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渋谷のウーピーゴールドバーガーで思い出にひたる…。
今日は月命日。渋谷の「ウーピーゴールドバーガー」にくる。
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渋谷駅から青山に向かう急な坂道、宮益坂。のぼりきるちょっと手前の路地を曲がったところにある店。
同じ大きさ、同じ造りの店が4軒並んだ中のひとつで、隣に昔ゲイバーがあった。
そういう場所です。
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通りから3段降りたところにテラス。テーブルが2つ置かれて奥に入り口。カウンターだけで若い人たちがたのしそうにハンバーガーを焼いている。
ハリウッド女優のウーピーゴールドバーグをもじった店名。
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スタンダードなチーズバーガーが「ウーピーゴールドバーガー」で、ほかにもサラジェシカバーガーだとかヘレナボナムバーガーだとかハリウッドスターの名前由来のハンバーガーが揃ってる。
渋谷だからネ…、親父ギャグじゃなくて洒落なんだよネ…、なによりうまいんだからいいじゃないってタナカくんが愛したお店。なつかしい。
テラスで食べる。
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ハンバーガーは外で食べると一層おいしく感じるからネ。
ふたりで食べた最高のハンバーガーはプールサイドにあったものネと思い出しつつ料理をたのむ。
いつものようにチーズバーガーにドライのジンジャーエールを選んだ。
テーブルの上にはハインツのケチャップ、フレンチマスタード。フライ用にモルトビネガーが置かれてて、ジンジャーエールと一緒にタオル生地のおしぼりがくる。
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ハンバーガーで手がベトベトになってもいいように…、っていう配慮がうれしい。おもてなし。
開けっぱなしのお店のドアから涼しい風とおいしい匂いがやってくる。
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お腹をグーグー鳴らして待ちます。やってくる。
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コロンと大きなハンバーガー。
ゴマつきバンズがテカテカ光って食べて!と誘う。
フライドポテトかマッシュポテトをサイドに選べる。ここは迷わずマッシュポテト。
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だってこれがおいしいんだもの…。
茹でたばかりのじゃがいものみずみずしさが残ってるんです。
ところどころにホツホツとした芋の塊が残ってて、味は塩と胡椒とバター。シンプルだからこそのおいしさ。食べるたび「丼いっぱい食べられちゃうね」っていって笑ったオキニイリ。
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バクっとひと口。サクッとバンズが壊れてふっかり歯切れてく。ザクっとレタスが前歯で壊れ、トマトが潰れてがっしりとしたパテに到達。ちぎれて散らかる。
クミンシードの香りがふわっと漂いながら、こんがり焼けた肉の香りがおいかけてくる。レッドオニオンの辛みにピクルスの酸味、それからチーズのコクが混じり合う。
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おいしいなぁ…、思わず目を閉じ気持ちを集中したくなるおいしさ。
がっしりとした噛みごたえのあるパテが壊れて肉の旨みや脂の甘みがひろがっていく。口の中にいろんなものがあるはずなのに、肉の存在感はゆるぎなくひたすら肉を喰らってる…、って感じがするのにウットリします。
途中で野菜を全部食べ、バンズにパテ、チーズだけにして味わうと肉のおいしさが一層際立つ。
ヒリヒリ喉が痛くなるような辛いジンジャーエールもハンバーガーのよき相棒。おいしかったよ…、って席を立つ。
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ところで髭を蓄えていると食べたものの匂いがずっと髭にたまってしまうんですネ。それがいい匂いのときもあったり、顔を洗いたくなるほど不快に感じることもある。
安い肉の脂の匂いや化学的な匂い、あるいはへんてこりんな調味料はとてもやっかい。悪いものを食べちゃったって後悔の種になるのだけれど、今日のお髭にたまった匂いのおいしいこと!
おいしい余韻をたのしみながら渋谷の町をブラリする。