スイートで甘辛の金曜
銀座ウエストにフレンチトーストを食べに来る。
東京にふたつあるオキニイリのフレンチトーストのひとつが鎮座ウエストの。
もうひとつは麹町の№4のなんだけど、そっちは連日すごい行列。気軽に食べることができなくなった。
ここは朝一番にくれば並ぶこともなくたのしめる。
開店と同時にお店に到着し、オキニイリのテーブルにつきアールグレイのアイスティーと一緒にたのむ。
まずアイスティー、ガムシロ、ミルク、メープルシロップのピッチャーにおしぼり、お冷、ナイフフォークがやってくる。
ナイフフォークは小さなサイズ。大仰な道具を使わなくても食べることができる料理を予感させます。
アイスティーをひと口、そしてまたひと口。おとしたばかりのアールグレイのベルガモットの香りをたのしんだところでフレンチトーストがやってくる。
フランスパンを使ったフレンチトースト。
こんがり焼けたパンの断面、卵の色に明るい焦げ色。
溶けたバターでつやつや輝きパウダーシュガーが表面白く彩って目にまずおいしい。
ナイフを入れるとズブッと沈み切れていくさまあっけないほど。
そのまま食べるとフランスパンの塩味と卵やミルクの風味、パウダーシュガーのやさしい甘みが口に広がる。
何より食感ふわふわで、歯を使わなくても舌で上顎に押し付けるだけでとろけて消える。
メープルシロップを注ぐとゴクゴク飲み込む。
舌に乗せると吸い込んだはずのメープルシロップを吐き出しながら自分の重みで潰れてく。プリンのようになめらかで、けれどクラスト部分はむっちりしていて歯ごたえもある。
朝のお腹にやさしくて、豊かな甘味で頭がたのしく目覚めてく。
アイスティーのおかわりをおねだりしました。打ち合わせまでしばらくのんびりいたしましょう。
打ち合わせを終え「おかめ」でお昼。
おやつの時間に近いお昼で、食後の甘味も一緒にとろうと「甘辛弁当」を選んで食べる。
甘味屋さんの「辛い」という文字は俗にいうところの「hot」や「spicy」の辛いじゃなくて「甘くない」という意味で使うのでしょう。
「甘い」部分はおはぎ。
「辛い」料理はおむすびとおでん、古漬け、昆布の佃煮。
二段重ねのお弁当箱にキレイにおさまりやってくる。
おはぎはつぶあん、きなこ、胡麻から一個選べて今日はきなこを選ぶ。
注文したとき、「おでんに卵は入れてもいいですか?」って聞かれた。
アレルギーとかが関係するのかなぁ…、問題ないですって答えたら卵に大根、はんぺん、ごぼ天、さつま揚げが並んでた。
昆布のうま味がどっしりとした出汁で煮込んだおでんです。
どの具材にも味がしっかりしみこんでいて、しかも熱々。大根を食べたら上顎、焼いちゃった。
練り辛子がツーンっと辛くてくしゃみが出ちゃう。
そうか、これが甘辛の「辛」の部分の正体か!って腑に落とす。
おむすびのご飯もその出汁で炊いた茶飯。
硬めに炊けてて口の中でパラッとちらかり、出汁の香りとやさしいうま味が広がっていく。昆布の佃煮のっけてパクリ。古漬け齧って汁を飲む。
そのおすましも同じ出汁がベースになってて、なにを食べても味に統一感があるのがうれしいゴチソウ。
そして最後にきなこのおはぎ。しっとりとしたもち米混じりのご飯の芯につぶあん。量は控えめで甘いきな粉が主役の仕上がり。
きな粉をのせてたアルミホイルのカップに残ったきな粉もお薬飲むように食べました。