自分の着たいものを着ること:白神

私に似合う服なんて無いのではないか
服屋に入るとそう思う
着たい服を着てみても
試着室の鏡に映る私は
必死で背伸びしている子どもみたいだ

でも私は自分を変えたいのだ
服を変えたところで
全部が変わるとは思わない
けれどここから変われる気がするから
少しだけ背伸びしてみよう
そしていつかこの服が似合うように
そうなればいい




お疲れ様です!!
逆撫でロマンスのベース担当、キャラメル文庫の白神です!!
今日のnoteは私です!!
お暇でしたら読んでいただけると嬉しいです!!

 

私は滅多におしゃれをしない。
いや、おしゃれしようとしたところで、私のセンスの無さでは、どうやってもおしゃれになれないのかもしれない。
それも踏まえてより正確に言うと、私は滅多におしゃれをしようとしない。
何かの関係上、必要になったときだけ、服装に気を遣う。
自分の服装に気を配ることが楽しいことだというのはわかっている。
大学生の頃、私はおしゃれをしようとしていた。


大学二年生の冬。
カラータイツが流行った。膝上ぐらいの丈のスカート、もしくはショートパンツにカラータイツを合わせる。大学の教室に入ると、そんな服装の子ばかりだった。
気づくと、目でみんなの足元を追ってしまう。
当時、私の体重は人生の中でもピークで、114kgあった。友達のウエストと私の太ももの円周は変わらない。
私なんかが着ちゃいけないものなのに、着てみたいと思っちゃっていた。
カラータイツを穿きたい欲がパンパンになっていた私は、カラータイツを着こなしてる友達に「もし生まれ変わったら、カラータイツとかそういうの着れるようになりたいなぁ。」とこぼした。
すると友達は、「生まれ変わるもなにも、したい服装すればいいじゃん。」とド正論を言ってきた。
わかってる。自分の勇気が無いだけの話なのは。
友達は続けて「来週の金曜、大学にカラータイツを穿いてきなよ!日にち決めないとあんた動かないでしょ?絶対ね!」とカラータイツを穿く日程を押さえてきた。
もう逃げれない。強引ではあるけど、友達のその強引さが有り難かった。ちょっとウキウキした。

友達と約束した金曜日。
カラータイツは鮮やかな色は勇気が出なくてチャコールグレーを選んだ。
タイツがあるとはいえ、緑色のキュロットから出た足がスースーする。人生でこんなに足を出したのは始めてだ。
例の友達と講義で会う。「タイツ地味な色かよ!でも、いいじゃん!良い顔してる!」と言ってくれた。
「せっかくおしゃれしてるんだから、おしゃれなお店で飲もう」と洒落た呑み屋さんに連れていってもらった。
いつもなら「私は入れないや」と尻込みするようなお店。でも、今日は胸を張って入れる。
自分の好きな服を着ていると、何故か自分のことも好きになれる気がする。
おしゃれって他の人にどう見られるかを考えてするものだと思っていたけど、それだけでは無いみたい。
おしゃれって自分のためにするものでもあるんだ。


しこたま飲んだ帰り道。
終電の中で、「人の目とか気にせずに、自分の着たい服を着るのも良いものかもしれない」そう思ってニヤニヤしていた。
すると、急に膝を掴まれた。
二人二人で向かい合うボックスタイプの席。
向かいに座っている泥酔したサラリーマンの男性に膝を掴まれた。
ものすごい勢いで、私の膝をもぎ取ろうとするように掴んでくる。
その男性は、「あれ?おかしいな鞄が持ち上がらない。取っ手が持てない。次の駅で降りなきゃいけないのに」と言っていた。
どうやら、足元に置いた鞄の取っ手と、チャコールグレーのカラータイツを穿いた私の膝小僧を見間違えているらしい。
鞄の取っ手を男性に持たせようとするが、男性は完全に私の膝小僧を鞄の取っ手だと思い込んでいるので、膝小僧をもぎ取ろうとすることをやめてくれない。
近くの席のお客さんが、「それ鞄じゃないですよ!膝ですよ!」と男性をなだめようとしてくれるが、泥酔なので言葉は通じない。
結局、男性は私の膝小僧を掴んだまま、降りる駅を逃した。

電車を降りて、足を見ると、カラータイツの右膝の部分が破れて赤くなっていた。
周りのお客さんが何度も何度も「それ鞄じゃないですよ!膝ですよ!」と呼びかけてくれたおかげで、男性は、状況を認識してくれた。
男性は私の右膝を見て、ものすごい勢いで謝ってくれた。「お詫びを」と申し出てくれたが、何にお詫びしてもらえば良いのかもわからなかったので、断った。
私がチャコールグレーのカラータイツを穿いてたからこの人は、終電で降り逃し、ネットカフェやカラオケもない田舎から、これからタクシーで帰るのだ。
私がカラータイツを穿いてたばかりにだ。逆にこっちが悪い気もしてくる。
着たいものを着るというふっくらとした喜びが、自分の中で急速に萎んでいくのを感じた。
破れたカラータイツを見ると、もう、全部どうでもいい気がする。
『私の膝でかいけど、あの人の鞄はそんなにでかい取っ手だったのかな?』ということも、もうどうでもいい!!
おしゃれもどうでもいい!!


バンドメンバーで集まると、他の四人のメンバーは意外とおしゃれだ。
ちゃんと自分の着たいものを着ている感じがする。
いいな、と思う。
着たい服を着ている人は単純に格好いいと思う。
似合ってる似合ってないの話ではなくて、着たい服を着ているということが格好いい。
やっぱりどうでもよくはないのかもしれない。
たまには自分の着たいものを着てみようかな?


 
最後まで読んでいただいて本当に有難うございました!!

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