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あぶなえ

歌麿の春画の最高傑作。『歌まくら』
※茶屋の二階座敷の男女。(※出会い茶屋、陰間茶屋)

題の『歌まくら』は歌麿の枕絵を表しているそうだ。

春画は不特定多数に見せる普通の浮世絵とは別に、スポンサーやクライアントに頼まれて描いた肉筆画も多かった。
春画は別名「あぶなえ」とも呼ばれた。

江戸時代の浮世絵には検閲があり、春画は基本的に禁じられていた。
したがって、画面には通常浮世絵にある版元や絵師の名前は無い。
江戸時代を代表する浮世絵師たち、葛飾北斎、喜多川歌麿、菱川師宣らが、危険を承知で競って描き、傑作を生み出した。

後に、その芸術性を高く評価したのが、残念ながら日本ではなく、海外だった。

この歌麿の絵は他の春画のように性器を描くなどの直接的な表現は避けているが、なんともエロチックだ。
うなじにかかる男の手。
薄物の鮫小紋に透ける足。
白い女の肌に対比させて赤だけを際立たせた色調。
このチラリズム表現は見事と言う他ない。

男女共顔を描いていないのだが、よく見ると男の右目だけが女の髪に隠すように描かれている。その視線の先には・・・・更に想像力を膨らませる。

扇子には※「蛤にはしをしっかりと挟まれて 鴫立ちかめる秋の夕くれ」と書かれている。
※鴫(シギ)と蛤(ハマグリ)の言喭になぞらえて、読まれた歌

着物デザイン教室(オンライン or オフライン)
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#和文化デザイン思考講師  

●成願義夫 Jogan Yoshio プロフィール
株式会社京都デザインファクトリー代表取締役
伝統文様研究家、装飾画家、アートディレクター、着物デザイナー、グラフィックデザイナー、伝統産業商品開発アドバイザー

●代表作と最近の活躍
関西国際空港の初代ウエルカムボードのデザイン。
長野県善光寺の納骨堂の納骨壇の扉デザインの他、納骨堂のデザインは多数。
サッポロビールワインラベルなど、手がけたデザインは多数多岐に渡る。

●近況
2018年、秋、成願がデザインした金属製スマホケースが英国ウェールズ国立博物館に永久保管決定。
2018年、冬、和柄をテーマにした民放テレビ番組に解説者として出演。
2019年、春、ジョルジオアルマーニビューティー主催のイベント講師に招かれる。
2019年、夏、京都駅ビルのフォトスポット四箇所のデザインを手がける。
2019年、秋、京都高島屋のバイヤー向け『伝統文様勉強会』講師を務める。
2020年、埼玉県秩父市の招きで2日間に渡り講演会と伝統デザイン勉強会を開催。
2022年、NHKのテレビ番組『美の壷』に出演。

●近年はグラフィックデザイナー、壁面装飾画家、着物デザイナー、伝統文様研究家、伝統産業の商品開発アドバイザー、講演家として、テレビなどにも出演し、幅広く活躍中。  
著書は、和柄デザイン素材集を10冊以上執筆。総販売数は40万冊を突破。
また、著書の大人の塗り絵『和柄のヒーリングぬり絵ブック』(PHP研究所発行)は、累計6万5千冊を突破していまだにロングセラーを続けている。
成願の和柄デザイン素材集は日本中のデザイン事務所に、必ず1冊以上置かれていると言われている

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成願 義夫(ジョウガン ヨシオ)
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