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ソロキャンプを行うたった一つの理由

筆者がソロキャンプを行う理由についてここで述べたいと思う。
その前にキャンプを始めるきっかけを話したい。遡ること約1年半前のこと、満天の星空が見たいという他愛無い会話が発端で職場の同僚と大台ヶ原付近の山の頂きに一泊二日の車中泊に出かた。その日の夜は生憎台風の前日だったため満点の星空を仰ぎ見ることはおろか激しい雨風を凌ぐこともままならない始末。それでも筆者は朧げな月あかりと轟々と耳に入ってくる雨風の音の中に静けさを感じ無類の喜びに浸ることができた。そしてまた、その時期の筆者は仕事に追われて足早に過ぎ去る毎日に苛立ち、やりたい事も叶わず我を忘れ、自分を見失っていた。その事に気付かせてくれた。車中泊の旅、その日、筆者のソロキャンプを行う理由が生まれた。

それは"自分を見つめること"である。

まず日取りを決め、目的地たるキャンプ場を見つけ予約をし、食材を用意し道具の準備をする。そして当日を迎える。最高の体験を作り上げるその一連の作為の中で常に問いかける。

どんなことがしたい?
どんなものが食べたい?
健康状態はどうかな?
どんな風景に出会いたい?
天候は?気温は?
突然の雨風を乗り越えられる?
クマが出たらどうしよう?

これらの問いかけ全てが自分を見つめることなのだ。

さらに一歩家を出ると必ず予想外のトラブルが起こるし、万全の用意をした筈の道具の忘れ物をしたり、後で必要だと気付くが持ち合わせない道具にも気付く。そんな出来事に如何に対処するか。どう考え、どう反応するか、どんな感情が湧くのかを常に観察する。
自分の持てる力と知恵を全て使い切って旅を楽しむ。自然界は常に動き続けるから予測や予想は簡単に超えてくる。自分の直感を頼りにすることも必要だ。
そうして自然の中で身を置く中で気付く。どこかで聞いたような言葉だけど。自然界は無数の生物が関係し合って生きている、私はその中の小さな一存在でしか無い、そんなちっぽけな存在が何の因果かここで生かされている。ということに。それも肌で感じることができる。それは無上の喜びである。

筆者にとって"自分を見つめる"ことこそがソロキャンプへ行く理由であり、人生のテーマである。

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