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いいとんかつの店ってどういう店なんだろう…、の答えのひとつ。豚珍館

夜、無性によってみたくて「豚珍館」。

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新宿駅の西口を出た電気街の路地にある。
飲食店がテナントとして入る古いビルの2階で、手頃な値段でほどよくおいしく、ランチタイムには階段に並ぶ待ち客が溢れ出して路地まで並ぶ。
人気のお店。
さすがに夜は行列まではできないけれど、お店に入るとほぼ満席。
一組帰ると、それほど間をあけず次の一組がやってくるというお店にとっては一番ありがたい混み具合。
相席当然で、ボクらも相席。中国からの老夫婦とひとつ食卓をシェアして食べる。
店に入る前に注文を聞く。メニューは階段の至るところに貼られているから席についてメニューを開いて迷うなんてことはない。しかもあらかじめほとんど仕上げたものを二度揚げするから、あまり待たずに提供される。

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出来たてというわけでなく、飛び上がるほどおいしいかというと決してそんなこともなく、けれど流行る。
「いいとんかつ屋」って一体どういう店なんだろうという答えのひとつが、この店にあるような気がして、それでたまにきたくなるわけ。

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品質よりもスピード、味よりもボリュームって感じの店で、だからといって大食い系の一人客が多いかと言うとそんなこともない。
昼も夜も2人、3人連れ立ってやってくる人がほとんどで、多分、誘い易い店なんでしょう。
スピーディーでしかも安くて、誘った人に負担を強いない。オモシロイなぁ…、って来るたび思う。

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たのんだのは上ロースカツにカニクリームコロッケにチキンカツの盛り合わせ。

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ソースは2種類。甘口、辛口。
甘口の方はぽってりしていて胡麻が混ざって風味濃厚。
辛口ソースはサラサラとしたウスターソース系。
ラードまじりの油でバリッと揚げた濃厚風味のパン粉衣の揚げ物です。
だからソースはスッキリとした辛口ソースがボクは好き。

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豚ロース肉は繊維を丁寧に切って揚げててふっくらやわらか。
チキンカツは鶏むね肉です。ふっかりやわらか。むっちりとした食感でやさしい味わい。食べやすい。
カニクリームコロッケはポッテリとしたホワイトソースにカニの風味がしっかりまじる。ご飯の上にのっけて食べると、口の中でドリアになっていくのがたのしい。

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いつ来てもご飯がちょっとやわらかめなのが、硬めが好きなボクにはちょっと残念で、でもコロッケと一緒に食べるに限ってこのやわらかさがくせになる。

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ご飯がもりもり食べられる店にこの店のいろんなところが最適化されているのでしょう。
例えば、「スイートイタリアン」ってソースがある。
ここ独特の調味料。

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スイートチリソースのようでいて、ニンニク臭はほとんどなくてかわり赤唐辛子の辛味が強い。甘くてビリビリ辛いソースでカツにかけてもおいしいけれど、千切りキャベツに食べるとめっぽう旨い。ご飯のおかずになるおいしさ。
しかもここの千切りキャベツは細くてみずみずしくて、カツの凡庸を補いあまりあるほど。

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ご飯も汁もお替り自由。汁は豚の脂身とじゃがいも、玉ねぎがたっぷりはいった具だくさんで、味噌の風味も出汁もおいしい。千切りキャベツと味噌汁があればご飯もすすもうもののオキニイリ。


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