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専用カップでコルタードを飲むごきげんな朝

今日はとても気持ちよく目覚めた朝で、ちょっと上等な朝食を食べてやろうと思って歩く。
西新宿においしい和朝食をこなれた値段で提供しているホテルがあって、そこを目指してテクテクと。
お店に入って「泊まってないんですけどいいですか?」って聞く。
すると少々お待ち下さいと言ったきり案内されることなくしばらく待たされる。
空席だらけだったのに…。
誰も声をかけてくれずじっと待っていたのだけれど、宿泊客以外は入れたくないんだなぁ…、と思ってそのままホテルをあとにする。
こういうときには空気のいい店に行くに限ります。
研ナオコの「ガラス窓」を歌いながらテクリと歩く。
ふられても、ふられても、仕方ないけれど、そんなに嫌わなくていいじゃないの♫ってネ(笑)。
そして結局、ポールバセットにたどり着く。

超高層ビルの地下にありながら、天窓から降り注ぐやわらかな朝の光に満たされた伸びやかな空間が心地よくってオキニイリ。

ホイップチーズとプロシュートコットのクロワッサンサンドイッチをメインに選び、お供にコルタード。エスプレッソを少量のミルクで割って仕上げる飲み物。
スペイン語で「切る」って動詞の過去形でミルクでエスプレッソを切るようにするからついた名前なんでしょう…。
エスプレッソを抽出しながら、お店の人が小さなカップを洗い始める。
そしてこういう。

蚤の市でコルタード用のカップを先日買ったんです。
それがこれなんですけど、薄はりだから手に伝わる温度までもがおいしいんですよ…、って。
ニコニコしながらそれに注いでくれました。

ささくれだった気持ちがたちまち明るくなった。

ほどよくぬるく仕上がったコルタード。
指から気持ちがあったまる。
スッキリとした酸味に深い苦み。
ほんの少しのミルクで甘みやコクが加わって、目覚めの一杯にちょうど良い。

今日のクロワッサンはザクザクでした。

バリッと前歯で崩れ、細かなかけらが唇ひっかき口の中で散らかっていく。
バターがジュワッ。そしてとろける。
薄切りのハムが折りたたまれるように挟まっていてムチュンと歯切れる。

肉の風味に脂の甘みがクロワッサンの生地にからまり、ホイップチーズの酸味と一緒に口の中でなめらかになる。
胡椒の風味もよきアクセント。

クロワッサンのバターが指をしっとりさせてつやつやしてくる。
前歯がハムを引っ張ってクロワッサンと一緒に口の中へとやってくる。だからすぐにハムとチーズのクロワッサンが、ホイップチーズのクロワッサンサンドイッチになってしまうのネ。
ザクザクとフワフワが互いを引き立て、それもおいしい。
お皿の上にはクロワッサンの生地がまるで枯れ葉のようにうず高く積もってクロワッサンを食べ終える。

クロワッサンのかけらを集めて手のひらにのせ、パクっと食べてサクサク食べる。なんとシアワセな朝のゴチソウ。
ちょっとのんびりしようと思って、カフェラテ一杯作ってもらう。

コルタードと同じエスプレッソもたっぷりのミルクと一緒に飲むと甘く感じるステキ。
朝の気持ちをやさしくさせるオキニイリ。


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