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【ICO】

去年の夏にPS2版のソフトをいただいて、ついこの間2周目クリアした作品。2001年発売ですが私が「今年プレイしたゲーム」の中では今のところトップかもしれないです。

この人の手を離さない。
僕の魂ごと離してしまう気がするから。

この作品のキャッチコピーなんですが、今の感覚で言うと「エモい」みたいなところなのかなと思うんですがその一言では勿体なさすぎるし、Twitterでも書ききれないのでnoteにしました。

・謎解き系アクションアドベンチャー
・もはや映画
・もはやシミュレーション

どんなゲーム?って聞かれて簡素に答えたら私の場合こうなります。プレイヤーによって感じ方が多様だと思う作品です。なので人のプレイ動画を見る前に自分でプレイしてほしいなと思う作品。できれば実況配信とかでなく、初回は自分とICO、という感じで浸ってほしい気持ちがあります。

アクション要素はあるけど体力ゲージなし制限時間もなし謎解きパズルといった感じです。
主人公の少年イコが謎の少女ヨルダを守って手助けしながら2人で城からの脱出を目指す、そんなゲームです。

キリコの絵画みたいなパッケージ絵

最初このパッケージを見て、絵の雰囲気は好きだけどゲームとして面白そう!という印象は正直あまりなかったです。

キャッチコピーが本当に良すぎる

◆よかったところ

・手を繋ぐという行為
このゲームの最大の特徴ではないでしょうか。言葉の通じないイコとヨルダのコミュニケーション。
あまり離れていない場所から呼びかければ着いてきてくれるんですが、できるだけ手を繋いでいこうという気持ちに自然となりました。
プレイヤーの体力やマップに制限時間がないかわりに、一定時間ヨルダが独りになったり敵の影に引き込まれたままだとゲームオーバーになってしまうので、手を繋いでいればその心配も少ないです。

謎の少女ヨルダさん

イコよりも背が高く、おそらく年齢も少し上なのかなというキャラクターですがイコよりも出来るアクションが少なく、常に先を行ってサポートしてあげないと守らないと…!という気持ちになります。中学生男子くらいの年齢だったら、恋愛感情とまではいかなくても特別な気持ちをヨルダに抱いて今後に影響を与えるんじゃないかとか、そう思うのに十分なシミュレーションでした。極端かもしれないですがヨルダが影に引き込まれてのゲームオーバーは、ビジュアル的にはショッキングなものではないにしろ「自分の所為」と思わざるを得ないので心にのし掛かるものがあります…。

◆うーん…って思ったところ

強いて言うとすればPS2だとグラフィックの解像度が…というところですかね。足場になっているのかどうか分かりにくいくらい。声が響く城の広大さとか足が竦みそうになる高さやアングルの魅力はすごく伝わってきます。
PS3版はそのあたり結構鮮明になっているようなので、機会があればやりたいところ…。なんなら最新のゲームハードでも出していただきたいくらい。
最初はカメラアングルに酔うなぁと思っていたんですがそれは慣れました。

霧の城の音楽

「いつだかわからない、どこかの世界」というICOの舞台。風や水、機械の作動といった環境音が印象的で、メインテーマ・エンディングやセーブポイントの音楽はどこかもの悲しくて、でも癒されたり浄化されたりするような、そんな音楽です。

リリースは2002年。全16曲。

あと20周年の年にリリースされたこちらは2002年版のリマスタリング未収録音源も含まれてます。

エンディングで流れる「ICO -You were there-」はゲーム音楽の中でもかなり好きなんですが、クリア後だとそのときの映像も浮かんできて、もはや映画をひとつ見終えたような感覚です。切ない。思い出して少し苦しくなる気持ちもある。素晴らしい。

クリア後の楽しみ

2周目になると1周目では分からなかった言語が日本語になる、という点で少なくとも2周はするべきだなと。その他は入手できる武器の違いや敵の体力、エンディングのおまけ(?)ですね。これはゲームをくれた人が教えてくれました。
変化があるのは2周目までですが、3周4周と何度もやりたくなる気持ちがあります。パッケージ裏のコメントにもあったんですが、好きだけど確かに続編は特に望んでいません。これで十分。
20年以上前の作品にネタバレも何もという感じではあるんですが、最後スクロールした先に少し具体的に書いてます。

あと私はクリア後に公式ガイドブックを買いました。内容はさほど変わらないですが、PS2版とPS3版の両方。ギミックの起動など謎解きの答えが書いてあるのでプレイ前に読むのはオススメしないです。

表紙が城を上から見た図、カバー下には場所の名前も書いてあります。全体図が見たかったのでありがたい…
PS2版よりサイズが大きいので画像も見やすくて良いです

基本的に一本道なのですが、自分は今どのあたりにいるんだ…とよくなるので、全体図が見られたのはありがたいです。
入り組んだマップではなくて、広大なものでもないのですが、ギミックを起動して足場を作ったり、登ったり降ったりをしているととてつもない規模に感じられたりして。高低差はものすごくあってカメラアングルもなかなかのものなので、大きい画面でプレイしたらかなり迫力があると思います。 

現在読んでいる途中です

パッケージにもコメントを寄せていた宮部みゆきさんの小説も購入しました。
上巻の1章はゲームにはない前日譚で、2章はゲームのオープニングから順に進んでいく感じです。
今どこにいてどういう操作をして…という映像が浮かんでくるので、クリア後に読んだ方が楽しめるかも…?という印象です。

プレイ時間を考えれば、共に過ごした時間は長くはないんですが私はヨルダさんのことを好きになりましたし、イコのことも愛おしく思いました。
2人で幸せになってほしい。そんなゲームでした。


⚠️このあとネタバレあり⚠️















霧の城の全貌


ゲームのプレイ中はマップが表示されないこともあって、この全体図を見てみたい…!と思っていました。(地図がないことでより楽しめたというのはあります)
さほど広くはないです。物語の中での時間もそんなに経っていないのかな。きっと1日も経っていない時間の中で、ヨルダを大切な守りたい存在と思うようになったのもこの作品の魅力だな〜〜と。

あと、ゲームの終盤でスタート地点に戻っていくのは割とある展開かなと思うんですが、それがすごく良かったです。クライマックスでどこに向かってるんだろうと思うんですが、見覚えのある景色になってちょっと鳥肌立つみたいな。

エンディング

女王を倒して最後の最後まで、きっとこれはハッピーエンドの物語なんだなと漠然と思っていたんですが、ゲーム本編でヨルダが最後に口にする言葉って「さよなら」なんですよね。
そのあと再開するものの、おそらくゲームの「おわり」を意味する単語を喋って終わるという。なのでイコに向けての台詞はエンディングでイコを1人船に乗せて脱出させるときの「さよなら」。最初はすごくびっくりしました。
イコが戦いを終えたあと、真っ黒い影のようになったヨルダと次に砂浜で会うときは、これまでと同じ姿に戻っていて、近づいたイコに微笑みかけるんですが、ヨルダにはこれまでの記憶はあるのかな…と思ってしまいました。
2周目の砂浜ではスイカが育っていて、それを持ってヨルダのところに行くと見られる「スイカエンド」では、後ろ姿なんですがどこか分かり合えているような雰囲気を感じます。そうあってほしい希望かもしれない。特に台詞だったり説明するような字幕は無くて、それがよかったかなと思いました。


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