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麦とろに煮豆腐、魚卵のごとき鶏そぼろ餡

「シャルク」でお昼。タナカくんが逝く一週間前に軽く飲み定食で〆…、って夜を過ごした思い出の店。

オーベルジーヌっていうテイクアウトのカレーで人気のお店と同じフロアで、階段下までカレーの匂いが漂っている。
茹でたじゃがいもがまるごと一個つくカレー。タナカくんがたまに買って食べていた。

階段脇に「とろろ2階です」って貼り紙がある。

昼の定食にはもれなく自然薯がつくというのが特徴で、昼も人気のお店になった。
若い人たちでやってるお店。

だからかお客さまも若い人たちが多くてにぎやか。明るいムード。
鳥料理がメインのお店で、唐揚げがおいしい。昼の人気の料理でもある。
でも半年ほど前に食べた「煮豆腐のそぼろ餡かけ」って定食がおいしくって気に入って、今日もそれを選んで食べることにした。
厨房の中では箸をしきりに動かしそぼろ餡を作ってる。ここの料理はどれも丁寧。日本料理に基本にしっかり添った料理を気軽な値段で味わえるのはありがたい。

料理、完成。

お膳の上に麦飯、小鉢、味噌汁、自然薯。
メインの煮豆腐のそぼろ餡かけがキレイに並んでやってくる。
豆腐の上にそぼろ餡…、というよりそぼろ餡の池に浮かんだ豆腐半丁って感じがステキ。
刻みネギにカイワレ大根が色味を添えて香りもおいしい。
腹が鳴る。

あらかじめよく煮込まれた豆腐は、出汁の味が芯まで染み込みあったかく、甘辛醤油味に整えた細かな鶏のひき肉にとろみをつけた餡がからんでおいしくとろける。
ネギやカイワレがシャキシャキ歯切れて豆腐や餡のとろけを引き立てなんともおいしい。
餡だけ食べるとそぼろがプツプツ、舌をくすぐり炊いた鯛の子みたいな味わい。プリン体のことを気にせずたのしめるのが、今のボクにはおゴチソウ。

出汁をたっぷりくわえてすった自然薯。麦飯の上で器をそっと傾けるとどぅるんと重たく滑り落ちてく。全部一度にかけるとご飯の熱でかたまっちゃうから、食べる分だけ流して食べて…、と注意書きがあるほど食感デリケート。
トゥルンとかけてスルンとかきこみもぐもぐ味わう。体の中を滋養がじんわり駆け巡る…、って感じがステキ。大地の滋養を感じるおいしさ。

小鉢はおからとこなすの漬物。大根にネギにわかめと具材たっぷりの味噌汁もおからもしっかり出汁が効いててご飯がすすむ。
何を食べても手抜きのないのにニッコリします。今日もたのしく満ちました。


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