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四天王寺の黒猫

毎年4月22日、聖徳太子の命日を偲んで行われる聖霊会は、四天王寺の行事の中でも最も重要で大規模な法要です。千四百年の歴史を持つ聖霊会は、四天王寺一山式衆の声明法要と天王寺楽所による舞楽が一体となった古の大法要を今に伝えています。

蘭陵王と後ろ戸の摩多羅神

この聖霊会に先日お邪魔して、最後蘭陵王を拝見して、駐車場へ向かっていると、左手から一匹の黒猫が背を伸ばし、あくびをして、私たちの横を横切って行った。不思議な猫だなーと思い目で追いかけると、その先には祠があり、黒猫は祠へと入っていった。猫が出てきた左手を見ると「猫門」というお屋敷があった。

この猫門を調べると、ネズミから経本を齧られなように猫に守ってもらうためなど書かれていたが、面白い話しが日光東照宮の猫と四天王寺の猫門の猫は、対の関係があるらしく、正月などは互いの猫が鳴き合うと書かれている。日光東照宮を調べると、摩多羅神が祀られており、ここは正に後ろ戸のお話になっている。

日光東照宮の眠り猫

この「眠り猫」、実は寝ているように見せかけて、いつでも飛びかかれる姿勢をしていることから徳川家康公をお守りしていると言われ、また裏側で雀が舞い遊んでいても「猫も寝るほどの平和」と言う意味も込められているそうです。

眠り猫と同じ場所に彫られている雀

すずめの戸締りの新海監督は、おそらくここから「すずめの戸締り」という名をつけたのだろうと、四天王寺の猫門の黒猫から教えて頂いたような、不思議な一日でありました。

摩多羅神様に、宿神を持って、ご挨拶に行かないとなと思った次第です。

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