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普通のそばを食べたくて
普通のそばを普通に食べたい。しかも冷たい普通のそば。普通の冷たいそばで気軽にお腹いっぱいになろうと思えば「さがたに」にくるのが一番。
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あたたかい汁そばは汁のおいしさで選びたい。
冷たいそばは麺の喉越し、歯応え風味で選びたくなる。さがたにの麺はしっかり角が立った頑丈な麺。唇を撫でまわすなめらかさも、スルンとお腹に流れ込む喉越しもよくってオキニイリ。
ツユの風味や味が若干そっけなく、けれどその欠点を補ってもなおここのせいろはおいしくて好き。一味や七味、塩に麻辣油と調味料が多彩にそろっているのも上等なそば屋にはない自由なところ。
以前はカウンターに取り放題のわかめが置かれてた。
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それが大きな容器に入れられ、そば湯と並んで置かれるようになっていた。
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コスト削減のほんのちょっとの工夫でしょうネ。しょうがない。
せいろをたのんで、刻んだ海苔とごまだれ追加。
食券買って座って待って、3分ちょっとで番号呼ばれてとりにいく。
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みずみずしさを感じる麺です。
ツヤツヤしていて、茹でて〆たばかりでキリッと凛々さがある。
海苔をそばの上にこんもり移し、海苔が入ってた器にわかめを入れてごまだれタラリ。
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麻辣油を注いで食べる。
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サービスなのにワカメがおいしい。ザクザク歯切れる感じがたのしく、噛んでるうちに甘味が出てきて麻辣油もおいしくさせる。
ごまの風味と混じって味わい濃厚にして香りも華やか。
そばをひと口。唇撫でてスルンと口の中に飛び込み、一緒に甘めのタレがやってくる。
歯応えのあるそばはそのまま飲み込むにはもったいなくて、しばらく噛みます。噛めば噛むほどにそばの香りが立ち上がりゆっくりとろけてトゥルンと喉の奥へと消えていく。
おいしいなぁ…、ほどよきおいしさ。
ごまだれに潜らせスルン。どっしりとしたうま味にこうばしさ。軽い渋みで普通のタレで食べるそばとはひと味違ってこれもいい。
それにしても海苔のワサビの威力は絶大。磯の香りや香ばしさ、ワサビの辛みがじんわり舌に染み込んでしばらくすると甘みに変わる。香りもさわやか。やっぱりそばにはわさびだなぁ…、ってしみじみ思う。
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ネギは最後にタレに入れ、蕎麦湯を注いで飲んでお腹をあっためる。お腹もしっかり満ちました。