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坂本龍馬のブーツファッションが意味すること


坂本龍馬
土方歳三

上の写真は坂本龍馬と土方歳三です。
見ての通り、二人共とてもカッコいいです。
特に二人のブーツに目がいきますね。

幕末とはいえ、江戸時代、ブーツはとても珍しく、高価で、日本人にはおいそれと手に入るしろ物ではありませんでした。
当時の龍馬は言わば無職の浪人です。どこから資金を得ていたのか?
とても気になるところです。

資金調達、その一つが勝海舟との出会いでした。
1863年5月(龍馬29歳)、幕府軍艦奉行並勝海舟は、神戸(生田神社馬場先海岸東寄り)に幕府の海軍の人材育成を行う海軍操練所を開設することを将軍家茂への直談判により許可されました。
資金3千両も幕府から出資されましたが、これに先立ち、私塾を開くことも許されました。これが操練所の前身となる神戸海軍塾です。

海舟は塾の資金調達のため龍馬を越前(福井)へ派遣、以前から親交のあった越前福井藩主松平春嶽から5千両を借りることに成功しました。

その後、1864年5月に幕府は海軍操練所を開設、幕臣の子弟たちは操練所の寄宿舎で、龍馬ら旧塾生と諸藩出身者は海軍塾に居住し、練習に励みました。ところが、同年6月に起きた“池田屋事件”と7月にあった“禁門の変”に海軍塾生が加わっていたことから海軍操練所は“激徒の巣”と幕府から疑いをかけられ、勝海舟は10月に軍艦奉行を免職、翌年3月には海軍操練所も正式に廃止されました。
その後、龍馬の活動は、亀山社中や海援隊の創設に至るのですが、その時の龍馬の活動を支えたのが英国人のグラバー(グラバー商会)だったと言われています。
グラバーの真の狙いは何だったのでしょうか?

ところで坂本龍馬と言えば以下の銃を持っていたことも知られていますが、現在は残っておりません。

龍馬の愛用の銃と同型の物

龍馬が愛用した拳銃は2丁あると言われています。
ひとつは高杉晋作から贈呈されたスミス&ウェッソン(6連発)の拳銃で、寺田屋事件の際に手にしていたのは、この銃であると言われています。
しかし同事件の際に紛失し、後に買い求めたのがスミス&ウェッソンの別のモデル(5連発)で、これも大正2年の釧路大火で焼失しました。

一方の土方歳三は新選組副隊長で、その後、幕臣に取り立てられ、最後は函館五稜郭で銃撃されて戦死しました。
天然理心流の剣の達人が銃撃され戦死するのも時代を象徴しているようです。
ところで歳三は部下から信頼される人物で、強くて男前。
実際に京都では女性にもてまくり、沢山の恋文を貰っていたようです。
もちろん、歳三は色恋に溺れるような軽い人物ではなかったようです。

それにしても、佐幕派の歳三のこの服装(軍服)は明らかに洋装ですね。
格好だけ見たらどっちが倒幕派かわかりません(笑)

さて、歳三のロングブーツの入手先は?と考えたら、やはり長崎出島から誰かを通じて歳三の手に渡っています。

倒幕派の坂本龍馬と佐幕派の土方歳三、敵対する2人が同じ長崎から入手したブーツを履いた写真。
実に興味深いですね。

今、異国の空の下で戦っているR国とU国の兵士達も敵味方であっても共通点は多いはず。
訳もわからず戦わされている兵士達は哀れです。
そんな兵士たちに虐殺と無意味な戦いを命ずる狂人には心の底から怒りを覚えます。

ジョンレノンがかつて言った言葉
「この世界は正気でない者達に支配されている」
まさにその通りです。

余談ですが、吉田松陰は命がけで黒船に密航を企てて、失敗していますね。
また、高杉晋作は吉田松陰の松下村塾で学び、倒幕運動に命をかけました。
否応無しに外国の影響を受け、変わりゆく幕末の日本。

結果的に武力による直接支配は無理だと見た外国の策略にまんまとひっかかり、不平等条約に調印してしまう、江戸幕府。

歴史の背景に何があったかは別にして、4人の若者がそれぞれの日本を想い、若くして散っていきました。

そして、4人とも男が惚れる男であったことは間違いないようです。

坂本龍馬 享年31歳
土方歳三 享年35歳
吉田松陰 享年29歳
高杉晋作 享年27歳

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#和文化デザイン思考  講師
成願義夫 Jogan Yoshio プロフィール
伝統文様研究家、装飾画家、アートディレクター、着物デザイナー、グラフィックデザイナー、伝統産業商品開発アドバイザー
株式会社京都デザインファクトリー 代表取締役社長

●代表作と最近の活躍
関西国際空港の初代ウエルカムボードのデザイン。
長野県善光寺の納骨堂の納骨壇の扉デザインの他、納骨堂のデザインは多数。
サッポロビールワインラベルなど、手がけたデザインは多数多岐に渡る。

●近況
2018年、秋、成願がデザインした金属製スマホケースが英国ウェールズ国立博物館に永久保管決定。
2018年、冬、和柄をテーマにした民放テレビ番組に解説者として出演。
2019年、春、ジョルジオアルマーニビューティー主催のイベント講師に招かれる。
2019年、夏、京都駅ビルのフォトスポット四箇所のデザインを手がける。
2019年、秋、京都高島屋のバイヤー向け『伝統文様勉強会』講師を務める。
2020年、埼玉県秩父市の招きで2日間に渡り講演会と伝統デザイン勉強会を開催。
2022年、NHKのテレビ番組『美の壷』に出演。

●近年はグラフィックデザイナー、壁面装飾画家、着物デザイナー、伝統文様研究家、伝統産業の商品開発アドバイザー、講演家として、テレビなどにも出演し、幅広く活躍中。  
著書は、和柄デザイン素材集を10冊以上執筆。総販売数は40万冊を突破。
また、著書の大人の塗り絵『和柄のヒーリングぬり絵ブック』(PHP研究所発行)は、累計7万冊を突破していまだにロングセラーを続けている。
成願の和柄デザイン素材集は日本中のデザイン事務所に、必ず1冊以上置かれていると言われている

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