月愛三昧
そもそも「三昧(ざんまい)」とは、「読書三昧」.「勉強三昧」のように、本来の意味は「一心不乱に雑念を捨てて何かに没頭する」ことを言う。
これを仏教では「三昧」(さんまい)と言う。
心理学的には「ゾーンに入る」とか「フロー状態」とか言われている状態だ。
「三昧」は、もともと仏教に由来する言葉で、サンスクリット (梵語) Samādhi の音訳だと言われている。
私の意見だが、一流のプロと二流以下のプロとの差は、三昧時間の差に比例していると思う。
かつて、日本のロックギタリスト代表するcharは、中学生の頃、練習に明け暮れ、「ギターをベッドに持ち込み抱いて寝ていた」と、ギター三昧エピソードをテレビで語っていた。
三昧時間がその人の現在の在り方を決める。
これは、あらゆるジャンルのプロに共通している真理だ。
ところで、現在、世界中の音楽関係者が天才と認めるバイオリン奏者の吉村妃鞠さんはこれまで6歳の頃から世界中のコンクールに出場し始め、現在まで42の世界的コンクールで全て1位を獲得している、天才中の天才だ。
彼女は思い通りに弾けない箇所があると100回でも1000回でも練習すると言っている。
そして毎日5時間から7時間練習するという。
まさに練習三昧だ。
さらに彼女は音楽以外の学業の成績も抜群だという。
人はゾーンに入る術を知ると脳を最大限に活用できるようになる。
つまり何をするにもすぐに雑念を捨て集中できるようになる。
当然、記憶力も思考力も高まる。
これは三昧効果と言っても良いだろう。
「三昧」の価値は『時間×質×モチベーション』で決まる。
しかし練習時間がどんなに長くても上達しない人もいる。
得てしてそう言う人は練習が苦痛と感じている人だ。
人間は苦痛から逃れたいという深層心理が働くと、結果、集中できない。
よって「練習時間」=「三昧時間」ではないと言うことだ。
年齢に関係なく、一心不乱に●●●三昧、そんな時間があるのは幸せだ。
かつて水泳の北島康介さんは、金メダルを取った直後のインタビューで「気持ちいい!!」を連発していたのは記憶に新しい。
そう、ゾーンに入り、ことを成した人は例外なく「気持ちいい!!」と言う。
私的に言うと、これは「神様との共同作業」だ。
だから気持ち良くないはずがない(笑)
仏教の言葉に『月愛三昧(がつあいざんまい)』という言葉がある。
お釈迦さまが、苦悩の世界に迷うものを救う様を
月光の優しい輝きに喩えた言葉だそうだ。
誰にでも分け隔てなく注ぎ続ける優しい光。
この言葉は「愛の本質は寄り添い続けることにある」と言っている。
そう、究極の「三昧」は、続けること也。
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成願義夫