【フリゲ感想】親愛なる彼女の痕跡
この記事の文字数は約5,100字です!
おはこんにちばんは! 富井サカナです。
今回は豪華スタッフにより制作されたフルボイスのADVのご紹介です。
私が紹介するゲームには珍しく、かなり人を選ぶであろう作品です。
人を選ぶというかプレイ後の感想は賛否両論がありそうな感じです。
1.どんなゲーム?
今回紹介したいのは、ぱすてぃぶソフトさんの「親愛なる彼女の痕跡」です!!
【制作】ぱすてぃぶソフト 様
【制作ツール】ティラノスクリプト
【プレイ時間】EDまで2時間程度
【KW】恋愛、青春、ノベルゲーム、フルボイス、憧れ
【筆者プレイ時期】2022年12月にプレイ
【筆者プレイ状況】おまけ含めてクリア
【公式サイト】
【あらすじ】
季節は春。
高校二年生になった及川翠(おいかわ すい)は憧れの水原来未(みずはら くみ)と同じクラスになる。
翠にとって、来未への想いは恋愛感情よりも崇拝に近かった。
ひょんなことから来未と仲良くなった翠は、我慢できずにその想いを来未に告げてしまう。
戸惑いながらも、来未は翠の想いを受け止め、二人は晴れて恋人同士に。
そうして、想い人と恋仲になった翠は幸せな日々を送っていた。
だが、そんなある日、翠は来未の”ある事実”を知ってしまうのだった……。
【一言でいえばどんなゲーム?】
「人の心を動かす作品」というコンセプトを体現したゲーム
2.こんな方に特におススメ!
・尖ったゲームを許容できる人
微ネタバレになってしまうのが申し訳ないのですが、本作はタイトル絵から想像されるような王道作品ではありません。一方、逆に言うとありがちな展開とは無縁ともいえるので唯一無二感は強く、せっかくのフリゲだから変わったゲームがやりたいという方には非常にお勧めできます!私のプレイ中の感じで言うと、「いやいやさすがにそれは」「マジで!」「おいおい!」「人間ってオモシロ~」みたいな感じでした。(なんじゃそら)
・クオリティの高いゲームを遊びたい人
クオリティに関しては疑いようなく高いです。グラフィックは綺麗でイベントCGも豊富。システム面でもなんの不自由もありませんし、何より声優さんの演技はメチャクチャ光っていると思いました。シナリオそのものはかなり癖がありますが、文章自体は癖がなく読みやすかったです。
・あまり女性と縁のない男子中高生
主人公への感情移入は老若男女みな相当難しいと感じました。特にほとんどの女性は嫌悪感すら覚えることでしょう。ですが、女性と縁のない、女性を神格化しているような状況にある人は割と感情移入できる、かもしれないな!と。
3.ネタバレなしの感想
ここではネタバレなしの感想を記載します。
ノベコレでの私の感想+補足という形にします。
👇こちらはノベコレでの私の感想へのリンクです
(ゲームのプレイ・DLページへのリンクを兼ねています)
本作、公式サイト以外の予備知識なくプレイしたところ、かなり意外性のある展開の数々に驚きました。クオリティの面でとても期待していたので集中してプレイしていたこともあってか、個人的にはゲーム内容に関してもメチャクチャ楽しめました。
本来なら衝撃を受ける意外な展開!というのもネタバレでしかないですが、他の方の感想コメントを見ながらバランスをとって感想を送ってみました。一方、こちらで感想を書こうと決めていたので感想自体はなきに等しいですが。
○グラフィック
塗りも含めてとてもお上手です。大ヒットした「モブ好き」の中庭さんがご担当されています。グラフィックについてはザ・王道ギャルゲ感が凄いです。個人的には梨央奈の見た目が好きです。カワエエ!!
○システム
なんの不満もない作りでした!バックログの画面もすっきりしていて見やすく、ボイスリピートも完璧でした。
○ボイス
声優さんは皆さんメチャクチャお上手で非常に良かったです。個人的には声質含めて梨央奈の声がいいなぁと思いましたが、後で見たら「たねまき」さんだったのですね。良くお名前を見る方ですがなるほど!と思いました。
さてさて、というわけで諸々踏まえて未プレイの方は遊んでみてください。
改めてプレイ・DLのページのリンクを貼っておきます。
遊んだ人同士で語ってみたくなる一作です。
4.ネタバレありの感想
というわけでここからは完全にネタバレを含みます。
今回もプレイ中の展開や登場キャラクターの言動、展開につき記載しておりますので、未プレイの方は必ず先にゲームのプレイをどうぞ!
調べた限り以下のレビュー・感想を見つけました。
基本的にはプレイ後推奨ですが、これらも是非どうぞご参照下さい!
どの感想もプレイ後に見ると「ですよねー」となります。
↓ネタバレ記事開始カウントダウン5
↓ネタバレ記事開始カウントダウン4
↓ネタバレ記事開始カウントダウン3
↓ネタバレ記事開始カウントダウン2
↓ネタバレ記事開始カウントダウン1
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■キャラクター
登場するキャラクターについての感想・感じたことです。キャラ紹介というだけでなく思い切り結末にも触れているので未プレイの方は先に、というか別に以下は見なくても良いのでプレイした方が良いです。
○主人公(及川 翠)
処女しか愛せない男。
地の文で思うだけならまだしも、女性の前で口に出しちゃうあたりツワモノです。水原が非処女だと分かった瞬間にゲロ吐いちゃったり処女処女うるさいからあほかコイツ…としかなりませんが、性交渉そのものを神聖視しすぎというか、結婚前提でないのに性交渉なんてありえない、という行き過ぎた潔癖さというか、そういった考え方は割と童貞あるあるだと思いました。
典型的な女性アイドルが恋愛禁止なのは処女性(肉体的な意味で)を重要視する男がそれだけ多いという風に感じていて、これは女性には基本的には全く理解できない感情なのではないか、という気もします。男性アイドルの恋愛がタブーなのはむしろ一人の女に夢中になる精神面が許せない、みたいな気がするんですよね。ふと思っただけなので気のせいかもですが。
ちなみに西崎の首を絞めるシーンがありましたが、これには決定的な嫌悪感がありました。単純に殺人未遂なので登場人物全員軽く考えすぎだよなぁ。
○水原 来未
最後まで何を考えているのかがイマイチ見えないキャラ。処女非処女というのは関係なく、ここまで思考回路が理解できないとさすがに主人公は今後も付き合ってていくのはつらいだろうな、と感じました。本質的なところで理解できる気がしないというかなんというか。聖女のような性格と言えばそうですが、さすがに何かが欠落しているように見えます。主人公の西崎殺人未遂事件の時のリアクションを見て、「常に信じたいことしか信じない」という異常性が際立っていると感じました。生い立ちや家庭環境がもう少し描かれてほしかったかもです。
○西崎 梨央奈
NTR系ヒロイン。本編プレイ時から主人公への好意は見え隠れしていたので、落ち込む主人公を前にした行動にはそれなりに納得感がありました。対主人公としてはスーパーヒロインの水原と比べて圧倒的な優位性があり、それを活かした格好。水原の大人気っぷりを長期間目の前にして劣等感があったのをここで晴らした、なんて感情もあったのかもしれません。エンディングまでプレイすると、主人公にはもったいない情の深い女性だよなぁ、と。
○柏木 桃花
主人公にとってはなんてメチャクチャ都合の良い存在なんだ!な幼なじみ。あの展開では桃花に逃げそうだと思いつつそこは踏みとどまってたのはギリギリえらい。でも西崎がいなかったら桃花に逃げてたんだろうなぁとは思いました。それだけ主人公は油断ならないですから。
○添田 鷹澄
結構なサイテー男ですが、心底こういう考え方の男はたくさんいるので女性の皆さんはお気を付けください。感覚的にも経験的にも、純粋な女性がこういうタイプに引っ掛かるのは非常にありがちです。生物としてはこういうタイプが正しく、女性はそれに惹かれるということなのかもしれません。不良と子猫の構図が完全再現されていましたが、優等生は損をして不良は得をする世の中にはんたーい!はんたーい!
○下内
ゲームの導入の序盤シーン以降、その存在はまるで空気なのであった。
○母親
無駄に可愛すぎる母親。ギャルゲーマーからすれば、家族の立ち絵は不要、こんなに見た目の良いグラフィックを用意するならルートを用意してくれよ!と思うのであった。
■エンディング
ここからは本作の2つのエンディングを見て感じたことです。分岐以降の結末にも言及しておりますので、改めて未プレイの方は立ち入り禁止とお伝えします。
・本編
絵に描いたような悲劇的なストーリーだと感じました。
あの展開、あの状況で西崎と関係を持った時点では西崎サイドには覚悟があったのでしょうが、主人公にとっては偶発的・破れかぶれな状況だったように思えました。主人公が水原との関係を修復しようと思えない理由については、本質的には「なぜ主人公に腹を立てないのか」「なぜ自分が悪いと思うのか」「なぜ添田を軽蔑しない、関係を持ったことを後悔しないのか」という考え方が理解できない、という部分が大きいように感じました。が、主人公としては処女でないからという気持ちがあくまでも強くてそこにばかり囚われている。必然的に主人公に処女を捧げた西崎のことは尊重せざるを得ず、自身の行為を正当化するためにも離れることはできない、という構図でしょうか。また、西崎もダメダメな主人公を相手にいじらしくも優しく励ましますが、主人公と同様に大親友を裏切ってしまった過去の自分の行動を正当化しなければならない、という感情もありそうです。
本編で描かれた以降のどこかで主人公が前向きに変わるきっかけがあれば一転してそれはそれでハッピーエンドになるわけですが、悲しいかな少なくとも主人公にそういう気質を感じられるような描写はなかった気がします。
ちなみにクリア後にタイトル画面から水原が消える演出は秀逸でした。これは素晴らしく好きなヤツです。
・外伝
クリア後に解放される西崎視点の外伝ですが、てっきりサイドストーリー的に中学時代の話だけを描くものかと思いましたが、本編と同じ時系列まで全部収録されていて驚きました。別視点の話を書くのって意外と面倒なんですよね。西崎の感情が本編の方で読み取れなかった場合でもこちらでちゃんと分かるようになっているので、嬉しい配慮だと感じるプレイヤーもいるかと思いました。個人的には処女処女うるさい主人公に対して、ちゃんと「なんだコイツ」的な反応だったのが良かったです。ここで地の文で「分かる分かる~」みたいな感じだったら嘘つけよ!となってたところでした。
■ちょっと気になった点
何か感じた時はきちんと書いておこう、というスタンスです!
そもそも個人的には全体的にメチャクチャいいな!と思うほど、
気になる点が気になったりするんですよね。(自分だけ?)
〇他のルートが欲しかった!
本作のシナリオについてはどう考えても賛否両論がある内容だと思います。一本道シナリオであるからこそ「人の心を動かす」という制作コンセプトの通りの作品に仕上がっているのは間違いないとも思うのですが、女性を中心にこの内容だとプレイ後満足度が低いプレイヤーが続出するのではないかと勝手に心配になってしまいました。製作陣の力量はどう見ても皆さん高いので、本編は1ルートだという扱いにして、本編のルート以外にどうにかこうにか水原と結ばれるルートもあれば良かったのではないかと思いました。印象は薄まるので痛し痒しではありますけど。
あと、主人公の精神性を考えると桃花に逃げるのが一番現実的なように感じたこともあるので、というか桃花がメッチャ可愛らしかったので、数年待って桃花ルートや、母親血が繋がってませんでしたルートも欲しかったです。これは単純にグラフィックが良すぎたのでそう思っただけの戯言ですが!
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
5.おわりに
というわけで「親愛なる彼女の痕跡」の感想はこれでおしまいです。
ちなみに制作サイトを拝見していたら現在新作を制作中とのことです!
新作はR-18のエロゲとして発表されるとのことです。うん、買います!
以上、富井サカナでした。
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