サカキマイチロウって誰!そしてなぜ?
2丁目のお店の多くは周年記念パーティーをする。
大抵が会費制の飲み放題。
ママやヘルプでいつも入っているスタッフたちがドラァグクイーンのショーをしたりする。
その日のにぎわいがお店の人気のバロメーター。
「あの店、周年記念に200人集まったらしいわよ」なんて噂がたつと翌日からお客様が一気に増えたりするからママは一生懸命にぎやかしを仕込むんですネ。
「シンイチロウから花輪がでると箔がつくからお願いできないかしら」って馴染みのお店のママからお願いされることもあってよくお付き合いをしておりました。
30年ほど前、ボクはかなりの有名人でございましたゆえ(笑)。
あるとき、ボクが花輪を出すことを約束したお店に顔を出した。
ショーのリハーサルをやってるだろうなぁ…、なんて思ってまだ宵の口のお店が開く前に来たら、まだ花輪が届いていないという。
古内東子そっくりというのが売りのママの口パクショーの仕上がりを、大笑いしながら見てたらやっと花輪が届く。
全部で5つ。
名前を探したらボクの名前が見つからない。
かわりに「真ーロウ」ってへんてこりんな名前があって、あぁ、あれだなぁって思いはしたのネ。
「あら、いやだ。シンイチロウってどう書けばいいですかって聞かれたから、真実の真に横一棒に郎って言ったの。これじゃぁマーロウだわね」って大笑い。
ごめんなさいネ…、変えてもらわなくちゃってママは言ったけど、一晩、マーロウさんになるのもいいじゃないかと思ってそのままにしてもらったのネ。
そしたらそれからしばらく、ボクは2丁目でマーロウさんと呼ばれてました。
外国人になったみたいでゴキゲンだった(笑)。
伝え間違い。
読み間違い。
書き間違いの世界はたのしい。
そういえば「サカキマイチロウさん、いらっしゃいますか」って呼ばれたこともありました。
榊真一郎をサカキシンイチロウと読んでもらえるとは限らない
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?