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起業に失敗は必然だからこそ、大事なのは◯◯だ

この記事を読んで欲しい人

何が正解か分からない不確かな状況で、社内外を問わず周りの人に協力してもらいながら事業検証を遂行する起業家

精緻な事業計画よりも行動から見えてくるものがある

事業をつくる際に”時間をかけて計画を練り込み、事業構想を考えるよりもプロトタイプを作って人に聞いて回る”ということは良く言われていることです。

ただ闇雲に行動すれば良いというわけではなく、最初の事業アイデアが30点くらいのものだと、プロトタイプを作って事業アイデアを磨き込んでもせいぜい50点くらいにしかならない。

先日、大手企業で働きながら起業を目指してる方と壁打ちした際にこんなことがありました。

事業構想とそれを検証するためのプロトタイプを開発して約100人に利用してもらっています。
マネタイズの目処は立っていませんが仮説があり顧客の手応えはあるとのこと。
ただ気になったのは、
既に4年間を費やしていて、そのプロトタイプを開発するのに直近1年間で約400万円を投資したとのことです。
さらにプロトタイプのシステム修正にコストがかかり事業検証の足枷になっている。

これはもはやプロトタイプとは言いません。
事業検証でプロトタイプを開発するなら、いずれ捨てることを想定に入れておいた方が良いです。

このアンチパターンにハマる人は意外に多いように感じます。

事業検証のゴールは”質の良い問題を発見する”こと

事業検証のゴールを確認しておきます。

マーケットを構造的に観察して、質の良い問題を発見し、この問題を解決できたら勝てる可能性の高いポジションを獲得できるかを検証する。

この仮説を思考して、検証するための手段(の一つ)がプロトタイプです。

プロトタイプがいつの間にか本製品になっていて、学習の質が悪くなってしまうと本末転倒です。

プロトタイプを開発するなら
フロント(顧客から見えるところ)は綺麗に整えて、バックエンド(裏側)は出来るだけ人力で実装するのが良いです。

良いプロトタイプを上手に表現した動画

この方法ならスピーディー且つ少額の投資で実験できます。

質の良い仮説と学びを定義する

自分なりに仮説と学習を定義すると

- 質の良い仮説とは?
(1)期待利益が高いこと
(2)結果が予測できないこと

- 質の良い学習とは?
期待したこと(予測したこと)と全く異なることが起きて、それに適応しようとした時に学習が起きる

そして
- 質の良い問題を発見できたか言語化する
- 本当に問題を解決できるのか言語化する
- ポジションを取れそうか言語化する
この言語化する作業は意識しないと抜け落ちてしまう。

失敗は必然だからこそリスクをマネジメントする

事業検証は1年や2年を要することが通常です。
常に軌道修正しやすいように少額で実験して、今どのような状況に置かれていて、何をやろうとしているのかを認識する為に言語化しておくことが大事です。

失敗に対するリスク認識は人によって異なる

ある人にとっては安全運転だが別の人から見るとハイリスクに見えることがあります。

こんなことがありました。

サラリーマンを退職して、会社を立ち上げた起業家の話です。
生活費はコンサルで稼ぎながら事業検証に約1年間を費やしてます。

ミクロで見るといくつか失敗もありますが
マクロで見ると事業化の目処が立っていて、且つ事業検証に要した投資額は約100万円くらいです(ちゃんと計算してないけど、それくらい)

私から見ると安全運転だけど、その方から見るとハイリスクと認識していたようです。

会議のときに突然感情的になってパニックになったり、自分のことを重視して、相手に不利な契約を強要しようとするようなことが起きました。

私は何が起きてるのか理解が出来なくて戸惑ってしまいましたが
後日(冷静になった時に)話を聞くとリスク認識が違っていたようです。

大事なのは言語化(ストーリー)だ

何が正解か分からない不確かな状況が長く続き、さらに銀行口座の残高は確実に減っていく。
このような状況でリスク認識が高く感じるようです。

起業は短期的には経済合理性に合わないが長期でしか合理が合わない答えを発見する行為なので、最初から長期戦であることを認識しておくこと。
そして余裕を持って事業検証に取り組むのが良さそうです。(心、経済的、身体的に)

言語化するのは2つのこと。
- 今何が起きているのか?
- これから長期的にどこに向かうのか?

この2つを解像度高く言語化しておくことがリスク認識を下げる要因だと思います。
さらに2つの差分が応援シロなので、周りからの協力も得やすくなる。
さらに付け加えると長期で向かう先は、”正しさ”よりも”腹落ち”感が大事です。

ある時、ハンガリー軍の偵察部隊がアルプス山脈の雪山で、猛吹雪に見舞われ遭難した。彼らは吹雪の中でなす術なく、テントの中で死の恐怖におののいていた。その時偶然にも、隊員の一人がポケットから地図を見つけた。彼らは地図を見て落ち着きを取り戻し、「これで帰れるはずだ」と下山を決意する。彼らはテントを飛び出し、猛吹雪の中、地図を手におおまかの方向を見極めながら進んだ。そしてついに、無事に雪山を下りることに成功したのだ。しかし、そこで戻ってきた隊員が握りしめていた地図を取り上げた上官は、驚いた。彼らの見ていた地図はアルプス山脈の地図ではなく、ピレネー山脈の地図だったのである。

雪山で遭難した軍隊はなぜ生還できたのか

思考や言語化を重視しすぎて、アクションが疎かになってしまうのは私自身が陥る罠です。

言語化は週に3〜5時間程度にしておこうと心掛けています。

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