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夜の木蘭。いつもの席を感じながらの晩ごはん

夜、ひさしぶりに「木蘭」に来る。

バーカウンターがお店の奥にあってどこかスナックみたいな感じのお店。
けれど調理人の腕は一流。丁寧に作られた料理が気軽にたのしめるのが好きで一緒によく来てた。
いつも座っていたのは通りに面した4人席。

他の客席からほとんど見えないまるで個室みたいな落ち着く席で、キープしていた紹興酒のオンザロックを飲みながら、のんびり晩ごはんをとっていた。
案内された席から振り返るとそのテーブルが見えるのだけど、見るとさみしくなっちゃうから写真を一枚撮って前を向く。

春雨サラダと春巻2本、豚肉とピーマン、玉ねぎの炒め物のセットをたのむ。
春雨サラダは大好きで、硬く戻した春雨と細切りにしたハムときゅうり、錦糸卵を芥子酢醤油であえたもの。
春雨がサクサクしていて口の中がひんやりするのがたのしい一品。

ここの春巻は本当においしい。
生地はパリパリ。
餡はポッテリ、オイスターソースの風味、うま味が濃厚で細切りにしたタケノコ、豚肉がたっぷり詰まって食べごたえがある。
苦手だったしいたけが入ってないのがうれしいんだよね…、って言って食べていた。

メインの料理が4種類選べるセットの中で一番野菜たっぷりなのがこの炒めもの。
だから一番とらなかった料理だった。
おいしいんだけど紹興酒に野菜は合わないんだよね…、なんて言い訳してた(笑)。
素材に合わせて炒め具合を変えていて、ピーマンはシャキシャキ、玉ねぎは甘みを存分に引き出すちょっと強めの仕上げ、豚バラ肉はプルプルでご飯もすすむ。

ご飯をライス皿にこんもり盛り付けるのがここのスタイル。

スープの中にも錦糸卵が浮かんでていつもながらの入念にニッコリしました。なつかしい。

高田みづえの「硝子坂」がかかってた。これ、よく歌ったよなぁ…、なんて思っていたら奥村チヨの「恋泥棒」、黛ジュンの「雲にのりたい」と続いてく。
この時代の歌の歌詞は情緒があってしかもビシッと直球で、「なんとなく、二度が三度にたび重なって、あなたのことが好きになる」なんて今の歌にはない迫力。
斜向かいに座ってたシニアご夫婦も大喜び。
八神純子の「水色の雨」を聞きながら「この人のパワフルタウンって曲が好きだったのよね」っていう奥様に「そうそう、歌声もパワフルだった」ってご主人が答える。
パワフルタウンじゃなくってパープルタウンなんだけどなぁ…、と思うもそれもなんとなくよし。
長谷川きよしの別れのサンバを聞きながら、今日もお別れいたします。月命日の前の夜。


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