プロレス撮るならこんなカメラ~レンズ選び編~
こんにちは、さかやきです。前回の記事は「どうして私はプロレスを撮るのにSONY α7Ⅲを選んだのか?」という記事を書かせていただきました。
「本体の次はレンズだろ!!」ということで、今回はカメラ本体と同じかそれ以上に重要なレンズの話をしていくことにします。
前回は主にカメラボディ(本体)中心の記事の記事でしたのでレンズの話は割愛しましたが、その中で「試合撮影にはTAMRON70-180mm F2.8 DiⅢ VXDを使用しています」と私が現在使用しているレンズを紹介をしました。
もし、お時間ある方は前回の記事を読んでいただけると幸いですし本記事の理解度も深まると思います。
本記事では「レンズ選びに必要な基礎知識」「初心者が陥りがちなレンズ選びの間違いポイント」「プロレス撮影に向いているレンズを考える(試合編・物販編)」「レンズを購入するその前に」という4項目でお話していこうと思っております。
それでは本日の目次です!
レンズ選びに必要な基礎知識
カメラを持っている方も持っていない方も全てのこの記事を読んでくれているありがたい読者の皆様に問います
「一眼レフやミラーレスで写真を撮るには何が必要か?」
「SDカード!」(するどい!でもこれは別の話!)
「たくさんのお金!」(わかるよ...カメラ機材高いからね...)
「被写体への愛!」(大事!!!)
もちろん上記すべては必要なのですが、ここでの答えは「レンズ」です!
レンズ交換式カメラの場合、「本体にレンズを装着しない限り写真が撮れない」というのは大前提の話です。
じゃあ、実際に「家電量販店のカメラ売場に行ってレンズを選んでみよう!」と思っても「レンズの数が多すぎて何を選んだらいいのか分からない!!」という方はきっとたくさんいるはずです。実際に私がそうでしたから安心してください。
レンズというのは突き詰めると非常に難しい構造の話になってくるのですが、私の本記事および本項ではレンズを選ぶ際に「絶対覚えておくべき基礎知識」を書いていくことにします。
これから書いていくことを理解しているかしていないかで、圧倒的に差が出ますので必ず覚えましょう。
では、スタート!!
○カメラのマウントを理解しよう
まず、はじめにカメラを持っている人に質問します。
「あなたが使っているカメラのメーカーはどこですか?」
これは比較的答えやすい質問だと思います。キヤノン、ニコン、ソニー、オリンパスなどなど。
では質問を変えましょう。
「あなたが使用しているカメラは何マウントですか?」
ある程度カメラに詳しい方はスラスラ言えると思いますが、もし分からないという方は最低限、自分の所有しているカメラのマウントだけでも知っておきましょう。
ちなみに「マウント」とはレンズとカメラの結合部のことを言います。
※レンズの中心で少し段差になっている部分がマウントと言います。
このマウントがレンズとカメラで異なっていると、カメラにレンズを装着することができません。(マウントアダプターを使う方法もありますが、プロレスを撮影する上ではデメリットが多いので本記事では割愛します。)
昔のレンズは物理的に付いているだけだったらしいのですが、デジタル化に伴い現在は電子接点というものが付いています。それにより、レンズの情報をカメラに送ることが可能になりました。
その結果、写真を確認する際に「いつ?、どんなカメラで?、どんな設定で?撮影された写真であるか」ということが記録として残るようになりました。
これをExif(イグジフ)と言います。
※赤く囲っているのが電子接点
では、自分が使用しているカメラのマウントが分からないという人向けにカメラメーカー別マウント早見表を作成しましたのでこの際覚えてしまいましょう。
※キヤノンのAPS-C用レンズはフルサイズには使用できません。
※フジフィルムのGマウントはフルサイズではなく中判です。
覚えたら次の項目にいきましょう!
○カメラのセンサーサイズを理解しよう
続きまして、センサーサイズのお話をします。
こちらも理解しているのと理解していないのとでは雲泥の差がありますので、必ず覚えておきましょう!
先ほどの早見表の中でフルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズと単語が並んでいたのはお気づきでしょうか?
この3つの単語が何を指すかと言うと「イメージセンサーの規格」を指しています。
イメージセンサー(または撮像素子と呼ばれます)とはレンズから入ってきた光を画像データ(つまり写真)に変換するパーツのことを言います。
※中心のカラフルな四角い部分がイメージセンサー
しかし本当に覚えるべきは、イメージセンサーの大きさによって写る範囲が違うということです。
下の図は規格別のイメージセンサーのサイズ比較になります。
一眼レフおよびミラーレスに採用されているのは、大きい順に35mmフルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズ(4/3型)
※1インチ:コンパクトデジカメによく採用されているサイズ
※1/2.3型:スマートフォンに採用されているセンサーサイズ
これにより何が起きるかというと
「被写体から同じ距離で撮影した場合、同じレンズでもカメラのセンサーサイズが違うと写る範囲が変わってくる」ということが起こります。
同じ位置から同じ被写体を撮影した場合APS-Cカメラはフルサイズの1.5倍狭く(キヤノンは1.6倍)、マイクロフォーサーズはフルサイズの2倍狭く撮影されます。
分かりやすく具体例を載せます。
例1「焦点距離50mmのレンズをフルサイズカメラに付ける=焦点距離は50mm」
例2「焦点距離50mmのレンズをAPS-Cカメラに付ける=焦点距離は1.5倍の75mm(キヤノンは1.6倍の80mm)」
例3「焦点距離50mmのレンズをマイクロフォーサーズカメラに付ける=焦点距離は2倍の100mm」
いささか文章にすると難しく聞こえますので、私が非常に参考になったプロカメラマン兼YouTuberのナカモトダイスケさんによる動画を紹介しておきます。これを見れば一発でセンサーサイズの違いが理解出来ると思います。
マウントと同じく自分の持っているカメラのセンサーサイズくらいは必ず覚えておきましょう。そして、1.5倍と2倍の概念は恐らくこの先も変わることは無いと思いますので忘れずに覚えておきましょう。
○焦点距離を理解しよう
先程の章で「焦点距離」という単語を出しましたが、この焦点距離という単語の意味を正しく説明出来る人はどれくらいいるでしょうか?
実際、私もこの言葉の正しい意味を知ったのはカメラを始めてからかなり後だった気がします。
では答えを申し上げると
焦点距離=レンズの主点からイメージセンサーまでの距離のこと
ただそれだけです。詳細は調べたらたくさん出てきますので、本記事は割愛します。
大事なのはここからです。
焦点距離について本当に覚えておくべきなのは「そのレンズの焦点距離はいったい何mmなのか?」ということを把握しておくということです。
そして、焦点距離の数字によって画角がどう変わるのか?
焦点距離の数字が小さい=画角が広く撮れる(風景写真など引いた構図で撮るのに有効)
※これはスマホで撮った写真ですが、広角の例
焦点距離の数字が大きい=画角が狭く撮れる(スポーツ撮影など遠くの被写体を大きく撮るのに有効)
※これもトリミングはしていますが、わかりやすい例として
ただこれだけ覚えてください。
ここで実際に私が使用している2本のレンズを紹介しましょう。
まず、試合用に「TAMRON 70-180 F2.8 DiⅢ VXD」
そして、物販でのワンショット用に「SONY SEL35F18F」
この2本の焦点距離はそれぞれTAMRONが70mmから180mm 、SONYが35mmとなっています。つまりTAMRONのレンズが寄れる望遠で撮れるレンズ、SONYが広く広角で撮れるレンズということになります。
ちなみに前者のように1本で焦点距離を変えて撮れるレンズを「ズームレンズ」、後者のように焦点距離が固定となっているレンズを「単焦点レンズ」と呼びます。
レンズの型式には必ず焦点距離が表記されていますので、撮りたい被写体・撮影のシチュエーションによって焦点距離を考慮して選びましょう。
○F値(絞り値)を理解しよう
続きまして、F値(絞り)についてです。
カメラ初心者がまずつまづくのはこのF値という概念を理解していないということだと思います。(個人の見解です)
私もかつてレンズ選びの際にF値を考慮しなかったがために、理想とは程遠い写真を大量生産していました。
逆に言うとF値を理解してから、写真への理解が高まりましたし撮りたい写真を撮れるようになりました。
それでは、F値についてざっくりと説明した表を見てみましょう。
F値の数字を下げることを「開く(開放する)」、数字を大きくすることを「絞る」と言います。
本当にざっくりとで申し訳無いのですが、覚えて欲しいのはここからです。
○開放F値の概念
例として1本のズームレンズを紹介しましょう。
このレンズはSONY製の「SEL70300G」というレンズです。
別の書き方をすると「FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS」です。
焦点距離は70mmから300mmのレンズです。
注目して欲しいのは「F4.5-5.6」という部分。
ちなみに私が使用しているレンズは「F2.8」とだけ書いています。
これは何が違うのかと言うと「ズーム全域での最小F値の違い」です。
前者のSONY製レンズは70mm(一番広角にした状態)での最小F値が「F4.5」となり、300mm(一番ズームした状態)までズームした場合の最小F値が「F5.6」となります。
ちなみに70mm F4.5の状態から300mmにズームしている間、途中途中でF値は設定を変えなくても勝手に上がっていきます。同じようなレンズを持っている人は実際にカメラに装着して画面のF値の項目に注目して見てみましょう。
対してTAMRONのレンズは、70mmから180mmまで焦点距離を変えてもF値をずっと「F2.8」の状態のまま保てるレンズです。
つまり、先程の表を思い出して欲しいのですが広角から望遠まで取り込める光の量が変わらないレンズということになります。
どのレンズを選ぶ上で覚えておいて欲しいのですが、レンズの型式に記載されているF値=そのレンズの最小のF値つまり「開放F値」となります。
逆に最大まで絞れるF値もレンズによってまちまちなので、よく仕様を確認しましょう。
「じゃあ、焦点距離が長くてF値の小さいレンズを選べばいいの?」という結論に至るのは簡単だと思います。
もちろんそれは正しい答えだと思います。しかし、覚えておいて欲しいのです。
「焦点距離が長くてF値の小さいレンズ=巨大でかなり重いレンズ」となります。
例えば、焦点距離が300mmで開放F値が2.8のレンズはよくサンニッパと呼ばれます。同様に400mmF2.8はヨンニッパと呼ばれています。
こちらはキヤノンのサンニッパ
こちらがソニーのヨンニッパ
見た目も然ることながら、金額も素人のアマチュアカメラマンが気軽に手を出せる金額では無いのでご参考まで。
さて、かつての私は焦点距離ばかりを気にして、「とにかく遠くからでも寄れるレンズが欲しい!!」と焦点距離の大きいレンズばかりを選んでいました。しかしプロレスを撮影するのに注目すべきはむしろF値の方でした。
この失敗談も含めて、次の章ではカメラ初心者が失敗しがちなレンズ選びのポイントを書いていこうと思います。
初心者が陥りがちなレンズ選びの間違いポイント
はい、この章では実体験を含むレンズ選びの間違いポイントをいくつか書いていくことにします!
記事が長くなってきましたのでさっさと参りましょう!
○本当の焦点距離を理解しよう
先程の焦点距離の話を思い出してみましょう。
焦点距離50mmをAPS-Cにつける=焦点距離は75mm(キヤノンは80mm)
焦点距離50mmをマイクロフォーサーズにつける=焦点距離は100mm
以上のように1.5倍(1.6倍)と2倍になるという話をしました。
もしもの話、私が使用しているTAMRONのレンズと同じレンズを購入した方がいるとします。
その人が使用しているカメラはSONYのα6400とします。
私が使用しているα7Ⅲとα6400は同じEマウントを採用しているので、同じレンズを装着することは可能です。
しかし、α6400のセンサーサイズはAPS-Cが採用されています。
つまりα6400に70-180mmのレンズを装着した場合、焦点距離は105mmから270mmになります。
また、違うパターンとしてオリンパスのカメラを所持していてオリンパスの「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」というレンズを装着したとします。
この場合、オリンパスのカメラはマイクロフォーサーズ規格のため焦点距離は2倍の80mmから300mmとなります。
私はかつてこの1.5倍と2倍の概念を理解していなかったがために、ニコンのD7500というAPS-Cカメラに70-300mmのレンズをつけて「300mmまであると流石にすごいズームするなー!」と思っていました。
実際に私が300mmだと思っていた画角は450mmの画角だったのです。。。
被写体が遠い場合は焦点距離が伸びるのは有効なのですが、逆に最前列で撮影しようとする場合70mmでも105mmとなってしまうために寄りすぎて撮りづらいというのがフルサイズに移行した理由でもあったりします。
○便利ズームの落とし穴
「便利ズーム」という言葉に聞き覚えはあるでしょうか?
この便利ズームという言葉は「高倍率ズームレンズ」によく使用される言葉です。
では、高倍率ズームレンズとはどういうレンズかというと下記のようなレンズです。
これは実際に私も使用していたレンズで「TAMRON 18-400mm F3.5-6.3」というレンズです。
このレンズはAPS-C向けに設計されており、広角が18mmと広く望遠が400mmとかなりズームの効くレンズです。
勘の良い方はお気づきですね、APS-Cカメラに装着時は実際には27-600mmとなります。
よく家電量販店でも高倍率ズームレンズは「初心者におすすめ!最初に買うならこの1本」という売り文句をよく見ます。
たしかに私もこのレンズを使用する以前は「APS-C向けって書いてあるし、広角から望遠までこれ1本で済むからこれは便利だ!!!」と思い込んでいた節があります。
たしかにレンズを複数本買うより1本で済むならありがたい話なのですが、高倍率ズームの弱点としてズームした際の画質の悪さがよく不満点として挙げられます。
それと、もしこのレンズを使うなら晴れた屋外での撮影用途にした方が良いと思います。400mm(600mm)までズームした際の開放F値が6.3まで絞られてしまい明るさが稼げなくなりシャッタースピードも早く出来ません。
つまりプロレスのように室内での撮影は向かないレンズなのです。
○プロレス撮影に大事なのは開放F値の明るさ
先程の話の続きになりますが、18-400レンズを使い続けたのは今年2020年の3月頃まででした。つまり新型コロナウイルスの感染拡大により各プロレス団体が大会の開催を見合わせるまでこのレンズを使用していました。
そして4月から6月の中旬ごろまで外出自粛、緊急事態宣言とプロレスを観戦することの出来ない日々が続く中で「この先、プロレスをまた観れる状況になるまで一度カメラに対して真面目に勉強しよう」と、今まで何となくで撮っていたことを全てイチから見直しました。
この話は別の記事で詳細に書こうと思いますが、その中で屋内スポーツ撮影をしている方の記事を読んで「照明の充実していない暗い会場ではF値の低いレンズを使用することでシャッタースピードが稼げる」ということを恥ずかしながら2年半近くプロレスを撮っていたのにようやく理解しました。
そして徐々に各プロレス団体が有観客での興行を再開が発表され、再び私も会場に足を運べるようになった際にあるレンズと出会いました。
TAMRON SP 70-200mm F2.8 Di VC USD G2 というレンズです。
このレンズと出会って私のカメラへの価値観が変わりました。このレンズに憧れはあったものの本体がAPS-Cだったので不相応なのではと感じていました。
しかしはっきり断言します。プロレス撮りたい人はAPS-Cだろうとフルサイズ用の高級なレンズを使うべき!!
私がよく行く会場で「板橋グリーンホール」という会場があります。
会場選びは団体側の都合なのであまり文句は言いたくないのですが、照明が明るくないのでプロレスを撮るにはなかなか難しい会場なのです。
正直いつも良い写真が撮れなくて、苦手意識の強い会場でした。
しかし、このレンズを初めて使った際にF値を開放の2.8にして撮ったら十分な明るさを稼げるようになったのです!
結局、D7500からα7Ⅲに変えるまでの2ヶ月ほどですがこのレンズには凄く助けられました。このレンズの名残りで今のTAMRONのレンズを使っていると言ってもいいでしょう。
それ以来、プロレスを撮る際にはいつもF2.8の開放で撮っています。(少し絞った方がレンズ本来の画質のピークが来るといいますが、ストロボを使えないので開放で撮ったほうがシャッタースピードは稼げるしISO感度も上げなくて済むので開放というのが私の持論です。)
○レンズ選びと同じくらい大事なこと
ここまでレンズ選びについて書いてきましたが、プロレスを撮る上でカメラ・レンズ選びと同じくらい大切なことがあると私は考えます。
それは「座席選び」です!
一言でプロレス会場と言っても大中小様々な会場があります。その会場ごとの特性を知ることも良い写真を撮るためには必要です。
あくまで簡単にざっくり分けると、「ひな壇の席があるか、もしくは全て平面の会場か」これを知っているだけでも変わってきます。
ひな壇のある会場:後楽園ホール、新木場1stRING、北沢タウンホール、両国KFCホールなど
ひな壇のない会場:神田明神ホール、板橋グリーンホール(一部段差あり)、成増アクトホールなど
例えるなら小学校の運動会で場所取りのために早くから待機するのは、写真を撮りやすい位置を確保するためですよね。
それと同じく、プロレスを撮るのが上手い方たちは写真の撮りやすい座席選びも上手い印象を私は受けます。
具体的に私はどういう座席選びをしているのかは、また別の記事で書こうと思います。
プロレス撮影に向いているレンズを考える
ここからは少しまとめの記事に入ります。
具体的にプロレスを撮ることを目的とした場合どういうポイントに注目するか私なりに考えてみました。
○プロレスを撮影するためにレンズに求めること
それでは、プロレスを撮る上でカメラ側にとっての不都合とそれをクリアするためのレンズの選び方を見ていきましょう。
会場が暗い=より光を多く取り込めるレンズ(F値が低い)
被写体の動きが早い=オートフォーカスの早さが必要
被写体まで遠い=ある程度ズームできるレンズを選ぶ。
大きくこの3点に注目していくと、選ぶべきレンズというのが自然と理解出来るようになると思います!
○試合の撮影はズームレンズ!(例外あり)
基本的に試合の撮影はズームレンズを持ってくる人がほとんどです。私も基本的には同じズームレンズをどの会場にも持参しています。
もし仮に300mmで固定のレンズを持っていったとしたら、ずっと寄りの写真ばかりになってしまいます。
ズームレンズの利点として、寄れることもですが引きの写真も撮れるということを伝えたいのです。
たとえばこういう飛び技の写真を撮る際は、空間を広く見せることを意識しています。
そして攻撃を繰り出している選手の全体像が入ることと、これから技を喰らう側の選手も写真に収まるように意識しています。
引きすぎた場合は後でトリミングすれば良いので、逆に寄りすぎて選手の腕や脚が途中で見切れているような写真はなるべく撮らないように意識はしています。(未だにやってしまいますけどね。)
あと、見出しに「例外あり」と書いたのは単焦点レンズで試合を撮るという方法もあるということです。私はまだその経験は無いのですが、プロレスの写真で尊敬している方がその方法で良い写真を量産しているのでいずれはチャレンジしたいなぁと思っております。
○物販(ワンショット)は単焦点レンズ!
昨今のプロレス会場では選手が売店スペースに立ち、グッズを購入した場合に限り選手の写真(ワンショット)がOKという団体が多いです。
※すべての団体・選手が行っているわけではないです。
スマホで撮る方も多いのですが、私は単焦点レンズの使用をオススメします。
もしも推し選手を格好良く、可愛く撮りたいのなら単焦点レンズを使ってください!
そして私の考える物販スペースで撮影する用にレンズを選ぶとしたら、焦点距離は30~45mm、F値は2.8以下(理想は1.4もしくは1.2)です。
モデル:中島翔子選手(東京女子プロレス)
使用レンズ:SIGMA 30mm F1.4 ニコン用
※この写真の焦点距離が30mm(APS-Cなので45mm)F1.4です。背景の舞海魅星選手のボケ具合も分かる通りすごく背景ボケが綺麗でお気に入りのレンズでした。
モデル:天満のどか選手(東京女子プロレス)
使用レンズ:SONY 35mm F1.8
※ビニールシート越しなのであまり参考にはならないかもですが、全体的にクセが少なくて割と見たままを写せるレンズだなと思っております。とりあえず早くビニールシート、フェイスシールド、マスク無しでワンショットを撮れる世の中になってほしいですね。
一般的にポートレート撮影に向いているレンズで調べると焦点距離50mm~85mmがオススメとよく出てくるのですが、その焦点距離だとかなりアップの写真になります。
プロレスの物販会場では被写体までの距離が近いうえに後ろに別のお客様が控えているためあまり後ろに下がれません。もちろん選手も壁際に立つので、後ろに下がるにも限界があります。
以上を考慮すると30mmから45mmくらいの少し広角気味な焦点距離がちょうど良い画角になるのかなというのが私の持論です。
しかし、正直45mmでも「少し寄り過ぎだな」と思うことが多々ありました。そして35mmだとF値が低くないとボケの量が少なくなるので、次に買うとしたら40mmF1.4か35mmF1.2あたりかなぁと思っております。
おすすめレンズあったら教えて下さい。
レンズを購入するその前に
というわけで、もうすぐ本記事も終わりが近いので実際にレンズを購入する際に気をつけた方がいいことを少しだけ書いていくことにします。
もう少しだけお付き合い願います。
○お店には自前のカメラを持参しよう
本体を既に持っている人は必ずやりましょう。
売場に行って自分が使用している本体と欲しいレンズが近くに置いてある場合は良いのですが、実際に装着してみた時の重さや持ちやすさというのはカメラ本体によってだいぶ変わると思います。
○そのレンズ、新品で買うか・中古で買うか
新品を買うに越したことは無いと思うのですが、中古でも安くて状態の良い物もありますから一概にはどちらが良いとは言えません。
ただし、中古レンズを買うなら専門店で買ったほうがいいです。
以前2度ほど某フリマサイトでレンズを購入したのですが、SIGMAの単焦点レンズはほぼ未使用とあり実際に届いても全然問題ありませんでした。
別のレンズを購入した際、リアのレンズキャップの状態が悪い製品が届きました。商品説明にはそのような記載はありませんでした。
普通に使用する分にはそれほど問題では無いのですが、中古レンズを購入する際には専門のスタッフが評価した製品が並んでいるところで購入した方が初心者の方はよろしいかと思います。
特に有名な中古レンズ屋といえば新宿の「マップカメラ」でしょうか。
また、同じく新宿の「北村写真機店」もすごく気になっています。
○購入の際はレンズの使用頻度を考えよう
レンズはピンキリですが、プロレスを撮ることを考えると品質の良い高性能なレンズが必要となってきます。
その代わり値段は高くなります。決して安い買い物では無いです。
そしてプロレスを観戦する頻度というのは人それぞれかと思います。ひと月に何度も行く人もいれば、年に1~2回という方もいるでしょう。
じゃあ、ひと月に何度も行く人は自分のよく行く会場の規模を考えてみましょう。小規模な会場からせいぜい後楽園ホールくらいの会場の広さかと思います。
私が70-180mmのレンズを選んだのは、よく行く会場の広さ・照明の充実さを考慮してのことです。
会場に持参する頻度を考えてレンズ選びをしたいですね。
逆に、年に数回しか行かないという方は何十万も払って無理に購入することは無いのです。詳しくは次の項目にて
○レンズは買わずに借りるという考え方
本記事でいくつかレンズが出てきたと思いますが、その中の2つ
TAMRONの18-400、および70-200のレンズ。この2つのレンズ実は買ってませんw
2つともレンタルで使用していました。
この2つはRentioという家電のレンタルなどを行っているサイトで借りたのですが、月に1万円前後で借りられるのでローンをするより安く済んだのです。
また最近ではマップレンタルという実店舗を構えるカメラ機材のレンタル屋にて1日のみ借りるというのも実践しています。
先日も手持ちのレンズで撮るには座席が遠かったので、SONYの100-400mm Gマスターレンズを1日レンタルしました。
このレンズ、新品で購入しようとすると30万円超えのレンズなのですが1日レンタルなら4500円で済みました。
このように年に何回使うか分からないのに何十万もローンを抱えるより、レンタルというコスパの良いサービスも抵抗が無ければ使ってみたらいいんじゃないかということを伝えたいのです。
また、購入を検討している場合も量販店での試し撮りでは分からない部分も多いので購入する前段階として試しに借りて使ってみるということもできますね。
おわりに ~運命のレンズに出会うこと~
正直、レンズについてどこまで書いていいものかと悩みました。
「レンズ沼」という言葉があります。これは一度良いレンズを使うと次から次に欲しくなってしまうという意味を込めてのことですが、突き詰めると本当に底が見えないくらい奥深いのです。
私がここまで書いてきた内容なんて、ちょっとカメラに詳しい人なら知ってて当たり前の内容しか書いてません。
その中で少し思っていたことを書いて、本記事の締めとさせていただきます。
プロレスの写真を撮ることを趣味にして恐らく3年くらいが経ちました。
正直、自分の写真に納得するというか自信を持って「もっとたくさんの人に見て欲しい!!」と思えるようになったのはこの数ヵ月だと思います。
その中でなかなか会うことの出来ない友人から「気づかない内に凄く写真が上手くなってる」と褒めてくれたのは凄く嬉しかったのです。
もちろん今の本体とレンズの組み合わせは凄く気に入っています。
でも、その片鱗はニコンのD7500を使っていた最後の2ヶ月にTAMRONの70-200 F2.8を使用したことだと思っています。
それ以前と言うと、初めてSIGMAの単焦点レンズを使ってワンショットを撮ったときでしょうか。試合は一眼、物販はスマホで撮っていた私にとって物販も一眼で撮るというのは大きな挑戦でした。
モデル:坂崎ユカ選手(東京女子プロレス)
友人のために撮った写真ですが、今でもすごく気に入ってる写真です。
自粛明けの2020年6月13日、約3ヶ月ぶりに東京女子プロレスが有観客での試合を再開した板橋グリーンホール
満を持して新しく借りたレンズを持っていき、苦手だった会場なのにその写りの良さに感動したのです。この瞬間改めて「プロレスの撮影が楽しい!」と思えました。
モデル:猫はるな選手(東京女子プロレス)
私にとってこの2本がまさしく運命のレンズでした。
写真の好き嫌いは千差万別、レンズはその良し悪しに大きく影響してきます。
今ちょっと写真に対して悩んでいる人は、レンタルでもいいので少し高級なレンズを使ってみると良いと思います。
皆さんにとって運命の1本と出会えることを影ながら願っております!
『おいでよ!レンズの沼!!』
以上!終わりです!!
ありがとうございました!!!