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丼と御膳はどっちが上等で高価なんだろう…?

インバウンドの人たちが日本にくる目的の多くが「食事をたのしむこと」をあげる。
そのほとんどの人たちが日本料理をはじめてたべるわけじゃないのが面白いとこ。
世界中に日本料理を名乗るお店があってそういう店で「日本料理のようなもの」を食べた経験のある人たちがやってくる。
日本で本物に遭遇してびっくりする。
見た目に味わいの違いに驚き、店が清潔であることに感動する。
お店の人はやさしくて、しかも驚くほどに料理が早く提供される。

しかも安さにびっくりします。
なにしろ日本より経済力も所得水準も低い東南アジアの人たちが、日本の料理は安くていい…、っていうんですよ。
円安だからということもあるのだけれど、日本の食の価格は世界水準のはるかに下の安さなんでしょう。
もうガラパゴス。

日本の外食産業の仕組みはかなり頑丈です。
頑丈だからこそここまで成長し、不景気やコロナを経験してもなお、産業としての体裁を保つことができているに違いなく、けれど頑丈だからこそ変われない。
特に飲食店を経営している人たちの昔ながらの常識が、チャンスを逃してしまっているかも…。

最近、インバウンドの財布に合わせた商品を提供する店が観光地に増えてきた。
例えば豊洲の5000円の海鮮丼なんていうのが話題をさらったことがある。
しかもそれが飛ぶように売れたということに、さすがインバウンドの金遣いは違うなぁ…、って呆れる人も多かった。
5000円の料理が飛ぶように売れたということよりも、「丼くんだり」に5000円も払うなんてバカじゃないかというような呆れ方。
これがもし「5000円の海鮮御膳」だったら反応は違っていたかも。
不思議だけれど、それが日本人のガラパゴス的常識なのね…、とそういう話をしてみましょう。


御膳と丼

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