世界最古の漆は日本にあった
近年まで、世界最古の漆器は、中国の7000年前のものとされていましたが、平成12年から始まった北海道函館市垣ノ島B遺跡の発掘調査により、約9070年前の漆の副葬品が発見され、漆の考古学の定説が書き替えられました。
今では日本から出土した物が世界最古の漆器とされています。
ところが、平成14年12月28日深夜に、北海道函館市垣ノ島B遺跡の約8万点に及ぶ出土文化財や写真、その他の資料がほぼ全焼したのです。
職員のいない年末、火の気の無い建物内部に厳重保管されていたのにも関わらず、謎の不審火によってあっという間に燃えてしまったそうです。
火事の原因も特定されておりませんが、放火の疑いも高いのです。
(2005年に世界最古の漆の副葬品は修復されました。)
そして・・・・・・・平成23年に福井県若狭町の鳥浜貝塚で出土した約1万2600年前(世界的には氷河期で、旧石器時代)のウルシの木片が見つかりましたが、これが世界最古のものであることが確認されています。
これまでウルシは大陸起源で、大陸から日本に持ち込まれたとの見方が強かったのですが、この発見で、定説が覆されたのです。
また漆木のDNA分析の結果、日本のウルシの木は日本固有種であることが確認されました。
現在ではウルシの木や漆器の起源は日本であると考えるのが普通になっています。
このように、日本の文化や物の起源や源流が全て中国というこれまでの定説がどうらやら揺らぎ始めてきましたね。
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余談ですが、
日本には製造技術がなかったと云われている『三角縁神獣鏡』が日本各地で330面も見つかっているのに、中国や朝鮮では一つも発見されていないのはなぜでしょうか?
この謎も、近い将来解けそうな気がしてきました。
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成願義夫
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