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詩とか小説とか

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詩とか小説とか書いたものをまとめました。 ご感想お待ちしております。
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#詩

【詩】ロックに胸ぐらつかまれ

【詩】ロックに胸ぐらつかまれ

ロックが「お前を一人にしねーぞ絶対」と胸ぐらつかんでがなり立ててくれたから
今僕は生きてる

悲しみも怒りも喜びも
すべてが騒音になって僕を生かす

【詩】たい焼き踏んでんぞ

【詩】たい焼き踏んでんぞ

床に落ちた 数秒前までたい焼きの一部だった中身は
床にあるだけでもうゴミと認識される

落ちる前までは救いたかったのに
落ちたらもうダメで

底辺に落ちた 数年前まで成人男性の一人だったそれは
底辺にいるだけでもう誰にも認識されない

落ちる前までは人だったのに
落ちたらもう人扱いされない

たい焼きは踏めないのに
床のあんこは踏める大衆
踏んで 被害者ヅラ

たい焼きを ぬちゃぬちゃ喰うハゲた眼

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【詩】魂が潰れて涙がしたたる

【詩】魂が潰れて涙がしたたる

涙が枯れ果て
魂が潰されてしたたる涙も
もう出なくなった

涙と魂と責任の分だけ軽くなった身体で
生きよう

「自分は特別」
そう思ってた子供の頃
「自分は特別何も持っていない」
そんな単純な人生のネタバレ

夕日が体内を乱反射して ひとりごとになって出ていく

特別何も持っていないみんなで特別なことをしよう
涙も魂も責任も失った身体で

特別何も持っていないみんなで特別なことをしよう
朝日を乱反

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【詩】夏に冬を感じて

【詩】夏に冬を感じて

 
8月のこの時間帯になると

陽が落ちるのが早まっているのを突き付けられて

この先に冬が待っているのだと思うと

身体は熱いのに

心はとても物悲しくなってしまう

【詩】怒り噴き出す 消滅せぬまま

【詩】怒り噴き出す 消滅せぬまま

いろいろ奪われて
振るとカラカラ軽い音がするような肉体で
10円安い豚肉に喜ぶ

死体袋がサンドバッグにしか見えないような人たちに怒りが噴き出す
まだ怒りまでは奪われてなかったんか

世間体に押し込まれた子どもたちがやっと呼吸できる場所に這い出てきたのに
それを鉄の棒で押し戻すことを仕事にしている大人たちがいる

目から希望が失われた色で出来た建物と
不安から出た泣き声で出来た公共放送が
「安全で

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【詩】脳ひとつゆえ言葉もがれる

【詩】脳ひとつゆえ言葉もがれる

脳がひとつしか無いばっかりに万のクズどもの億の言葉にかき乱されてしまう

ひとりの切実な訴えがエンタメとして消費される毎日
誰の方向も向いてない謝罪
クズどもはスマホに顔を近付けて能面

言葉がもがれる
そう
言葉が根元からもがれてしまった感じ

痛いという訴えすら査定されるSNS
何もせずただ「こいつは自分より下だ」と確認したいだけの非人間どもが張り付く

億の罵詈雑言の海を泳ごうとするな
遊泳

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【詩】まともなら魂は摩耗しない

4さいの女の子が轢かれて死んだのを悲しんだ次の瞬間
列車に飛び込んだ男に対して「他の方法で死ね」と言う

悲しみと罵りのハイブリッド
悲しみを悲しめず
怒り狂うこともできない人たちが増殖していく

いろんな感情が噴き出し過ぎて魂が目減り
摩耗して敏感
感情の早漏

何かを批判し続けなきゃ息ができないbot達
自分が何を言ってるのかわからなくなってる
笑いながら怒る人2023

【詩】あの子の文字になりたい

【詩】あの子の文字になりたい

文字になってスマホに入り込んで
あの子が投稿する1文字になりたい

でも1文字じゃ何がなんだかわからず
「足」になっちゃったら「足りない」のか「足が痛い」のかわからず
「本」になっちゃったら「本気」なのか「本屋さん」なのかわからず
でも「悲」になっちゃったらたぶん絶対悲しい投稿をしてるんだろうなと僕も悲しくなる

1文字じゃダメだ
140文字になろう

それでもあの子の投稿文字になった僕は
いつも

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【詩】クズと自死児童の比例増加

自死を考える子供が増えていく。
浅ましい大人と、そんな大人を食い物にしようとする支配者層。
膨大などうでも良い情報を垂れ流し、重要な選択をさせないようにする。
食も金も安全も切り詰めさせ、浅ましい大人たちは子供たちの未来よりも今と少し先の自分たちの幸福を最大限に最適化しようと心を削り続けている。

自死を考える子供たちは、言わばこの社会に期待してない子供たちでもあり、我々大人たちを見限った子供たち

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