「ポケモン アルセウス」にみる 古き良き(ちょっぴりおかしな)和の世界
1月28日に発売されたポケモン最新作「Pokémon LEGENDS アルセウス」。
舞台は遥か昔。ポケモンの起源を探るスピンオフ的な作品だ。
今までとのポケモンとは違う、新しい試みがふんだんに盛り込まれた意欲作だった。
私事だが、小学生の頃に「ポケモン緑」にがっつりハマった私は、それ以来シリーズ全作をプレイはしていないものの、新作を毎回楽しみにしている。
以前、noteにてポケモンの死生観に関する記事も書いた。
そんな私でも今回の「アルセウス」は、今までのシリーズ中で一番やりこんでしまった。いい大人になってからポケモン図鑑を初めて完成させたのは、自分でも思ってもみなかったことだ。
飽き性の私がこのゲームをぶっ通しプレイし、かつクリアできたのは、他でもない、ゲーム中に溢れる魅力的な「和」のデザインだった。
今作は、古き良き日本の和風なデザインが随所に施されている。
それが特に何時代って設定もなさそうで、江戸時代のような着物から大正ロマンにインスパイアされた建築物まで実に多様性に富んでいる。
その全てが独創的で、マップ上を走り回っているだけで本当に楽しい。
今回は、システム周りやストーリーの考証は他の方にお任せして、この古き良き、そして「ちょっぴりヘンテコな和の世界」について、実際にゲーム内で撮影したスクショを踏まえて紹介したい。
旅情誘う広大な景色
まず、プレイして驚かされたのはその広大なフィールドと、醸し出す和風な景色だ。
物語りの舞台であるシンオウ地方の中央に聳える「テンガン山」。
かたちと言い、さながら富士山のようだ。
小高い丘から海辺を見下ろす。
向こうまで細い浜が続いているさまに、京都の「天橋立」を思い出した。
こちらは雪山の奥地にひっそりたたずむ温泉。
ポケモンたちも、ちゃっかり浸かって温まっている。
細部にまでこだわった建築やインテリア
村にあるお店や家屋も、どこか懐かしい日本デザイン。
江戸でもなく明治でもない、新鮮だが懐かしい。
不思議な土地に迷い込んだ感覚だ。
こちらは主人公が村にやってきてはじめて目にする光景。
赤レンガ造りの家が立ち並び、奥にはまるで東京駅のような近代建築も見える。しかし住民は、もんぺや着物のようないで立ちだ。
民家の裏庭に吊るされたダイコンや柿。
ゲームでこんなに田舎の和を感じたのは「がんばれゴエモン」以来である。
こちらは散髪屋さん。左上にはまるで江戸時代の浮世絵や人相書きのような絵が飾られている。
民家に飾られていた掛け軸(?)
仏壇のようでもある反面、中国から影響されたような気風もある。
右にかけられている肖像画、学生の時に見た当時の日本人が描いたペリーの絵を思い出した。
思わずニヤリ。シブい和風テキスト
和風なのはグラフィックだけではない。
ポケモン図鑑の説明も思わず笑っちゃうほど和風に作り替えられている。
この難解な文章、はたして子供たちわかるのだろうか…
参考程度に何種類かご紹介。
ゾロアーク。大人の私でも読めない漢字…しかしカッコ良さは痛く伝わる。
お馴染みゲンガー。このように訓戒のようなものもあったりで、テキストのこだわりが本当にスゴイ。そしてやっぱりカッコいい。
ゴウカザル。「偉丈夫」という言葉をポケモンにあてた当時の人々の気持ちを想像する。
「アルセウス」はまだ人がポケモンを未知のものと忌み嫌っていた時代だ。
気になった人はプレイするべし
以上、今まで紹介したのものは、今作の魅力のほんの少しにすぎない。
ポケモンから長らく遠ざかっていた人も、一度もプレイしたことがない人も、是非ぜひこの「ちょっぴりヘンテコで魅力的な和の世界」に飛び込んでみてほしい。