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【映画】『本心』は社会批判SF

かなり好みな近未来SF。
「バーチャルフィギュア」と「リアルアバター」がキーワードです。

以下ネタバレを含みます。




「バーチャルフィギュア」はVR内で会うことが出来る高性能AI。実在の人物のデータを重ねることでより本物に近付きます。

「リアルアバター」は言わばウーバーイーツ+なんでも屋さん。仕事にあぶれた低所得者層の人たちが富裕層の人に代わっていろいろなことをするお仕事。

主人公は母を自由死で亡くし、自身はリアルアバターとして働く男性。
そして亡くなった母の自由死(政府公認の自殺)の理由が知りたくて、死者である母のバーチャルフィギュアを作って共に生活します。


僕が面白いと感じたのはリアルアバターに別のリアルアバターを襲わせ、殺人の体験を代行させたエピソード。
お金と評価の奴隷になって倫理観がぶっ壊れてしまう、というのは現代の問題を投影させています。

そしてもう一つ。
リアルアバターすらも廃業した人たちが集まってドローン作成と配置の仕事を高額で請け負ったのですが、そのドローンが政府要人を爆撃してしまったエピソード。
指示役がなんとバーチャルフィギュア(つまりAI)でした。
コンピュータの奴隷となり、わけもわからず大犯罪に加担してしまっていたというのも現代の問題に通じるなと思いました。


小説が原作とのことなので原作ではより詳細に描かれていると予想しますが、現代社会批判としてのSF映画としてとても面白かったです。

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