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年賀状を作る
年賀状、子どもの頃は”プリントゴッコ”で作っていた。
絵を描くのが大好きだったので、絵を描いて”プリントゴッコ”で印刷して、手で彩色していた。
枚数は多くないけど、自分で色を塗るので時間がかかる。だけど、楽しい作業だった。
だんだん大人になるにつれて絵を描かなくなり、市販のかわいいスタンプを押して少しコメントを書くという、当たり障りのないものになっていった。
その後、結婚したら結婚式の写真を、子どもが生まれたら子どもの写真を年賀状にした。
年賀状ソフトを買ってきて、その中からデザインを選んで写真を取り込んで作ったこともあったけど、当時私はパソコンが使えなかったので、「これがいい、こんなイメージ」と口だけ出し、どうして私のイメージ通りのものを作らないのかと、夫とよくケンカしていた。
その後、忙しい毎日にそんなこだわりもなくなり、市販の年賀状デザインから選んでお店で印刷してもらうようになった。
今年はどうしよう。
年賀状のやり取りだけが繋がりのような、昔からの友達や高齢の親戚にしか出さないので、そんなに枚数はない。
でも、今更自分で絵を描くこともできないしなあ…。
なんであのクソ忙しかった時期には、あんなにたくさん年賀状を作らないといけなかったのだろうと思う。
今なら凝ったものを作る時間と、パソコンという便利なツールがあって、繋がりを持っていたいひとにしか出さないし、何より私パソコン使えるようになったのに。
特にデザインに入れ込みたいペットを飼っているわけでもなければ、かわいい赤ちゃんの写真もない、何より年賀状は出さないことが主流になりつつある。
上手くいかないものだなあ…というより、そんなものだよな。
年賀状のことを気にかけながら、週末の夜に夫とご飯を食べに出かけた。寒いから手袋をしていたのだが、あまりにも汚い…。
「手袋欲しいなあ…」とバス停でつぶやいていたら、夫が「買えば?」
「コレ、980円で買った手袋なんよね~いつから使ってるんだっけ?本当はデパートのいいやつが欲しいんじゃけどもったいなくてね~。」
と言っていたら、バスを降りたところでデパートに寄ってみることになった。
手袋売り場を歩き、こういうやつ~と見るだけのつもりが、夫が「クリスマスプレゼントだと思って買えば?」というので買ってしまった。
へへへ、うれしくなって、年賀状のデザインこれにしよう!と思いつく。
翌日、手袋の写真を取り込んで年賀状デザインしてみたけど、剣道の籠手(こて)にしかみえない…うう。
まあいいや、年賀状なんて自己満足でいいのだ。
”結婚しました”や”子どもが生まれました”の年賀状をもらうのはもちろん、海外旅行に行った写真やマラソン完走しましたという写真などの年賀状をもらうのも好き。
幸せの報告はいいじゃないか、何事もずっと同じじゃないことはわかっている。
だけどその時幸せなんだから、新年くらいそういう報告をしあってもいいんじゃないかと思う。
いちいち手袋を買いました、とは書かないけど、その時のわくわくするうれしい気持ちを年賀状に込める。
今年もよろしくお願いします。という言葉を添えて。