15分都市と私のウォーキング
前回の「ウォーキング」の話の続き。
そもそも私は歩くのが大好きであり、ひたすら歩きまくるようなライフスタイルを構築しようとしていた時期もある。
いくら歩いても健康に損はない。血流が良くなりメンタルが改善する。無料でほとんど誰にでもできる。交通費の節約になる。住んでいる街のことをより深く知れる。
デジタルデトックス的な面もあるし、私の実体験としてヒラメキも生まれやすい。明らかに脳の機能が高まる。
とかなんとか、小賢しいことをいっぱい考えたりしつつ…「ウォーキングはいいぞぉ」と言ってきた私であるが。
ついに次のレベルに進むというか「定量的に考える」という段階にきたようだ。
それは要するに「どの程度」歩くのがよいのか、そこを詰めようやということである。
「いいものだからとにかくやるぞ!」という段階を経て、「無駄なことはやめよう」「効果を最大化しよう」となっているわけだ。
私の性格は極めてガキなのであまりこういう冷静な考え方をなかなかしない傾向がある。
うっかり(?)ロマンを追ってしまうのだ。
最近も友人の世○谷のジムまで歩けば片道2時間もかかるのに、ガンガン歩いて行っていたw
行きに2時間、ジムで2時間、帰り2時間(笑)
そのようにたくさん歩いていたからこそ(?)ふと気づいたのだが
確かに歩くのはいいことばかりだし気持ちいいのだけど…冷静になってみるとそれって
ピークは「最初の30分程度」の間である。
1時間を超えたあたりからはもう、あまり気持ち良くはないし(これが大切なこと)、なんなら足が痛くなったりとかする(笑)。
外にいることに慣れ、風景にも慣れ、脳への刺激にもならないし
健康面でベストを尽くそうと考えると水分や栄養の摂取も考えないといけなくなる時間帯だ。
そうなってくると出先で何か食べ物や飲み物を買うか、それらを予め用意して荷物を増やすことになる。
つまり無駄金を使うか無駄に荷物を増やすことになる。
連続2時間とかになってくると、もう座って休んだ方が身体にもいい段階まで来ている。ここでカフェに入ろうもんならさらなる出費だ。
筋トレをしている人ならそろそろプロテインを飲まないといけない(笑)
軽く横になって身体を休めることもできない。
それってどうなんだ。
ウォーキングに関する論文をざっと見てみると
「12分で幸福感の向上」「40分で脳機能向上」「15分で創造性」「30分で炎症レベル低下」だとかそんな感じである。
※参考:https://yuchrszk.blogspot.com/?m=0
何より自分の体感として、1時間連続で歩く必要はない。繰り返すがウォーキングの健康効果のピークは最初の30分にある。
連続30分から先は時間の無駄という度合いが強まってくる。いや、むしろ先述のマイナス要素が増えてくる。
というわけで、いくら好きでもロマンを追いかけすぎてはいけない。
最も良いのは30分程度のウォーキングを「刻む」ことだろう。
朝30分、夕方30分とかそういう感じで。
これくらいが無駄なく最高に効果的だと体感でもわかるし、エビデンスでも示されている。
だから…結局はすごく「普通」の話なのだ。
都市部の人の電車通勤くらい。家の周りを散歩する、買い物して帰ってくる、くらいの話。ああ普通。つまらん笑
あなたが車でしか移動しない人であるなら、生活の中で意識的にウォーキングの時間を確保するといいだろう。
都市ってよくできてるな、と思った(笑)
考えてみると片道10分くらいにあるスーパーやコンビニなんて最高の存在である。
行きに10分歩いて、仮に買い物が10分で済めば帰りも10分。合計30分となってバッチリだ。
これが片道30分とかになってくると合計が1時間以上になって疲れてしまう。
当然だが、だから街はそうならないようなカタチに収まっている。
「15分都市(15-minute cities)」という言葉がある。
これはフランス・ソルボンヌ大学のカルロス・モレノによる言葉で
"生活、仕事、買い物、医療、教育、自己啓発という6つの必須な社会機能に15分以内に徒歩または自転車でアクセスでき、社会生活にとっても地球環境にとっても持続可能となる新しい都市モデルのこと。"
であるそうだ。
この記事を書くにあたって論文を読んでいたらたまたま見かけただけのフレーズなのだが…
「片道15分以内」というのはやはり、都市計画においても重要な指標であるようである。
余談だが15 minute city といえば、欧米では有名な陰謀論らしい。
管理社会のディストピアと言われているとか。
https://www.cnn.co.jp/world/35200855.html
なかなかおもしろい。
前回の記事では歩くこととトイレの関係性を書いた私としては
"生活、仕事、買い物、医療、教育、自己啓発"に加えて"快適なトイレ"に15分以内アクセスできる都市であれば何よりである。
それではまた。