カレー南蛮蕎麦餅入りかつ丼付き
日曜の昼。家の近所の尾張屋にくる。
四谷三丁目の街は静か。昼食のあとによったスーパーにも人は少なく、そう言えば昨日の新宿もいつもにくらべて人が少なかったなぁ…、ってちょっと思い出す。
外国からの観光客は多かった。
それでもいつものような人で溢れかえったような密度を感じることがなかった。そう言えば今月に入ってから売上が伸び悩んでいる飲食店が多いもんなぁ…、って思ったりもする。
なんだかいやな感じだなぁ…、って思いながらお店に入るとここはにぎやか。ご近所のおなじみさんがズラリと並んで昼の食事をたのしんでいる。景気がどんな具合になろうが、おなじみさんに愛されている店、商売はなんとかなるものってしみじみ思う。
カレー南蛮を汗をかかずに食べきることができる季節になりました。
餅入りのそばでお願いをした。
ここのカレーそばのおいしいことにはウットリします。
ボクにとって、おそらく世界で一番おいしいカレーそばはここのこれ。
食べ続けていて慣れた味だから…、ということもある。
けれど出汁の濃厚で旨味たっぷりであるところ。
カレーは風味豊かであとからあとから辛味が押し寄せ、お腹、体を熱くする。なのに舌にヒリヒリ感が残らぬやさしい辛さでもあるところ。
蕎麦がなめらかでもったりとして、けれど最後まで麺のバッサリした食感をたのしむことができるところ。シャキシャキ感を残した玉ねぎ。分厚い豚肉とどれをとってもバランスがよく、加えた餅にカレーがからんでポッテリおいしくなるとこもまたオゴチソウ。
お供にかつ丼。とんかつ屋のかつ丼でなく、定食屋のかつ丼でもなく、あくまでそば屋のかつ丼。そしてそば屋のかつ丼の中でも、ここのこれはやさしく、そばのお供に程よいところがオキニイリ。
肉はふっくらやわらかで、細かなパン粉を厚めにつけて揚げられている。揚げおきのそれをたっぷりの出汁とかえしで煮込んで卵で閉じる。だから衣は出汁でグズグズやわらかで、卵と渾然一体となる。出汁がおいしいそば屋ですから、当然、煮かつの仕上がりも上等で、ご飯がおいしく食べられる。
味噌汁もついてて、それもおいしい汁なんだけどカレー南蛮の汁をすすってかつをパクリ、ご飯をかきこむ。甘辛だれとカレーが一緒に口の中で混じってとろける。シアワセな昼。オキニイリ。
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