「婚礼」と「三」の関係
写真の三襲(みつがさね)は京の千總さんに代々伝わる婚礼衣装、「松竹梅の三襲」です。
衣装を3枚重ねて、あるいは3度のお色直しで着用することから「三襲(みつがさね)」と呼ばれます。
伝統的な儀式や衣装には、「色」「枚数」「柄」「文字」「作法」の全てに意味があったと言うことです。
では、その一部だけ少し解説します。
まず文字に「重ね」ではなく「襲」を使う意味は?
襲は「龍」と「衣」を合わせた文字ですね。
つまりこの字は龍の鱗を意味します。
龍は神獣であり、意味は今更言うまでもないですね。
鱗の三角には厄除けの意味があり、鱗文様は三角形を無限に連結できる吉祥文様であることは皆様も既にご周知の通りです。
「三」には大きな意味があるのです。
そういえば婚礼で用いられる「三々九度の盃』は、「夫婦固めの盃」とも言われ、日本の婚礼の儀式にはなくてはならない器類であり、作法ですね。
三々九度は大きさの違う三つの杯を使ってお酒を飲みますが、それぞれのサイズの杯は、現在、過去、未来の時間軸を表す意味をそれぞれ持っています。
小:過去を意味するもの。先祖に向けた新郎新婦の巡り合わせの感謝の意味が込められている。
中:現在を意味するもの。二人で末永く、力を合わせて生きていく誓いの意味が込められている。
大:未来を意味するもの。両家の安泰(あんたい)と子孫繁栄の意味が込められている。
そもそも婚礼は、1結納式 2結婚式 3披露宴の3つの儀式でなりたっています。
因みに神具の「三方」は四角いのに、なぜ「三方」と言うのでしょうか?
このように、伝統文化の「形」や「しきたり」には全て意味があります。
だから私達は、その意味を読み解かなくてはなりません。
なぜこの形なのか?なぜこのようにするのか?
この「なぜ」・・・・の先にある答えには、先人達の美徳と叡智が込められています。
私達はそれを読み解きその美徳や叡智を未来に繋げる役割があります。
日本人が世界の識者や学者から「比類なき国」と呼ばれ、世界中の人々から一目置かれている理由が何なのかは、お解りいただけると思います。
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