![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/132477221/rectangle_large_type_2_3abb9e5dd8d27453f68da3fc503c0c93.png?width=1200)
【Session6】 対話型アート鑑賞と静物画をつくるワークショップ
開催日時:2024年2月
場所:花やチセ(神奈川県藤沢市)
参加者:4名
![](https://assets.st-note.com/img/1709209183544-2ryXInd0Oj.jpg?width=1200)
静物画を逆再生でつくるってどうかしら?
辻堂の花やチセさんで3回目のWSの開催となりました。
今回は、チセさん店内の素敵なブルーグレーな壁を生かして「静物画」を創るイメージワークができないかな、という思いつきを店主の小笠原さんにご相談したところ、「それ、面白そうですね」と掬い上げて下ったのです。
静物画を“創る”にはどんなアイテム(モチーフ)が必要か、花はどのような形で準備いただくかなど、事前の準備からとてもワクワクして、しばらくは対話型鑑賞よりもイメージワークの事ばかりを考えてしまいました。
開催に向けて、私自身も「静物画」についての勉強が必要でした。
色々な画集や画家の方が静物画を描くときの手順や心得などを調べたり、ちょうどSOMPO美術館で開催していた「ゴッホと静物画」展に足を運んだりとできる限りの勉強をしました。
ある程度、イメージワークの段取りが描けたところで、対話型鑑賞に使用するアート作品の選定に取り掛かりました。今回はかなり時間をかけて選びました。
WSの構成を組んでいるなかで、大変手前味噌な話しではありますが、一本スッと筋の通った良質な台本ができて、私は3回目のWSが来るその日を楽しみにしていました。
◎アイスレイク
今回はアートカードをしようして「友達になるならこの人」というカードを選んでもらいました。みなさん、近頃の身近な出来事や時事的出来事とご自身の内面を照らし合せて、カードを選んでくださいました。
◎対話型アート鑑賞
1枚目はイリヤ・レーピン「水の下の王国のサトコ」を鑑賞
![](https://assets.st-note.com/img/1709208036459-kFxAzza6wk.jpg?width=1200)
2枚目はポール・セザンヌ「モデルヌ・オランピア」を鑑賞。
![](https://assets.st-note.com/img/1709208085228-ecChdxXDs9.jpg?width=1200)
3枚目はモーリス・ドニ「セザンヌ礼賛」を簡単に鑑賞しました。
絵画の選定はやっぱり楽しい時間
1枚目は幻想的な世界が広がる「水の下の王国のサトコ」で夢か現か、という間で対話が大変盛り上がりました。
ある人には最初から見えているものが、ある人には見えていなかったり、突然、壁が浮かび上がるように見えてきたりもしました。また、使われている色だったり、幻想的な風景から物語や想像が二重にも三重にも広がっていきました。最後には画家の心情まで対話が及び、素晴らしい鑑賞となりました。
今回は4名様のご参加でしたが、うち2名様は1回目から欠かさず参加してくださっていて、今回が3回目の対話型アート鑑賞となるため、少し、抽象度の高い、中級な作品を入れることにしました。
そこで選んだのがポール・セザンヌの「モデルヌ・オランピア」です。
日常にはない主題、荒い筆触の作品を前に最初は戸惑いも見られましたが、だんだんと絵の世界に入り込んでいく様子が私にも感じられて、隅々まで観察することができていました。
「みなさんの想像力が豊かすぎて…」とおっしゃっていた方もいらっしゃいましたが、現実的な視点も空想的な視点も混じりあってこその対話型アート鑑賞です。ご心配なく!
実は、この「モデルヌ・オランピア」をしようした理由は別にもあるのですが、それはまた後ほど。
3枚目はイメージワークへのステップとして取り入れました。
◎実践としてのイメージワーク・「静物画」の制作
燭台や果物、日用品、そして花を自由に組み合わせて木枠の中にオリジナルの静物画を制作していただくというイメージワークを行いました。
木枠はあれど、枠をはみ出してもいいし、枠は縦にしても横にしてもOK。
まずは、画集などの先入観はなしで制作をしていただき、全員の制作が終わった後に、モチーフに込められた寓意などを解き明かしていく、という流れにしました。
下絵を描いてもいいし、想像だけで制作を進めてもOK名札裏に仕込まれた番号に従って、制作をしていただきました。
それぞれの個性が爆発した素晴らしい「静物画」が木枠の中に、そして、木枠を飛び出して完成しました!
![](https://assets.st-note.com/img/1709208890768-yLt8CfnbSG.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1709208909208-SheqCzBICQ.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1709208988094-mbhI5jPv3v.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1709209014654-MVTELpC0rH.jpg?width=1200)
iPhoneの画面を通してみると、本当に絵画のようで、みなさんで感動しながら自分の作品も、他の方の作品も、たくさん写真撮影をしました。
iPadでみなさんの作品を鑑賞しながら、モチーフの秘める意味や寓意を紹介していきました。
小さな反省点としては、私がまずはお手本を見せ、アイテムの使い方(例えば、高さのだし方など)をお伝えしても良かったかもしれないと思いました。
私は骸骨や蝋燭や時計をモチーフにして、命やこの世の儚さを描いた「ヴァニタス画」が好きなので、片付ける前にこっそりとヴァニタス画を創ってみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1709208835514-Eyl67WA1vu.jpg?width=1200)
イメージワークの後、みなさんには「モデルヌ・オランピア」を使って、今よりもっと絵画鑑賞が楽しくなるポイントもお伝えしました。その内容はここでは秘密にしたいと思います。気なる方はぜひ、WSへお越しくださいね!
チョコレートは必須アイテムに認定!
対話型アート鑑賞を終えて、イメージワークへとりかかるとき、参加者さんがみんなさんにお菓子を配ってくださいました。
「脳をたくさん使ったから甘いものを取りましょう」と言って、私も一緒にお菓子をいただきました。
対話型アート鑑賞がいかに脳を刺激するかがわかるエピソードになりました。これからはWSにチョコレートは必須アイテムにしたいと思います。
みなさんへお菓子を配ってくださった優しさや、まったりとした空間に私もとても癒されました。
【イメージワークのご感想】
「絵をつくる作業は内面との対話ですね。もっと余白の力を出せればよかったです」
「自分がどうしたいか、どう生きたいか、考える力をもらいました」
「とても楽しかったです。生活の中ではない頭を使いました」
「それぞれの発想や感性がとても楽しい時間でした。絵をいきなり制作するのが難しい人でもこのように額縁を使って配置させるのはとても楽しいと思いました」
【対話型アート鑑賞のご感想】
「同じ絵、同じ素材を使ってのアート制作もこんなに個性が豊かに出るのだなと思い楽しかったです!なかなかこうして大人数で絵を鑑賞したり、意見を交わすチャンスがないので、とても良い時間でした」
「みなさんの感性に驚きました。自分がいかに現実的な視点で日々過ごしているのか…。気づきが楽しかったです」
「2枚目は難しいと思いましたが、他の方の意見を聞いたりしていくうちに世界が広がっていく楽しさを感じました。同じ絵を見ても人それぞれ感じ方や見え方が違う楽しさがあり、日々、生活の中でも頭を柔らかく物事を見れると思います」
「抽象度が上がるとさらに脳をフル回転させなければならなくなりますね」
【アートマインド®︎コーチングを重ねて日々の生活の中で変化を感じることはありますか】
「絵画の隅々まで見るような習慣がつきました」
「物や絵画、人と話す時、そこだけではなく、一つ奥も見る、感じるようになりました」
静物画の制作は内面と向き合う作業に似ている
今回はチセさんからも「説明がすごく上手になって、内容もすごく良かったです!」と言っていただけて、ほっとしました。
このWS開催に並行して、自分でHPの制作を行っていたこともあり、改めてアートマインド®︎コーチングや対話型鑑賞の重要性や要点などをインプット、アウトプットできたことがWSにも反映されたのかもしれないと思いました。
また、今回のWSでは「静物画」をつくるというアイディアも実現することができとても嬉しく思いました。実際にやってみると、静物画をつくるというのは自分がどんなモチーフを選んで、どのように配置してみるのか、内面の美意識とじっくりと向き合う作業のようだと感じました。アンケートにそのようなことを書いてくださっている方も見受けられました。
自分の作品も、他の方の作品も同じように讃えて写真に納めている姿は私が目指すWSの姿と重なり、今回もとても幸せな気持ちになりました。
新しくご参加くださるお客様、毎回ご参加くださるお客様ともに充実した時間を過ごしていただけるWSを今後も目指していきたいと思います。
*花やチセさんの詳細はこちらから
https://hanaya-cise.com/
Vol,7に続く