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味噌チゲは小さな味噌鍋

近所でお昼。「とんちゃん」に来る。

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人気の移り変わりが激しい大久保で、長い間、人気のお店でい続けている実力派。韓流ファンの気持ちをガシッとわしづかんでる。
そんなお店が韓流だとか観光だとかが無縁の四谷三丁目に出来たときにはびっくりしました。

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理由のひとつは一時期、お店の向かい側に韓国大使館が移転してきて、一瞬、リトルコリアのようになったこと。
ただ昔から四谷三丁目には日本における韓国料理の総本山、妻家房があったうえ、焼肉店が案外多くておそらく韓国料理の需要が高いエリアだったに違いない。

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この店もいつも混んでて大繁盛。ランチタイムもニギヤカです。
大久保で一番おいしいサムギョプサルで売った店です。昼にもサムギョプサルを焼いてたのしむ人もいる。けれどほとんどの人が定食類。ビビンパやスンドゥブチゲが人気でけれど、ボクは一択。味噌チゲ定食。

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韓国流にいうと「テンジャンチゲ」。現地にいくとその専門店もあったりして、ボクは韓国に行くたび、最初にお腹にいれるのはこのテンジャンチゲと決めていた。
地方ごとに。お店ごとに。あるいは家ごとに味噌の味が違ってて、好みにあった贔屓の店を見つけるたのしみがあったりもした。ここの味噌チゲはボクの好きな味。だからサムギョプサルを焼いたときでも、〆は味噌チゲご飯に決めてた。
昼はまず、小皿に入ったおかずがずらりと並んでた。それにご飯が最初にきておかずをつつきながらメインを待つ…、っていうスタイルだった。ところが今日はお膳の上に一人前分のおかずが並ぶ。それからご飯。つつきあうという食べ方が今はちょっとネ…、ってことなんでしょう。ちと残念。

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ナムルやキムチがおかずのメイン。
ここのカクテキは浅漬でカリカリしていてボク好み。
ブロッコリのナムルがおいしく、野菜を沢山食べられるのってありがたいよな…、ってしみじみ思う。

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そして味噌チゲ。
石鍋に入って登場。
勢いがよくて、細かな沸騰が鍋の中でずっとしばらく続いてる。
味噌チゲを韓国のお味噌汁…、って表現することもあるけれど、味噌汁をこんなに煮立たせたら叱られる。

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けれど味噌チゲは沸騰させてこそのおいしさ。
熱々をスプーンですくってふうふうしながら食べるのがいい。
具だくさんです。
牛すじ肉にアサリに煮干し。
これらがスープに味や深みに出してくれ、韓国カボチャやじゃがいもにネギ、豆腐に刻んだ青唐辛子。

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日本の味噌汁はあくまで副菜。具だくさんの豚汁になるとおかずの代わりになるけれど、韓国の味噌チゲはそれだけでご飯がすすむおかずの一品。スプーンを入れると必ず何種類かの具材がのっかり口の中へとやってくる。
味噌の味わい濃厚で塩の味もばっちり効いてる。食べると自然にご飯をねだる。しかも熱々。ずっと熱々。その上、辛くて食べすすめるとどんどんお腹が空いてくるような気持ちがしてくるオモシロさ。

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そのうち具材がなくなって、汁だけになる。もうこの頃には器も汁も適温で、とは言え手で持ち上げるにはまだまだ熱い。それで石鍋を斜めにしスープの最後の一滴までも残さぬようにしっかり食べる。お腹あったか、汗をかく。


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