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ここだからこそ、朝だからこそのコンセプト、HITOSHINAYA
羽田で朝食。HITOSHINAYA。
朝早くから飲食店が開いてる羽田空港の中でもひときわ開店時間の早い店。おそらく空港施設の一般部分が開いた直後からやってるんでしょう。
北ウィングの半ばにあって、南に向かう飛行機ばかりを使うボクにはワザワザ行かなきゃいけない場所。
でも、ワザワザ行くだけの価値があるのがありがたくもある。
しかもいつもにぎわっている。特に開店直後なんて待ちかねていた人たちでたちまちのうちに満席になる。それでもしっかり対応できるのは、メニューが2種類しかないという店の特徴ゆえでしょう。
おかゆの朝食。焼き鮭定食と2種類あって、焼き鮭たのむ。
まずはコトンと湯飲みに出汁が入って登場。
この店が開業したとき、このやり方にはびっくりしました。
日本料理の基本は出汁。上等な素材を使っているとか、丁寧に作っているとか、出汁がおいしいということをお店の人たちは自慢半分、アピールしようとするけれど、薀蓄だとか説明だとかよりまず出汁をそのまま飲んでもらうのが効果的。
着席してすぐ。無垢な口にまずやってくる出汁はおいしいに決まってる。舌においしいだけじゃなく、喉をかけおり胃袋の位置や形を教えてくれて、五臓六腑に染み渡る味。しかもお茶を出す必要もなく、コストを抑える役割もする。今日もおいしくあったまる。
四角い箱に青菜のおひたし。
豆腐、メインの焼いた鮭。
鮭の後ろには厚焼き卵が隠れてて、絞った大根おろしに醤油。
酢蓮が一枚と、開業当初からずっと変わらぬ料理の構成。
特に焼き鮭がのったお皿は日本料理の基本通りで、だからどっしり、揺るぎない。
この、いつも同じという安心感をうれしいと感じるのか。
たまには違ったものが混じっているといいのになぁ…、と不満に思うのか。季節感を日本の料理の重要な要素の1つと思えばちょっと微妙なところ。
けれど飛行場という性格上、頻繁に利用する人はおそらく少なく、しかも貯食。いつも同じにホッとしてもらえることがおもてなし…、と思えばまぁ、よし。しょうがない。
鮭は二度焼き。提供直前に皮目をしっかり焦がして焼くから、脂が焦げた香りが食欲誘ってくれる。
ここのサラダにはいつも感心。ドレッシングではなくポン酢を使い、クルトンがわりにあげたジャコ。枝豆だったり刻んだ大根と季節季節で副素材が若干かわり、サラダでありつつ日本料理のように感じる。粋でちょっと気が利いている。
おひたしの上の鰹節とか、豆腐の上のジュレポン酢と、ありきたりの料理をちょっと上等で変わった料理に見せる見せ方。勉強しながらご飯に汁でお腹も満ちる。朝の今日。