価をする事ですが、認知するというのは、行為の奥にあるその人の想いやその人らしさを感じ取る事で、そしてそれを言葉にしていけば良いのです。

褒めた(評価した)場合、相手は次も同じ結果が出せるように頑張らなくてはというプレッシャーを与え、逆に言うと評価されないと頑張れなくなります。一方で、認知するという事は、自分をありのまま認めてもらった安心感を作り出します。この安心感の中で、より良くなろうとする力は、全てにおいて自発的な行動力に変わっていきます。

3.人として相手の話を聞く

話の聞き方には3段階あると言われています。

1)内的傾聴

まず第一段階目は、自分自身に意識を向けた聴き方です。
ほとんどの人は、常にこの聴き方を行っています。

人の話を聴きながら、「話が長い」とか、他の考え事をしたりしている状態の事を指します。相手の話を聴きながら、それに対して次に何を発言しようかと考えている事もこの状態になります。

この聴き方をした場合、相手は「聴いてもらっている感」を持てません。

2)集中的傾聴

第二段階の集中的傾聴です。これは文字通り相手に意識が集中している状態です。

周りで起きている事がどうでも良いかのように、すべての神経が目の前の相手に注がれている状態です。

病気の赤ちゃんを抱えた母親や、ベンチで見つめ合う恋人とかがこの状態だと言えば判り易いでしょう。

言葉だけでなく、相手が発するその他の言葉(表情、声のトーンなど)まで聴こうとしています。

3)全方位傾聴

第三段階の全方位傾聴とは、360度全てに意識が向いている状態です。
この状態では、自分自身がアンテナになって、その場所で起きている様々な情報を読み取る事を行います。

少々難しいので、何言ってるか分かり難いかもですが、
簡単に言えば、「空気を読む」という事が近いです。

相手が発してもいない言葉から相手の変化を察してあげる状態がこの状態です。例えるなら、家に帰るとなんだか明るい雰囲気を感じたので、理由を聞くと近所のスーパーの福引が当たっていたというような事です。

4)人として相手の話を上手に聞く方法

相手の話を聴く時には、上記の2)集中的傾聴や3)全方位傾聴を行う事が良いです。しかし、人間ですので、思わず1)内的傾聴に陥る場合があります。

特に、自分が得意な分野についての話などは、つい何かアドバイスしたくなったり、状況が過去の自分の状況と似ている時なども、過去の経験談だけを話してしまう事があります。

なので、聴き方には3段階あるという事を理解する事で、自分が今どの段階の聴き方になっているかを認識する事ができるようになります。

大事なのは、相手が話をしている事柄や事象だけを聞くのではない!という事。相手の気持ちに好奇心を持って聴いてあげる事で、相手の捉え方が変わるという事です。



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