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牡蠣の季節の三州屋
11月になりました。
牡蠣の季節になったのにカキフライを食べてなかったことに気づいて三州屋に来た。
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気持ちがせいて開店時間の5分ほど前にお店に到着。お店の写真を撮ってたらボクの後ろに次々、人が並びはじめた。
旗竿敷地の路地の奥。お行儀よく一列に並んで10時半の開店を待つ。
時間通りに暖簾が出て、お店に入るとたちまちにぎわう。
お食事ですか?とお姉さんに聞かれて「カキフライに鳥豆腐」って答えて待ちます。
ボクを含めて3組続いてカキフライ。
厨房の中からシュワシュワ、油が爆ぜる音がする。
まず鳥豆腐に漬物が来る。
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どっしりとしたうま味スープに醤油の風味。
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キレイな鶏の脂がキラキラ浮いていて鶏肉、豆腐、そして小松菜。
皮を丁寧に剥いでコトコト煮込んでいるから肉はほろほろ。スープの香りもこうばしい。
10分ほどしてカキフライとご飯に赤だしがやってくる。
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こんがり揚がった牡蠣5貫。
細い棒状に牡蠣の形をととのえて、細かなパン粉をぎっしりまとわせ揚げている。
ラード混じりの油です。甘くておいしい匂いが湧き上がる。
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千切りキャベツの他にレタスサラダが添えられるのがここのフライものの特徴。
しかもレタスといっしょにトマトや缶詰の黄桃が入っているのが独特で、黄桃の甘酸っぱさがドレッシングを上等味にしてくれる。
湯剥いたトマトがクチュッと潰れる感じもオゴチソウ。
野菜をみんな食べたところでカキフライ。
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タルタルソースなんて用意されてなくって、あるのはウスターソースだけ。
男は黙ってウスターソース…、って感じでたっぷり。レモンを絞れば油の風味がスッキリします。
カサッと前歯をくすぐるパン粉。噛むと牡蠣の香りがフワッと立ち上がる。熱がしっかり入ってて、けれどみずみずしさを忘れず牡蠣はなめらか。味わい濃厚。ウットリします。
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熱々だった鳥豆腐も温度が落ち着き食べやすくなる。もみじおろしを溶いたポン酢にとっぷり漬けて七味をパラッ。ハフっと食べる。
今日の漬物は白菜に蕪。塩がキリッと効いていて量もたっぷり。
なめこと豆腐の赤だしはなめこのとろみが汁に移ってトロンと喉を撫でるおいしさ。お腹がたのしく満ちました。
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磨きに磨かれ角がすっかりとれてしまった無垢のテーブル。手触りなめらかでやわらかく、濡れてもすぐに乾いてく。これもゴチソウ、オキニイリ。