Manchester City編:ゲームモデルの作り方「13の行動」(応用編)〜インデックス〜Vol.1
これから、書いていく内容はすべてスペインサッカーコーチングコース(2013〜2018)で学んだゲームモデルを、私なりに解釈したものである。
今回は、ゲームモデルの作り方:「13の行動」の応用編。
基礎編では、ゲームモデルとは何か、ゲームモデルを構造化すること、ゲームモデルの作り方について書いた。
ゲームモデルの構造化とは、試合中のプレーの状況をより細かく分割していくことだ。フットボールのゲームには大きく「2つの局面(攻撃、守備)」がある。
次に2つの局面には「4つのモーメント(組織的攻撃、攻撃への切り換え、組織的守備、守備への切り換え)」があり、4つのモーメントには「13の行動」がある。これがスペインで学んだことだ。
応用編の目的は、ゲームモデルの構造を更に細分化して、プロレベルの専門的なゲームモデルの構造を理解し、より専門的な高いレベルのゲームモデルを作ることができるようにすることである。
マンチェスターシティのゲームモデルを分析し、監督ペップ・グアルディオラのゲームモデルを理解することによって、より専門的な高いレベルのゲームモデルを作成する方法を知ることができるのではないかと考えた。
なぜ、マンチェスターシティのゲームモデルを選んだのかというと、ペップ・グアルディオラのチームは、「13の行動」のお手本となる行動がはっきりとデザインされているからだ。ある意味、フットボールの良いモデル、教科書とでも呼べるチームをペップ・グアルディオラはいつも作っている。
ペップ・グアルディオラが監督をしたチーム、バルサ、バイエルン、そしてマンチェスターシティは選手の特徴も違えば、当然ゲームモデルも異なるはずであり、選手個人のタスクも異なることだろう。
しかし、彼のチームにはいつも一貫したプレースタイルがある。これはどこのチームで監督をしようと変わらない彼のスタイルだ。
今回は2018-19シーズンのマンチェスターシティのゲームを5試合以上分析し、チーム、選手間、選手個人のタスクを抽出した。
特に選手個人のタスクを分析し、抽出する作業は難航を極めたが、世界のトップレベルというのはチームとして、グループとして、個人として多くのタスクをゲームの中で実行している。選手は、試合中、たえず頭をフル回転させて、プレーの状況を認知し、予測して実行に移している。
選手は、フットボールの4つのモーメント(組織的攻撃、攻撃への切り換え、組織的守備、守備への切り換え)の中で「13の行動」を、直感的に無意識で実行をしているのだと思う。これは、選手個人の才能と努力もあるが、ペップ・グアルディオラはじめコーチングスタッフの弛まない努力の結晶がこのような素晴らしいチームを作り上げているのだ。
尚、ゲームモデルの作り方:13の行動「基礎編」を読まれるとゲームモデルの理解がより深まると思いますので、合わせてよろしくお願いいたします。
目次:
インデックス Vol.1
ボール出し Vol.2
ゲームモデルとは何か?
ゲームモデルの構造化
プレースタイル
ポジショナルプレーとは?
正しいポジションとは?
システム
2つの局面、4つのモーメント、13の行動
ゲームモデルのファクター
行動1:ボール出し
ボール出し:チームの一般的な基準/キーファクター
GKからのボール出し2019−20
選手間の基準/キーファクター
ボール出し:選手の基準/キーファクター
引用・参考文献
前進 Vol.3
ゲームモデル「13の行動」
ゲームモデルのファクター(応用編)
前進のファクター
行動2:前進
ファクター
ファクター:各ラインで数的、ポジション的優位性を獲得して前進する
一般的な基準/キーファクター
「前進」選手間の配置のタイプ
選手間の基準/キーファクター
選手の基準/キーファクター
ファクター:フリーなチームメートを見つけるためにあるゾーンへ相手を引きつける
チームの一般的な基準/キーファクター
セットオフェンス Vol.4
ゲームモデル「13の行動」
ゲームモデルのファクター(応用編)
セットオフェンスのファクター
行動 4:セットオフェンス
ライン間、ライン上とは?
ライン間やライン上にフリーマンを作る:オーバーロードとピン留
ライン間やライン上にフリーマンを作る
サイドにフリーマンを作る
スペースを作り、埋める
グループ(2−3名)
ファイナルゾーンにおける攻撃戦術の基本コンセプト
ボールがサイドの選手に入った時のシュートするためのゾーン侵入(センターリングに対して)
セットオフェンス:選手間の配置のタイプ
ポジションフットボールの実践:相手と同じ配置
セットオフェンス:選手間の基準/キーファクター
セットオフェンス:選手の基準/キーファクター
ファクター:ボールを失った場合の良い準備が攻撃を補償する
ボールを失った場合のために:チームの一般的な基準/キーファクター
ボールを失った場合のために:選手間の基準/キーファクター
ボールを失った場合のために:選手の基準/キーファクター
攻撃への切り換え Vol.5
ゲームモデル13の行動
ゲームモデルのファクター(応用編)
攻撃への切り換えのファクター
行動5:カウンターアタック
ファクター:ボールを取り戻した後の集団アクション
チームの一般的な基準/キーファクター
カウンターアタック:選手間の配置のタイプ
カウンターアタック:選手の基準/キーファクター
マンチェスターシティ:カウンターアタックの特徴
行動6:攻撃の再構築
ファクター:攻撃の再組織化
チームの一般的な基準/キーファクター
マンチェスターシティ:攻撃の再構築の特徴
組織的守備:守備の組織構造 Vol.6
ゲームモデルのファクター
組織的守備のファクター
組織的守備:守備の組織構造
ゾーナル守備
プレッシング
プレッシングのアイディア
ゾーンプレッシングの強み、目的、基本的な方法
攻撃的プレッシング(ゾーン3:高い位置)
ミドルゾーンのプレッシング(ゾーン2:ミドルゾーン)
組織的守備の集団アクション
段差のカバーリング
各ライン特有の機能(DFライン)
各ライン特有の機能(MFライン)
各ライン特有の機能(FWライン)
配置調整とフュージョン
ボール出しへの守備 Vol.7
ゲームモデルのファクター
行動7:ボール出しへの守備
チームの一般的な基準/キーファクター
ボール出しへの守備:選手間の配置タイプ 4−3−1−2
ボール出しへの守備:選手間の配置タイプ 4−2−3−1
相手を誘い込むプレッシング
ボール出しへの守備:選手間の配置タイプ 4−4−2(4−2−3−1から可変)
相手ゴールキックからのボール出しへの守備:選手間の配置タイプ 5−2−3
ボール出しへの守備:選手間の基準/キーファクター
ボール出しへの守備:選手の基準/キーファクター
前進への守備 Vol.8
ゲームモデル:13の行動
ゲームモデルのファクター
行動8:前進への守備
ミドルゾーンのプレッシング(ゾーン2)
一般的な基準/キーファクター
前進への守備:選手間の配置タイプ(可変)
前進への守備:選手間の基準/キーファクター
前進への守備:選手の基準/キーファクター
まとめ
ダイレクトプレーへの守備 Vol.9
ゲームモデル:13の行動
ゲームモデルのファクター
行動9:ダイレクトプレーへの守備
一般的な基準/キーファクター
3つのダイレクトプレーへの守備
ボール出しへの守備からダイレクトプレーへの守備
ゴールキックからダイレクトプレーへの守備
GKパントキックからダイレクトプレーへの守備
選手間の基準/キーファクター
選手の基準/キーファクター
まとめ
感想
セットオフェンスへの守備 Vol.10
ゲームモデル13の行動
ゲームモデルのファクター
マンチェスターシティ:4−1−4−1システムの構造
組織的守備の集団アクション:ゾーナル守備組織:ゴールを守る
一般的な基準/キーファクター
選手間の基準/キーファクター
選手の基準/キーファクター
まとめ
守備への切り換え Vol.11
ゲームモデルの13 の行動
ゲームモデルのファクター
守備への切り換え
行動11:プレッシング
守備への切り換え時の選手の行動:プレッシング
プレッシング:チームの一般的な基準/キーファクター
プレッシング:選手間の基準/キーファクター
プレッシング:選手の基準/キーファクター
行動12:後退
行動13:プレッシングと後退
守備への切り換え時の選手の行動:プレッシングと後退
プレッシングと後退:一般的な基準/キーファクター
プレッシングと後退:選手間の基準/キーファクター
プレッシングと後退:選手の基準/キーファクター
まとめ
特典
個人分析:セルヒオ・アグエロはなぜ簡単にゴールできるのか(拡大ヴァージョン)
組織的攻撃(1)ボール出し (ゾーン1)
(2)前進(ゾーン2)
(3)ダイレクトプレー(代替案)
(4)セットオフェンス(ゾーン3)
守備から攻撃への切り替え(5)カウンターアタック
(6)攻撃の再構築
組織的守備(7)ボール出しへの守備
(8)前進に対する守備
(9)ダイレクトプレーへの守備
(10)セットオフェンスへの守備
攻撃から守備への切り替え(11)プレッシング(カウンタープレッシング)
(12)後退
(13)プレッシングと後退
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