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茶碗蒸しと太麺皿うどん

ひさしぶりに「吉宗」にくる。月命日の昼ごはん。

長崎に本家があって、銀座のお店は暖簾分けというか独自の店。
長崎の吉宗は卓袱料理のお店だから、皿うどんやちゃんぽんはないんだよね…、って長崎出身のタナカくんが言っていた。
銀座の吉宗で好きだったのは皿うどん。
それから長崎のお店の名物でもある「夫婦蒸し」。
茶碗蒸しと蒸し寿司が同じ茶碗に入ってやってくる料理で、ふたりで行くとそれぞれ夫婦蒸しをたのみ皿うどんをひとつ追加して分けていた。
いつも行ってた銀座8丁目のお店が閉店し、まもなく移転開業するんじゃないかと噂を聞いたのが2020年のはじめの頃。
心待ちにしていたけれどタナカくんは逝っちゃって、その一年ちょっとあとにここにお店ができた。
ふたりで一緒に来たかなったなぁ…、って来るとしんみり。月命日にやってくる。
茶碗蒸しと小さなサイズの皿うどんのセットをたのむ。皿うどんの麺は太麺。

注文するとすかさず茶碗蒸しがやってくる。
ほとんどのランチセットに茶碗蒸しがついているから準備万端。
蓋をあけると蒸気と一緒においしいスープの香りがしてくる。

表面つややか。
レンゲをいれるとフルンと割れて中からスープが滲み出してくる。

卵が限界までスープを吸って固まった…、そんな感じの仕上がりでしかもスープがこの上もなくおいしいんです。

テーブルの上には金蝶ソース。

皿うどんにはお酢じゃなくってウスターソースをかけて食べるのが長崎流だよ。田舎ではいつも金蝶ソース。それがあるのがうれしいネ゙…、っていつも言ってた。
タナカくんと知り合っていなかったら皿うどんに太麺があることやウスターソースがあうことを知らずにいたかも…、って思ったりする。今でもうちには金蝶ソースが常備です。

ふうふうしながら茶碗蒸しを食べてると、皿うどんがやっと到着。
ぽってりとした餡。もやしにキャベツ、ネギにひき肉、かまぼこ、キクラゲ。具材も豊富で餡に包まれツヤツヤしてる。

麺は太いちゃんぽん麺。茹でて炒めてところどころに焦げ目がついててそこに餡がからんでく。
餡がちょっと甘くなりましたか…、金蝶ソースをたっぷりかけて甘みひきしめ、味も香りもスパイシーにする。

茶碗蒸しの具材もたっぷり。かまぼこ、穴子、白身魚に鶏肉にお麩。しいたけ、キクラゲ、それから銀杏。
タナカくんはしいたけが苦手でボクは鶏皮付きの鶏肉がダメ。
いつも交換して食べていた。今日は鶏肉を器の蓋にそっと置きタナカくんにお供えしました。

皿うどんの麺が早々になくなって、野菜あんかけをれんげですくって食べて〆。今日もおいしく食べました。


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