甘いはんぺん…、ウフアラネージュ
ひさしぶりに「ウフアラネージュ」を食べる。
フランス料理のお店の定番デザートのひとつで、ウフは卵、ネージュは雪。つまり雪のような玉子のお菓子。
食べたのは九段下にあるプティトノーというビストロです。
人気のお店で、今日も開店と同時ながらもう2組が入ってて、あとから続々、近所の人たちがやってくる。フランス料理のお店でありつつ気軽なムードがいいのでしょうネ…、おじさんたちのグループ客がいたりする。
メニューは黒板。ギャルソンはみんなフランス人というのがなんだかたのしい。昼のコースを選んでたのむ。
コースをたのむとグラスワインが一杯、サービスになるというのだけれどお酒を飲むと多分、汗がとまらなくなる。それで代わりにりんごジュースをもらってゴクリ。
メインディッシュとデザートが数種類から選べるようになっていて、デザートの一番人気はキャラメルプリンだという。
でもウフアラネージュを気軽なランチで食べられるのは珍しく、それを選んだ。
そしたら金髪のギャルソンくんがひときわニッコリ。グッドチョイスって褒めてもらった。
固くたてたメレンゲに熱を加えてふっくらさせて、アングレーズソースに浮かべる。雪でできた白い島がバニラ風味の海に浮かんでいるような見るだにシアワセになるような姿。
メレンゲの上にはスライスアーモンド。
ふっくらとしたメレンゲの食感きわだて、キャラメルソースのビターな風味で甘さも引き立つ。
スプーンですくうとズブズブ、あっという間に潰れそうで口に含むとフワッととろける。それも小さな泡が壊れていくような食感で、はんぺん食べてるみたいな気持ちになるのです。
あぁ、はんぺんだ…、って思った途端に目の前にあるお菓子がはんぺんにしか見えなくなってくるのに笑う。オモシロイ。
ちなみにこの店。ちょっとしたいたずらごころがあって好き。
お水が入ったボトルがテーブルに置かれるのですネ。そのエチケットに「シャトー・シーガル」って書かれてる。
業務用浄水器のロールスロイスって呼ばれるシーガルフォーが作ったお水というジョーク。いやいや、フランス料理の店だから「エスプリ」と言い換えましょうか…、かつては玉川上水の水ってエチケットに書かれてた。確かに登用の水道水は世界に冠たる水道水(笑)。
料理はしっかりしています。
まず前菜はサーモンケーキ。サイコロ状に切ったスモークサーモンを同じ大きさに切ったセロリやトマトと一緒にセルクルに詰め、サワークリームとディルを飾って味わう料理。彩りにしたイクラがはぜて風味を添える。
ねっとりとしたサーモンをセロリの香りとみずみずしさが際立たせ、ディルの香りが口をスッキリしてくれる。
メインディッシュはステックフリッツをお願いしました。
表面こんがり、よく焼けた肉。脂でツヤツヤおいしそうに光って見える。
ナイフを当てるとザクッと切れる。繊維のきめは細やかで、奥歯のところでずっと居座り顎たたく。噛めば噛むほどに肉の旨味が滲んででてくる。塩と胡椒をちょっと強めにほどこして、肉そのものの味を味わう。
そしてときおり、テーブルサイドのマスタード。酸味が強くてツーンっと鼻から抜ける辛味が肉の脂をスッキリさせる。
フレンチフライがちょっとへニャヘナしちゃっていたのが残念かなぁ…、二度揚げしてザクザクサクサク歯切れて壊れるフレンチフライが恋しくなった。まぁ、しょうがない。
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