漫画『家が好きな人』は革新的テーマを扱っている
自分の家は好きだろうか? 自分の家は安心できるだろうか? 私は好きだ。特に自分の部屋が好きで、ちょくちょく模様替えをしては好もしい状態を守っている。それに、安心できる。自分好みに設えられた部屋は、あらゆる意味で自分専用の部屋であり、それゆえ安心できる。
そんな私にとっての革新的テーマの漫画がある。井田千秋の『家が好きな人』である。
元々電子書籍で買って気に入っていた。
五人の女性たちの一人暮らしの部屋。ある人は食べるのと寝るのが好き、ある人はミステリーが好き、ある人は映画好き、ある人は作家、最後の一人は一人暮らしを始めたばかり。そんな彼女たちのかすかに交わったりそうではなかったりする暮らしを描いた作品。
一人一人の部屋の間取りとそこで繰り広げられる平凡でその人に特化した日常のワンシーンが切り取られる。
絵も柔らかくストーリーも無理に盛り上げようとしない自然さがある。こういう自然さを求める人には最適の作品だと思う。
今回、本屋で偶然見つけてしまったので、紙でも買ってみた。フルカラーなので値段は張るが、その価値はある。というか、モノクロだと魅力が減退してしまう作品だと思う。誰だって暮らしをテーマにした作品はフルカラーでより多くの情景を感じ取りたいのだ。
この漫画は暮らしをテーマにしているが、その中でも一人の暮らしや部屋の中での暮らしをテーマにしている。ありそうでなかったテーマだ。
このテーマは、様々な展開を見せることができると思う。読書メーターのレビューにもあったが、続編で家族の一軒家や夫婦の家を描いてほしいだとか、男性の趣味部屋をテーマにした作品が出てほしいだとかあって、私もなるほどとうなずいた。
ちなみに私は一軒家に住んでいるので一軒家についての部屋部屋の日常ものが出ないかと思っている。ついでに似たテーマの作品はすでにいくつか出ているようである。それぞれ作者の個性が出ていて、読み応えがありそうだ。
私もこの本に影響を受けて、家についてのSFを書こうと思い立った。まだ書くのは先になりそうだが、考えるとワクワクしてくる。
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