この犬の名前を知っていますか?
下の写真の壁にかかっている絵は、1889年にイギリスの画家フランシス・バラウドによって描かれました。
フランシスの兄マーク・H・バラウドは「ニッパー」という名の非常に賢いフォックス・テリアをかわいがっていましたが、彼が世を去ったため、彼の息子とともにニッパーをひきとりフランシスが育てました。
たまたま家にあった蓄音器で、かつて吹き込まれていた兄の声を聞かせたところ、ニッパーは蓄音機のラッパから聞こえる懐かしい主人の声に聴き入っているのでした。
そのニッパーの姿に心を打たれたフランシスは早速筆をとってこの絵を描き上げました。
その時の蓄音器は録音・再生ができるシリンダー式でしたが、その後円盤式に画き変えられました。
そして、「His Master's Voice」と絵にタイトルをつけました。
亡き主人の声を懐かしそうに聞いているニッパーの姿は、円盤式蓄音器の発明者ベルリナーを感動させ、彼はこの名画をそのまま商標として1900年に登録しました。
アメリカのThe Victor Talking Machine Companyがこれをマークに採用し、昭和2年、日本の現地法人として日本ビクター株式会社が設立され、私たちに馴染みのあるマークとなりました。
長い歴史と共に紆余曲折がありましたが、残念ながら現在はケンウッド・ホールディングスと経営統合され、現在は、株式会社JVCケンウッドになっています。
レコード会社として有名なビクター音楽産業株式会社も今は
株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントに変わりました。
私が小学生の頃、ビクターのステレオが家にあり、父の自慢でした。
和文化デザイン思考 講師
成願 義夫(ジョウガン ヨシオ)
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