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世にも奇妙な物語 2024年冬の特別編
こちら、現時点での最新回となります。
以下、TVerにて現在視聴可能です。
※そのうち視聴不可能になりますのでご注意ください
というわけで今回で世にも奇妙の感想も9回目です。
以下、若干のネタバレありです。
個人的にベストなお話に★マーク付けるっす!
フリー
今回の1発目はゴリゴリのホラー作品。利用規約の記載がないフリー素材のおじさん画像をうっかり使ってしまった結果、そのおじさんが急に身近に現れだして・・・というお話。フリーゲームを作っている自分や交流のある界隈の皆さんを見てもかなりこのあたりのモラルはしっかりしているのに、商業利用で利用規約確認しないのはおかしいだろ!と思いつつ中小の広告制作会社だったら逆に結構リアルかも、とも思った。ホラー演出は非常に王道かつ典型的で正直あまり工夫が見られずに1ミリも怖いとは思えずの展開が続いた。意外性もなく「はいはいそのパターンね」と話が続いたが、着地はかなり良くて最終的には満足できた。主演の清野菜名は名前は知ってたけど正統派な可愛い感じで、生田斗真と結婚してたんですね。なるへそ。芸能界は圧倒的に芸人だけ詳しい状態ですね。。。
第1回田中家父親オーディション
いつもは大体4番目に持ってくるショートかつギャグものが2回目に登場。芸人の演技は各所で称賛されがちだけどアンガールズ田中の演技はいつものまんまだった。下手ではない、のかどうかは不明。仕事一筋の父親に不満を持つ妻子が父親を一般公募するというお話で、田中が3人の書類選考通過者と合格をめぐって奮闘するストーリー。正直、この思い付きは割と良い設定だけど、そこから先の展開や演出はベタもベタと言う感じ。嫌いじゃないし何となく楽しく見られたけど、田中だから画がもったのかも?時間短めのギャグ話は毎回安定のそれなり品質な気がする。くりぃむ有田回のような「野人岡野登場」みたいな大ネタ仕込むのが正解な気がした。
★★City Lives
結論から言うと近年の「世にも奇妙」においては並ぶ作品がないくらいに素晴らしいエピソードだった。この5年、いや10年でベスト1な気がする。ということで★2つ付けてみた。脚本の着想も構成も、演出も、撮影も、演技も手放しで良い作品だな、と。思わず視聴後にSNSで「#City Lives」で検索して同じような感想を持った人をたくさん見つけ、「いいね」を押して回ったくらい。それで本作の制作陣がベテランではなく新進気鋭の若手クリエイターであることや、過去に深夜で3話のドラマとして放送されていたことを知った。元々「世にも奇妙」がなぜ面白かったのかは、フジテレビのテレビドラマが全盛だった時代に脚本家の登竜門的な位置付け(監督や演出もそうかも?)だったからで、コンペで競わせて短編作品で一度出来上がりを見るのは合理的だよなぁ、と。今作の素晴らしさを目の当たりにして、1、2コマは若手枠にするテコ入れは良さそうだなぁと感じた。また、助演の女優さん(片山友希)の演技が衝撃を受けるレベルで素晴らしく感じたが、過去のドラマ枠と同じ方と知り納得した。演技が上手いのにプラスして役作り完璧すぎるってのも理由なのかな、と。本人役で出演の佐藤勝利も良かった。演技は自然だったし、役どころもピッタリだったような気がする。ちょっと美味しすぎる役柄なのはジャニーズ忖度感を覚えてしまったかもだけど、もう事務所にそんな力はないかな。
ああ祖国よ
ショートショートの第一人者の星新一原作ということで期待していたお話。映像化したことでややチープな印象になったとは思うが、原作未読なので風刺とユーモアが利いて普通に楽しめた。書かれた時代背景が気になって調べたら1969年ということでちょうど学生運動の頃なので納得。当時の日米安保に対する政治への鋭い風刺的なお話なのに、今でも事なかれ主義的な部分に共感出来てしまう、普遍性があることが悲しい。お話はさすが星新一のショートショート原作らしくテンポ良くオチまでキレイにまとまっていた印象。尾上松也のややクド目の演技(顔?)はピッタリだったし、上司のキャラ・演技も良く、美人司令官はエキゾチック美女だったし、何よりかなり好きな金剛地武志がちょい役出演していて嬉しかった。
この回はとにかくCity Livesが出色の出来でした。素晴らしい。正直「世にも奇妙な物語」は過去作品による思い入れで視聴を続けている側面が強いけど、今回は本作のおかげで間違いなく見て良かったと思えました。テコ入れのためにも若手を登用するとか、深夜・単発ドラマから派生作を作るとか、今作の大成功を分析して新たな取り組みをしてほしいです!
ああ祖国よもいつもの一番くらいの感じだったので今回は完全に当たり回でした。いやぁ、大満足。
以上、富井サカナでした。
趣味のメインはゲーム制作です。
是非公開作をドシドシ遊んで下さい!(唐突に宣伝で終わる)